こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は夫婦の満足度を高める自己開示についてお伝えしたいと思います。
何十年の間、一緒に暮らしていく配偶者。
本当の自分を見せて過ごすことができていますか?
一緒に考えてみましょう!
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
夫婦関係の満足度は自己開示に相関がある。
突然ですが、皆さんは夫婦関係や夫婦生活に満足していますか?
おそらく、夫婦立て直し工場を訪れているということは何かしら夫婦関係に問題・悩み・葛藤を抱えていて、本当は良好な夫婦関係を築いていきたいと考えているのではないでしょうか。
では、夫婦生活の満足度が高い夫婦にはどのような特徴があると思いますか?
大きく2つの理由があることがわかっています。
ひとつは会話時間です。
会話時間が充実しているほど、夫と妻はお互いに夫婦生活満足度が高まります。
会話が多い夫婦の方が良さそうだなというのは、イメージがつきやすいかと思います。
さらにアサーティブなコミュニケーションを心がけることで、夫婦関係の満足度は高まります。
しかし、会話時間だけ長くても夫婦生活は良好なものとならないようです。
もうひとつの要素は、記事のタイトルにもあるように『自己開示』です。
自己開示とは、『自分はこんな特徴があって、こんな考え方をしているよ』という自分を知ってもらうためのコミュニケーションです。
夫婦になったのだから、相手のことをよく知りたいという欲求は自然なものなのでしょう。
心のつながりを求めているのは双方同じということですね。
とくに、子育て期は会話時間と自己開示が夫婦生活満足度を向上させていたとわかっていますので、新婚期から意識して会話量と自己開示を始めても良いと思います。
新婚期に共通する課題の詳細はチェックする↓
一方、男性は心の繋がりと自己開示が一致していない傾向にあることもわかっています。
たくさん会話をしたり、配偶者への愛情があっても自己開示はあまりしないというスタンスの方が多いのです。
すると、妻は自己開示しているのに夫は自己開示しないという一方通行の関係性が生まれます。
婚姻期間が長くなるにつれて、夫婦間で親密さが徐々に下がってくるのは『自己開示』の質にもよるものと考えられます。
また、中年期は夫の自己開示が妻の夫婦生活満足度に影響を与えると言われています。
よって、『自己開示』を上手に取り組んでいくことが夫婦生活の満足度を向上させるひとつの要因になるのです。
すでに、『いっぱい自己開示できているよ!』という方も『そういえば、配偶者に自分のこと全然話してないなあ』と思う方もぜひ参考にしていただけたらと思います。
伊藤裕子・相良順子・池田政子 夫婦のコミュニケーションが関係満足度に及ぼす影響―自己開示を中心に 文京学院大学人間学部研究紀要 Vol.9, No.1, pp.1 ~ 15, 2007.1
自己開示をするには?
さて、早速自己開示しようと思っても、これまで上手にできていなかった原因がわかっていないとなかなか難しいかと思います。
せっかく、自己開示をしても興味を持ってもらえなかったり、一貫性がなかったりすると逆効果になることも。
そこで、上手に自己開示するための方法や考え方を3つお伝えします。
自己開示の一助になれば幸いです。
- 他己開示
- 自分を言語化
- トラウマを乗り越える
他己開示
最初におすすめする取り組みは、『他己紹介』を用いた自己開示です。
他己紹介とは、友人や同僚から自分がどんな特徴や性格なのかを聞き、『私は友達から○○だとよく言われるんです』と自己紹介する手法のひとつ。
基本的に初対面の挨拶で有効な自己紹介方法ですが、夫婦間でも『この前こんなことがあって、友達から○○だねって言われたんだ』と日常のエピソードから自分のことを知ってもらうことは配偶者への自己開示を促します。
なぜ、他己開示を提案すると思いますか?
理由はシンプルです。
相手に好感を持たれやすい自己開示ができるからです。
他己開示の最大のメリットは、自己開示する時に自慢話になったり、卑屈になったりするリスクが減り、聞き手に好感を持たれやすいことがです。
自分のことを話してくれている人に対して、『なんだか興味を持てない、面白くない』と感じるのは自慢話と自虐話のバランスが悪くなっているからです。
また、夫婦間のコミュニケーションで自己開示がうまくいかないのは、自分のことがよくわからないというのが大きな要因。
自分のことは自分が思っている以上によくわからないものです。
とくに、自分のことを否定的に捉えやすい傾向にあります。
反対にナルシスト傾向の強い人は、自分の良い面ばかりを見せようとします。
そこで、他人に自分のことを教えて貰うといい部分も悪い部分もバランスよく客観的に知ることができるのですね。
遺伝子検査も方法のひとつ
友人に聞きづらいなと思ったら『遺伝子検査』で生まれつきの自分の特徴を話してみるのもいいかもしれません。
おすすめの遺伝子検査キットは性格分析もできる『Gene Life Myself2.0』ジーンライフマイセルフです。
遺伝子検査87項目と性格分析60項目から、あなたの性格・体質・特徴などの傾向を判定する自己分析遺伝子検査キットです。就職や転職、恋愛などの重要なライフステージで自分を見つめなおしたい方に、特におすすめです。
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ちなみに公式よりもアマゾンの方が安く手に入るのでアマゾンで購入するのがおすすめですよ。
自分を言語化
次にお伝えする上手に自己開示するための取り組みは、『自分を言語化』することです。
自己開示がうまくできない人の特徴は、自分を言葉で表現することを苦手としているためです。
例えば、あなたが他人から『私の趣味は読書です。休みの日は家でテレビを観ています』というような当たり障りのない自己開示をされたらどう思いますか?
よほど、印象的な人ではない限り、相手に興味を持ちませんし、これ以上踏み込んで欲しくないんだなと感じてしまいませんか?
配偶者に対しての自己開示も同じです。
熟年離婚する夫婦が『結局、配偶者のことがよくわからないままだった』と話すケース少なくありません。
自己開示しているつもりだったけど、もしかすると表面的なことしか伝えていなかったとしたら?
私たちも同じような末路を辿る可能性があります。
そのため、自分を言語化しておくことで配偶者にも自分のことを伝えやすくなるのです。
具体的には↓の4つの要素を言語化するといいと言われています。
- 特徴
- 目標
- 動機
- 価値観
夫婦はどちらかが死ぬまで一生一緒に暮らしていく存在です。
自分自身の根本的な部分を理解してもらうことが何よりの自己開示。
ご紹介した4つの要素は、自分自身の根幹を表現する要素ですので、配偶者に知ってもらうことで『この人のことはよくわからなかった』という熟年離婚につながるリスクを軽減することができます。
私たちは自分の人生の目標やその動機を他人に話すことをあまりしたがりません。
私もそういうタイプの人間だったからわかります。
だからこそ、話してみるという行動が夫婦関係の改善につながるのです。
ちなみに、私が4つの要素を言語化すると↓のような感じです。
- 特徴(7割は合理的:3割は情緒的)
- 目標(自分の大切にしたいこと興味のあることを全力で取り組むために、時間に縛られず、経済的に自由な人生を謳歌する)
- 動機(家族との時間を大切にしながらも、いつまでも成長し続けたい)
- 価値観(自立した心で手の届く範囲の人をしあわせにする)
皆さんはどのような要素を持っていましたか?
言語化してみると、自分ってこんな人間だったんだと改めて認識し直すと思いますよ。
さらに、自己認識の重要性について詳しく知りたい方は、『insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』を読んでみてはいかがでしょうか?自分を変えたい!知りたい!という方におすすめです。
また、価値観リストの作成も自分を言語化するための一助となります。
価値観リストの引用元は↓のラス・ハリスさんの書籍『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる』です。認知行動療法によって自分を変えたい方には必ず紹介する書籍です。
トラウマを乗り越える
自己開示に取り組んでいく中で、問題になるのが自己開示に関わるトラウマです。
子どもの頃に身についた世界の見方によって、自己開示が難しくなっている場合もあります。
人は生きていく中でスキーマ(過去の経験や記憶によって構造化された概念)を構築していきます。
今までの人生が○○だったから、きっとこれからの人生も××だろう。という人それぞれが持っている思い込みのようなものと考えていただければOKです。
例えば、↓のようなスキーマを持っていると自己開示が難しくなります。
- 他人との関わり合いが不安定だったから、自分と関わる人たちはいつか自分を見捨てるに違いないと思っている。
- 自分は誰からも愛されないし、理解もされないと感じている。
- 人間として欠陥があり、そんな自分の存在自体が恥ずかしいと思っている。
- どうせ自分は何をやっても失敗すると考えている。
こうした方がトラウマは、幼いころからの成育環境で身についてしまった自分の身を守るための世界の見方とも言えます。
- いじめを受けていた経験から、愛されたいという感情を抑えながら生きることで見捨てられた時の心のダメージを小さくしようとする自己防衛している。
- 親から『ダメな子、不器用な子』と言われ続けたため、自分は欠陥があると思い込んで心の平穏を保っている。
でも、↑のような考え方を持っていたら、いずれ生きづらさを感じると思いませんか?
子どものころはスキーマのおかげで心の守ることができていたけれど、大人になって人間関係が複雑になると幼いころに出来上がったスキーマが世界の広がりを邪魔してしまうのです。
夫婦関でも同じように接していたら適切な自己表現は困難になります。
配偶者へ心を開けないのは、あなたが幼いころに身に付けた世界の見方が影響しているかもしれません。
スキーマ療法については情報収集しているところです。
今後、詳しく紹介していきます。
家系の課題を解決するために役立つワークブックは↓です。記事の更新を待ってられない方はこちらのワークブックを購入して実践してみてくださいね。
加えて、非合理な思い込みについても知っておくと、自分が夫婦関係に抱いている固定観念が見えてくると思いますよ。
最後に
上手に自己開示するための提案はいかがでしたか?
自分が思っている以上に配偶者へ自己開示していないのが現実。
中年期以降に親密さが薄れてしまう夫婦が多いのも、相手のことを知りたいという感情を諦めてしまったのが要因かもしれません。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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