こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は、『心理的安全性の高い家族の特徴』についてお伝えします。
心理的安全性の高い会社は聞いたことあるけど、家族にも同じように当てはまるのでしょうか?
実はめちゃくちゃ当てはまるんです。
一緒に確認してみませんか?
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
心理的安全性を高めるための参考書籍
石井遼介さんの心理的安全性の導入アイデアがたくさん紹介されている書籍です。家族が安心できる家庭を着く築きたい方はぜひアイデアを取り入れてみてくださいね。
メンタリストDaiGoさんのマインドフルネスについてとてもわかりやすく解説されている書籍です。心理的柔軟性と切っても切り離せないマインドフルネスを初めて学ぶ方におすすめの一冊です。
心理療法士ラス・ハリスさんの実践的マインドフルネスであるACTについて紹介された書籍です。思考や感情と距離を置くことは、夫婦立て直しを長期的に取り組むために必要な技術です。
また、↓の記事は心理的安全性の高い夫婦・家族を目指すためにおすすめな本を紹介しています。よかったらチェックしてくださいね。
心理的安全性とは?
まずは心理的安全性とは何かについてお伝えします。
心理的安全性とは、ハーバード大学のエドモンドソン教授が打ち立てた概念です。
定義は↓のようになります。
『チームの中で対人関係におけるリスクを取っても大丈夫だとチームメンバーに共有されている信念のこと』
例えば、
- お互いに考えや意見を尊重し合える関係性であること。
- 建設的に意見を出し合える関係であること。
というような関係性が挙げられます。
反対に心理的『非』安全なチームを考えてみてもわかりやすいかもしれません。
- 良かれと思って行動しても罰を受ける。
- 意見を言うと頭ごなしに否定される。
↑のような関係性は、非安全な関係と言えますよね。
エドモンドソン教授は、対人関係のリスクを大きく四つにカテゴリ分けしています。
- 無知と思われる
- 無能と思われる
- 邪魔と思われる
- 否定的と思われる
チームの成果や貢献することを目的とした行動をすると、4つのリスクを負うかもしれない、
と思っている状況は非安全と言えます。
心理的安全性を高めた方がいいのは家族も同じ
今回主に参考にしたのは、石井遼介さん著『心理的安全性のつくりかた「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変わる』です。
本書は、職場の心理的安全性をテーマにしていましたが、家族関係においても心理的安全性を高めるのは重要です。
心理学的には、安全基地の考え方『安全感・応答性・共感性』に通じますよね。
ぜひ、一緒に学んでみましょう!
心理的安全性の4つの因子
心理的安全性を考えるうえでポイントとなるのは、
心理的安全性という概念が米国で定義されたため、直接応用することができないことです。
私たち日本と米国は文化・社会構成面における多様性が異なります。
とくに日本は他人と異なることを気にする文化をより強く持っています。
よって、対人リスクによる罰や不安がない状態を目指すだけではなく、自分が受け入れられていると感じる状態を目指す必要があるのです。
日本版の心理的安全性の高いチームには↓の4つ要素も備わっていなければなりません。
- 話しやすさ
- 助けあい
- 挑戦
- 新奇歓迎
罰や不安を受けるリスクを抑えつつ、『話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎』が受け入れられるチームを築けるようにそれぞれ詳しく深掘りしてみましょう。
また、家族は自分にとって最小のコミュニティでありチームです。
家族間でも心理的安全性があるのと無いのでは、日々の幸福感が大きく異なります。
取り入れられる部分がないか、一緒に考えてみましょう。
話しやすさ
話しやすさがあることで、チーム(家族)内では何を言っても大丈夫だという安心感があることです。
安全基地の考え方が役に立ちますね。
とくに『安全感』や『共感性』が重要になります。
例えば↓のような状況で家族がどのように振る舞えるかで話しやすいチームであるのかがわかります。
- 家族間で自分だけが異なる価値観や意見を持っていてもはっきりと伝えられるか。
- 問題やリスクを感じたときに声を上げられるか。
- 知らないこと、わからないことをフラットに尋ねられるか。
どれもいまいち。。。
と感じていたら、話しやすい環境を作れていない可能性がありす。
話しやすいということは、助け合い・挑戦・新奇歓迎を呼び込むひとつの条件。
今回を機に、見直してみてくださいね。
助け合い
助け合うことは、しあわせな家族を築くための大原則。
夫婦のどちらかや子どものうち1人が犠牲になって成り立つ家族には、本当のしあわせは訪れません。
↓のような助け合う体制が作られているか確認してみてください。
- 問題が起きた時、人を責めるのではなく建設的に解決策を考える雰囲気があるか。
- 家族はいつでも相談に乗ってくれるか。
- 減点主義ではなく、加点主義か。
家族間の助け合いは、無条件であることが大切。
安全基地のうち、『応答性』が当てはまるかと思います。
- 助けを求められたら、すぐに助ける。
- 必要以上に手を出さない。
↑のような困っている家族に対しての応答性ですね。
配偶者がテイカーである場合は話が少し違いますが、夫婦立て直しに取り組むなら、『あの時は、助けてくれなかった。だから今回は助けない』という条件付きの行動は負のスパイラルを生むだけです。
喧嘩してても、不満があっても変わらずに助ける。
強い絆を持つ家族を築きたいですね。
挑戦
『挑戦』と聞くと、
ビジネスに関係があることで家族関係には役立たないんじゃないか?
と思いがちです。
本当は、家族だからこそ挑戦を後押ししてあげることが大切。
- チャレンジや挑戦が受け入れられているか。
- 実績や前例がなくても、とりあげることができるか。
- 多少非現実的でも、面白いアイディアをチームに共有しよう、やってみようと思えるか。
↑のように実績や凄まじい勢いで移り変わる世の中では、過去の価値観が当てはまらないことは多々あります。
例えば、家族のための資産形成も挑戦が必要です。
節約や貯蓄のやり方が時代にあっていなければ、よりよい安心感にはつながりません。
一昔前は、自動的に収入源が上がり、貯金していれば大きな利子がつく時代でした。
残念ながら、今はそうではありません。
当時の価値観を塗り変えて、新しい挑戦に目を向けなければ家族を本当の意味で支えることは難しいです。
配偶者が新しいことにチャレンジしようとしていたら、頭ごなしに否定せずまずは傾聴してあげてください。
新しい価値観が家族をより好転させることもあるはずです。
子どもの教育に関しても同じ。
私たちにできることは、子どもの人生のコントロールではありません。
子どもの自立を支援し、挑戦して失敗したとしても安心して戻ってくる場所を維持すること。
少しくらい非現実的でも、
家族全員で取り組めば人生はひと味もふた味も変わります。
新奇歓迎
新奇歓迎は挑戦に似ていますが、もっと人にフォーカスをした内容です。
↓のように個性を活かすことが家族間で求められているか考えてみてください。
- 役割に応じて、強みや個性を発揮することを歓迎されているか。
- 常識にとらわれず、様々なものの見方や視点を持ち込むことが歓迎されているか。
- 目立つことがリスクではないと思えるか。
私自身、別居して夫婦立て直しに取り組むまでは、
新しい物事へ取り組むことが苦手な人間でした。
こうして、ブログを通して私と同じように夫婦や家族関係で困っている誰かの役に立とう考えたこともなかったです。
瞑想は怪しい宗教のひとつくらいに考えていましたし、
株式投資なんて怖くてしようとも思いませんでした。
しかし、新しい物事を受け入れてチャレンジすることで、家族をより良い方向へと引っ張っていくことができるようになりました。
もちろん、大きなリスクを伴う行動もあるかもしれません。
その時は、家族で話し合い、助け合いみんなが納得できる形で進めていけばいいのです。
長期的な視野で積み上げよう
では、どのようにしたら『話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎』を家族へ浸透させていくことができるのでしょうか。
共通して言えることは、
心理的安全性をもたらす4つの要因は『きっかけ』に対する『みかえり』を増やしたり、減らしたりする『行動』を取ることで良い循環を定着していくということ。
みんなで心理的安全性のあるチームを作ろう!と声をあげたからすぐに変わるものではないのです。
時間をかけてじっくりやっていく必要があります。
↓の図は参考書籍からの引用です。
冷房が寒いので設定温度を上げたときの例です。
きっかけ……『冷房が寒い』
行動……『設定温度を上げる』
みかえり……『暖かいor寒いまま』
と考えます。
エアコンの設定温度を上げることで部屋が暖かくなったなら、冷房が寒ければ次も設定温度を上げようと思いますよね。
逆に設定温度を上げた結果何も変化がなければ、また冷房が寒かったとしても設定温度を上げようとする気持ちは低下してしまいます。
このように、きっかけに対する行動のみかえりが自分にとってポジティブなら増えます。
反対にネガティブでは減ってしまいます。
同じことが心理的安全性における行動においても言えるのです。
心理的安全性は4つの因子それぞれの行動の集積結果です。
- 話しやすさ…話す・聴く
- 助け合い…助けを求める・行動する
- 挑戦…挑戦・歓迎・機会を与える、つかむ
- 新奇歓迎…個性を発揮、歓迎、配置する
↑のような行動が多いほど心理的安全性は高いと言えます。
理想の状態を目指すために、自分たち家族の中でどのような行動が起こっているのかをよく観察することが重要。
- 相談したら真摯に話を聞いてくれた!→また話そう!
- 助けを求めたら、素早く助けてくれた!→困った時はまた頼ってみよう。
- 新しいことへ挑戦する気持ちを歓迎してくれた!→またチャレンジしてみよう!
- 私の得意を褒めてくれた!→チームのために活かしていこう!
↑のように何かのきっかけを基にとった行動でポジティブなみかえりを得られたら次も行動を取ろうと少しずつ思うようになってきます。
ぜひ、心理的安全性を育てるための4つの要因を意識して日々を過ごしてみてくださいね。
ネガティブなみかえりを増やさない
ひとつ注意しなければならないのは、ネガティブなきっかけも行動やみかえり次第では増えてしまうことです。
↑のように上司に怒鳴られたとき、自分がすぐに対応すると怒鳴られるのはおさまります。
一見、良いことのように感じますが、上司の怒鳴るという行動を助長してしまっている場合もあるのです。
『怒鳴れば、言うことを聞くなら次も怒鳴って言うことを聞かせよう』
という心理的安全性とはほど遠い状況は、家族間でも十分に起こり得ます。
ひどい場合だと、配偶者や子どもを暴力暴言によってコントロールをしようとします。
そして、心理的安全性が少しずつ作られていくように、非安全な環境も少しずつ慣らされて、気づかないうちに作られていきます。
言い方を変えれば『きっかけを生む側』と『行動をする側』の共犯関係で起こっていると表現できます。
共犯関係を生まないためには、自分と相手を尊重することが大切。
お互いを尊重する関係性はアサーションによって身につけることができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
家族の特性を知ってから行動しよう!
心理的安全性を家族で築く際に、もうひとつ重要なことがあります。
それは、配偶者や子どもの特性を知ること。
人によっては、
つらいことがあったときは、何でも話すタイプとできるだけ話したくないタイプがいますよね。
困っているときはすぐに助けてほしい人もいれば、自分でなんとかしてみたいと思っている人もいます。
自分や配偶者の遺伝子的に持っている特性や生育環境で習得した人間関係の癖を知らなければ、
その人にとっては『安全ではない行動』を取ってしまうリスクがあるのです。
せっかくの取り組みが悪循環へ陥らないように、家族のことを知ることにも着目してくださいね。
心理的柔軟性
さて、ここまで心理的安全性についてお伝えしました。
次に、心理的安全性を取り入れるために必要な『話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎』の4つの行動を、
個々人の性質に応じてしなやかにチームの中で活性化するための能力である『心理的柔軟性』についてお伝えしていきます。
性格や特徴が異なるのは配偶者や子どもも同様です。
そして、
人によって『話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎』を促す方法も異なります。
よって、私たちは家族の個性に合わせるための『しなやかさ』を身につける必要があるのです。
3つの要素
しかしながら、
『しなやかになろう!』
と決意しても具体的はしなやかさを身につけるのは難しいです。
そこで、参考書籍で紹介されていた心理的柔軟性で大事な3つの要素をお伝えします。
- 必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる
- 大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む
- それら変えられないものと、変えられるものをマインドフルに見分ける
↑のような行動パターンが取れることが、心理的柔軟性高い人の特徴。
個人がこの3つの要素を満たしているとき、
『状況・立場・文脈』に応じて、
役に立つ行動パターンが取れるということになります。
心理的柔軟性の3つの要素は、
アメリカの神学者であるニーバーの祈りにもリンクしていますね。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。
Wikipedia-ニーバーの祈り
家族が困難を乗り越えるチームになるために一緒に学んでいきましょう!
必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる。
変えられないことを受け入れるには何が必要だと思いますか?
それは、行動を起こす際の心理的な抵抗を減らすことです。
実際の障害や困難そのものよりも、
思考や感情が引き起こす際の心理的な抵抗が、
チームや家族のためにやらなければならないことを妨げます。
もし、
『困難な思考や感情を、オープンに受け入れる』
という心理的柔軟性が十分にトレーニングされていなければ、
『自分自身の行動や接し方を変える』
という最初の一歩を踏み出すのが困難になります。
例えば、
話しやすい環境を作ろうと思っていても、
いざ仕事や家事育児に疲れているときに相談されると不機嫌な態度を表してしまう。
助け合いをしたいのに、
夫婦関係がうまくいっていないため勇気が出ない。
というようなことが起こりがちです。
では、どのようなトレーニングをすれば、
困難を受け入れることができるようになるのでしょうか?
『思考=現実』から脱出
ひとつめの方法は『思考=現実』からの脱出です。
『思考=現実』の状態とは、
まさに色付きの眼鏡を通して世界を眺めている状態です。
冷静に思考しているように思えても、
性別、年齢、生育環境などその人の見た目や思い込みで物事を判断していることには意外と無自覚です。
そして、
大きな問題なのは誰もが大小なりとも幼い頃から色眼鏡を作ってしまっていることです。
夫婦間や家族間でも色眼鏡は家系の課題へと姿を変えて悪さをします。
まずは気づくこと
よって大事なのは、
誰もが色眼鏡をかけていて、
自分も例外ではないと気づくことです。
- この人が言うことは、信用できない。
- 昔はこれでうまくいっていたから大丈夫。
- どう考えても、それはおかしい。
- 私が絶対に正しい。
というように人物そのものを否定したり、自分を正しいと思い込んでいる場合、
現実の問題点に対して、
思考を優先させてしまうことによって問題点への感受性を下げています。
決めつけ思考や相手の存在そのものを否定しそうになったときは、
『今の私は思い込みに支配されている!』
と不安や焦りにも気づくようになれると、
心理的柔軟性の第一歩を踏み出したことになるかと思います。
自分の思考を軽んじる
自分の思考を軽んじると表現すると自己肯定感が低いと感じるかもしれません。
一方で、クリティカルシンキングと呼ばれる常識を疑ってかかる思考法が存在します。
現状を打破するために、
自分の出した結論を多角的な視点から考えてみる必要があります。
私が夫婦立て直しへ取り組む際に、
そもそも自分が本当に配偶者と立て直すことを望んでいるのかもう一度考えてほしいと伝えています。
なぜなら、多角的視点で家族を捉えてほしいからです。
もしかすると、
人によってはしあわせになるために離婚を選択しなければいけないかもしれないし、
配偶者を手放すことが、配偶者にとって本当の意味のしあわせにつながるかもしれないからです。
よって、心理的柔軟性を高めるために価値観という自分の軸は保ちつつも、
自分の考えをいい意味で軽く取り扱うことができるようになりましょう。
変わらないものを受け入れる一助になると思います。
嫌な気持ちをコントロールするのではなく、受け入れる
長期的に嫌な気持ちを回避・コントロールすることはできません。
むしろ、無理やりポジティブに考えたり、
忘れようと回避行動を取ったりすることのほうが、
感情の起伏を生み出したり、
暴飲暴食のような短期的快楽によって身体にダメージを残してしまいます。
ネガティブな感情はコントロールできないと理解することが大切です。
そして、
たった今私たちが遭遇しているトラブルが起きなければ、
自分と家族と向き合わずに生きていたかもしれません。
『ちょうどよかった』のです。
しかしながら、嫌な気持ちでいることは、大きなストレスですよね。
ストレスに関してはある程度コントロールができますので、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
大切なことに向かい、変えられるものに取り組む。
『必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる』では、
行動を起こすための心理的抵抗を減らした方がよいことを紹介しました。
『思考』は現実ではなく、妄想。
不安の9割は実現しません。
そして、自分以外の人間の思考や行動はコントロールできません。
では、どうしたら前向きに進んでいけるのかをこれからお伝えします。
大切なことの明確化・言語化
最初のステップは『大切なことの明確化・言語化』になります。
仕事でも大切ことがわからずにチームが混乱している場合、
パフォーマンスは大きく下がりますよね。
理念や目標のない企業が、
みんなバラバラの方向へ進んでしまっている雰囲気を想像していただければ、
わかりやすいと思います。
家族でも同じことが言えます。
大切なことが確立していなければ、
一緒に暮らす配偶者や子どもは不安を感じます。
自分の大切なことを明確化して、変えられることへ取り組みましょう。
価値観リスト
自分の大切なことがわからないと感じていたら、
価値観リストの作成をおすすめします。
価値観リストとは、
数ある価値観の中から自分にとって大切にしたいと思うことを抽出し、
優先順位をつける作業です。
自分の人生で大切にしたいことがトップ10を作るようなイメージです。
ゆっくり時間をかけて何度も作り直すことで、
はっきりとしたものへとなっていきます。
価値観リストを作っておくメリットは、
大事な選択を迫られたときに、
自分の価値観がブレず、的確に選べるようになるからです。
例えば、
『受容:ありのままの自分を受け入れてもらう』ことが大切な価値観だと感じるなら、
配偶者へ素の自分を出してもいい場面があれば、素直に見せることで後悔してしなくて済みます。
『正確:自分の意見や信念正しく伝える』ことが大切だと感じるなら、
アサーションを学び、配偶者へ自分の意見や信念を正しく伝える方法を取り入れるべきです。
『達成:なにか重要なことを達成する』ことが大切と感じるなら、
家族へしっかりと相談をしてビジネスや副業にチャレンジできるようにすることで、価値観定まり、家族を守る余裕も生まれます。
一方で、じっくりと考えた結果、
『家族よりも挑戦や恋愛が大切』と価値観リストが示すのなら、
無理をして夫婦を立て直す必要はないと私は思います。
自分自身の価値観を無視して夫婦立て直しに臨んでも、
いざという時に軸がブレてしまうからです。
そして、いつか配偶者や子どもを不幸にしてしまうでしょう。
よって、大切なことを価値観リストにより、明確化、言語化してみてください。
変えられるものは確かにあります。
しかし、
自分の心の深くに根付いた考え方や夫婦関係の癖は、
変えるのに時間がかかります。
変えられることだけに集中できるようになり、
家族は安心してあなたと生きていくことができます。
大切なことに向けた、具体的行動
次は大切なことに向けた具体的行動を考えていきましょう。
今回参考にさせていただいた書籍では、大切なことに向けた具体的行動についてあまり詳しく書かれていません。
しかし、自分の価値観が定まったら、
その価値観に沿った具体的行動が必要。
むしろ、ここが最重要ポイントだと言えます。
価値観リストに沿った具体的行動を取るために、
活躍してくれるのが『なぜなぜ分析』です。
『夫婦立て直し工場』というブログ名で記事を書き始めて以来、
初めて工場らしい知識をお伝えさせていただきます。
なぜなぜ分析
『なぜなぜ分析』とは、トヨタ自動車が発案した原因追求のための手法です。
なぜ?なぜ?を繰り返す事で思考を深掘りすることができます。
『なぜ?』を5回繰り返すと真の原因に辿り着く。
本来は課題や問題を根本解決するための手法ですが、
今回は価値観の深掘りに役立ててみようと思います。
例えば、
『家族:幸福で愛に満ちた家庭をつくる』という価値観が最も重要だと示されたとします。
なぜ大事だと思うのか?
自分の心に尋ねてみてください。
私の場合は↓のように尋ねてみました。
幸福で愛に満ちた家庭をつくる
↓なぜつくりたい?
家族には幸福であってほしいから
↓なぜ幸福であってほしい?
家族が幸福であることが自分の幸福にもつながるから
↓なぜ自分の幸福につながる?
自分が家族を幸せにしていることに生き甲斐を感じるから
↓なぜ生き甲斐に感じる?
見返りのない行動でも家族が幸福になるなら自分も嬉しいから
↓なぜ見返りが無くてもいいのか?
内発的な動機の方が、役に立った感覚や継続性が上がるから
↓つまりやるべきことは?
長期的視野で家族へ愛情を与えること。愛情を与えられる自分を育てること。
私の価値観の深掘りの一例ですので、
家族を重要だと捉える理由の答えではありません。
深掘りの内容からは、
私自身は家族が幸福であることが自分の幸福であると認識していて、
家族に対して見返りを求めずにどんなときも愛情を持って接することが大切だと自覚していることがわかります。
夫婦立て直し中は様々な選択を迫られます。
その時々で判断をしていたら軸がブレてしまいます。
自分がその価値観を大切にしている理由を認識しておくことで、
具体的行動がはっきりして間違った選択をせずにすみます。
ぜひ、『なぜなぜ分析』にトライしてみてくださいね!
変えられないものと変えられるものをマインドフルに見分ける
最後は、変えられないものと変えられるものを見分ける力についてです。
変えられないものと変えられるものを見分けるにはどのような技術や力を身につければいいのでしょうか?
ずばり、マインドフルになることです。
マインドフルな状態とは、
『今この瞬間に集中し、自分の体験していることに気づくこと』
そして、
『言葉の世界から一歩引いた視点を持つこと』
です。
夫婦立て直しに取り組んでいる方は、
常日頃から将来の不安や焦りと戦っていると思います。
不安や焦りゆえに、
『こんなことをしてもどうせうまくいかない』
『配偶者の態度が変わらないし、頑張る意味がない』
と雑念に捉われがちになります。
しかし、
長期的視野で夫婦・家族関係を立て直して行きたいなら、
『今のこの瞬間にベストな行動』を取る必要があります。
配偶者が自分に対して冷たい態度をとっていても、
大切な家族だから変わらずに助けることができるのかが肝になります。
配偶者が感情的な態度で接してきたからといって、
こちらも感情的に応戦してしまうと前向きな関係性を築けません。
この時、
今は配偶者から感情的な態度をとられたな。
それに対して自分は苛立っているな。
怒りをぶつけそうになっているな。
だけど、本当に正しい選択肢はアサーティブに会話することだな。
と目の前の状況に集中し、
自分の感情の動き、やるべきことを俯瞰できるようになったら最強です。
マインドフルなる自分へなる方法をこれからお伝えしていきますね。
今この瞬間に集中
現在の瞬間に立ち戻るトレーニング方法として、
『瞑想』によるマインドフルネスが有効です。
元々マインドフルネスは仏教・禅に由来する瞑想法。
そんな宗教性の強かったマインドフルネスをマサチューセッツ工科大学医学部のジョン・カバットジン名誉教授が、
医療法のひとつとして宗教性を除去し、
ストレス・痛み・病気へのケアとして持ち込んだのが『マインドフルネス低減法』です。
参考書籍はこちら↓
しかしながら、
マインドフルネスは手法が多岐にわたって存在するため、
初めて取り組む方は何から始めていいのか分かりづらいです。
そこで↓の3つの共通ポイントを押さえていただきたいです。
- 今この瞬間に目を向けること
- この瞬間の体験に気づくこも
- 言葉の世界から離れること
これらのポイントが満たされているのではあれば、
どのような瞑想法に取り組んでもいいのです。
私が紹介している瞑想法には、
などがあります。
いずれも取り組みやすい瞑想法です。
ぜひ試してくださいね。
『物語としての私』から『観察者としての私』
心理的柔軟性を高めるには、
心理状態を『物語としての私』から『観察者としての私』へ変えていくことが大切です。
私たちはごく自然に、
名前、年齢、性別、学歴、所属、職業、スキル、経歴、実績、信念など、
様々なものをこだわりを持って自分自身を『=』で結びます。
しかし、
当たり前のように結びついている自分とこだわりを強く結びつけてしまうと柔軟性は無くなります。
とくに、
夫婦関係で引き起こされる問題は、
自分のこだわりや思い込みのぶつかり合いによって生じます。
生育環境によって幼い頃から無意識に染みついてしまっている傾向にあります。
そのため、
家族間に心理的柔軟性を取り入れるには意識的に、
『観察者としての私』としての視点を持つことが重要になってきます。
観察者としての私とは?
では、『観察者としての私』とは何なのでしょうか?
一言でいえば、『私=世界を写すカメラ』という感覚で捉えられていることです。
過去の記事では『自分を俯瞰する』と表現していると思いますが、
まさにその状態です。
マインドフルに物事を判断するには、
自分や相手の思考や感情を一歩引いて捉えられるようになることが重要。
私たちは予期せぬ出来事に遭遇すると、
つい『反応』してしまいがちです。
夫婦立て直しでは、
とくに配偶者の思考や感情とぶつかり合わないことが求められてきます。
よって、
配偶者の思考や感情をワンクッションおいて受け止められるようになれればよいのです。
脱フュージョン
これから紹介する『脱フュージョン』という技術は、
相手の思考や行動を俯瞰することで、自分のメンタルを安定させる方法として以前紹介しています。
心理的柔軟性は、
『自分のこだわりや価値観が阻害された』
と感じることで損なわれます。
そこで、脱フュージョンを応用することで、
思考や感情にワンクッション置くことで『反応』しないですむ場面は増えていきます。
例えば、
私は『〜』と思っている。
と思考や感情に鉤括弧をつけて受け止めるという方法があります。
- 私は『自分の意見を否定された』と思っている。
- 私は『自分のこだわりを認めてもらえなかった』と思っている。
というように一歩引いた受け止め方をするだけで、相手を受け入れようとする心理的柔軟性は変わってきます。
ぜひ、『脱フュージョン』を日常に取り入れてみてくださいね。
3つの柔軟性は互いに関係している
紹介した3つの柔軟性の特徴は一体なんでしょうか?
ここまで読んでくださった方ならピンとくるかもしれません。
それは、3つの柔軟性は、
『バラバラに存在するのではなく、相互に影響を与えている』
ということです。
- 大切なことへ向かうためだからこそ、困難に直面しても乗り越えようと思えます。
- 変えられないものだと気づくことができたからこそ、コントロールできないなら仕方がない。受け入れてみよう
というようにどれかひとつができているから他の2つにも取り組めると思えるのです。
よって、
全てを同時に取り組もうとせずに、
ひとつずつ向き合っていくことを私はおすすめします。
最後に
心理的安全性と聞くと、なんだか難しい取り組みだなあと感じますよね。
しかし、実際には自分と相手を尊重し合った関係を築けるチーム環境のことです。
家族のうち誰かが、
支配的であったり、
犠牲になったりしていたら
見せかけの平穏でしかありません。
ビジネスで重要視され始めた心理的安全性は、家族間の円滑なコミュニケーションのためにも重要です。
とくに、
配偶者や子ども自分とは異なる人間であること。
異なるこだわりや価値観を持っていること。
などを忘れてしまうと感情のぶつかり合いになってしまい、
心理的安全性は損なわれます。
ぜひ、家族をしなやかに舵取りできるように、心理的安全性と心理的柔軟性を高めていきましょう。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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