こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は夫婦立て直しのためには、避けて通れない、
『家系の課題』の向き合い方について紹介します。
夫婦立て直しの鍵はお互いの潜在的不安を乗り越えることです。
夫婦が持っている潜在的不安の原因を一緒に考えてみましょう!
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
夫婦立て直しがうまくいかない理由の9割は親にある!
まず、最初に伝えたいこと。
それは、夫婦立て直しがうまくいかない理由の9割は親にあるということ。
いきなり親のせいにして無責任なやつだ!
と怒られるかもしれません。
大の大人が自分の人生の問題を親のせいにするなどあり得ないと思われても仕方ないのは承知です。
しかし、『親』が『子』の人格形成に大きな影響を与えていることは遺伝子と生育環境の影響力からも明らか。
そして、自分の性格の癖ゆえに夫や妻とのコミュニケーションや関係性がうまくいかなくなってしまうのです。
『家系の課題』は遺伝子と生育環境で決まる
私は、
自分が生まれ持った性格や特徴
育った環境の影響で好転的に備わった人間関係の癖
↑の2つの要素が絡み合って、
『家系の課題』が生まれていると考えています。
例えば、
配偶者と頻繁に感情的な口論してしまうのは、↓のような可能性があります。
- 遺伝的にストレスへ反応性が高く、無意識に自分を守るために過剰に反応してしまう
- 両親や祖父母が感情的な口論を繰り返していたため、夫婦間のコミュニケーションは感情的であると思い込んでいる。
持って生まれた遺伝子や過去の実体験によって、そう反応することが当たり前になっているからです。
遺伝子が心の半分をつくる
人間の性格は半分が遺伝子で形成されるといいます。
遺伝子が与える人格への影響については、安藤寿康氏著の『心はどのように遺伝するか』で一卵性双生児の心の在り方を軸に語られています。
生き別れになり、全く違った環境で生きてきた120組の双子は、類似性の高い人生を歩み、性格や癖も似ていたという研究結果です。
そして、自分が持っている遺伝的素養については、【GeneLife Myself2.0】(ジーンライフ マイセルフ2.0)の自己分析遺伝子検査キットによって知ることができます。
夫婦関係にフォーカスを当てると、『親が離婚している子どもの離婚率が高い』のも、体感的にも数値としても実感されると思います。
アメリカの研究データによると、両親が離婚している子どもの離婚率は約70%も上がってしまいます。
つまり、
離婚しやすさ
浮気症
攻撃性
浪費癖
コミュニケーションの回避傾向
ストレスに対する反応
というような夫婦関係を難しくする要因を生まれつき自分が持っていると、夫婦関係に問題が発生するリスクが高まるのです。
逆に考えれば、遺伝子から読み解くことで、『自分がとってしまいそうな行動』、『抱いてしまいそうな不安感』を予測できるわけです。
しかし、遺伝子を知るだけでは不十分でそす。
遺伝子が全く同様な120組の一卵性双生児でも、類似性か認められないケースもありました。
遺伝子でその人のすべてが決まるわけではないということです。
環境が人を変化させる
遺伝子が生まれ持ったその人の性格を決定するとしたら、
環境は後天的に性格を変化させます。
とくに、大きな影響を与えるのは家庭環境です。
きつい表現かもしれませんが、家庭環境によっては、夫婦関係を破綻させやすい性格になってしまうのです。
以前、なんとなくテレビを見ていたら、あるタレントの女性が、
『私の母親はシングルマザーだったから、どうせ私も結婚したって1人になる。でも子どもは欲しいから結婚したい。私は母親だけで平気だったから、いつでも男を捨てられるし、子どももひとりで生きる強い気持ちを持って欲しい』
といった趣旨の発言をしていて驚きました。
そして、何よりも問題だと思ったのは、バラエティ番組でそのことを笑って話していたことです。
彼女は潜在的に離婚を容認していて、受け入れているような、諦めているような印象を受けました。
遺伝的に、
短期的な利益を求める傾向
幸福を感じにくい傾向
はあるかもしれませんが、
『親がそうだったから』という価値観は家庭環境から大きく影響を受けています。
実を言うと、私も離婚しやすい遺伝子と家庭環境で育ちました。
私の親は離婚こそしていませんが、私が中学生の頃に別居しています。
10年以上の別居を経て、今では、サザンオールスターズのライブを一緒に行くほどの仲の良さですが、当時は会話もろくに無く、私は夫婦関係が壊れるというのは恐ろしいことだと身に染みて実感していました。
とは言え、私は親を憎んではいません。育ててくれたことに感謝していますし、2人が復縁してくれたことも私にとって追い風になったからです。
具体的にどうするの?
家系の課題から発生する潜在的不安への具体的対策は、先ほどお伝えした遺伝子と家庭環境への2つの対策があります。
①【遺伝子への対策】自分の遺伝的素質を知り、夫婦関係を悪化させそうな性質を認めて、改善する。
②【家庭環境への対策】両親や祖父母の夫婦関係を客観的に見つめなおして、自分が負の連鎖を繰り返していることに気づく。そして、今後の行動を改める。
①遺伝子への対策
遺伝子への対策はシンプルです。
先ほど紹介した【GeneLife Myself2.0】(ジーンライフ マイセルフ2.0)の自己分析遺伝子検査キットによって知ることができます。
検査項目は以下のようになります。
協調性・調和性・新奇性探求・行動持続性・開放性・外向性・自己志向性・自己超越性・報酬依存性・短期的利益を求める傾向・損害回避・失敗を避ける傾向・倫理観・規則正しさ・神経質・恐怖への反応度・不確実なことへの恐れ・自分と似たタイプの友人を求める傾向・自分と違うタイプの友人を求める傾向・外見的な魅力を求める傾向・恋愛初期のコミュニケーション力・幸福感・ネガティブ思考・落ち込みやすさ・ストレスに対する反応性・センチメンタリティ・疎外感・社会性・支配欲
そして、遺伝子を知ることで、自分を俯瞰し、振り返ることができるようになります。
もちろん、全てが必ず発現することは限りませんが、備えるヒントになります。
例えば、
『不確実なことへの恐れ』が高い ⇒ 夫婦の将来に悲観的になり過ぎていないか?
『神経質』が高い ⇒ 配偶者へ独りよがりなルールを押し付けていないか?
『ストレスに対する反応性』が高い ⇒ 些細な問題で配偶者をストレスの捌け口としていないか?
というように自分の行動を振り返ることができるようになります。
遺伝的素質や家系の癖を客観視がなかなかできない場合には、マインドフルネスに取り組むと自分を受け入れやすくなります。
自分の感情や行動がコントロールできないのは、忙しい日常により、無意識で物事を判断したり、感情を表現しているからかもしれません。
もしも、オートパイロット状態で暮らしているのだとしたら、自分の遺伝的素養や幼い頃の刷り込みという、自分を作るプログラム通りに生きていることになります。
マインドフルネスの基本は、
自分が何をしているのかを知り
自分の行動を評価せず、受け入れて
感情の動きを明確に捉えることです。
マインドフルネスを意識することで、感情や行動の原因に気づくことができるんです。
色々なアプローチがありますが、私は瞑想をやっておけばOK!というスタンスです。
まずは、呼吸や家事をしながら瞑想に取り組み、『自分が今何をしているのか、何を考えているのか』を知りましょう。
②家庭環境への対策
家庭環境への対策は、遺伝子に比べて難しいです。
家庭環境は千差万別、夫婦も千差万別と家系のあり方には無限の可能性があります。
間違いなく効果がある具体的な行動は、『親と向き合うこと』です。
私や皆さんに生じた夫婦問題は、親のやり残した課題を私たち夫婦が精算するためです。
関係性によっては難しい場合もありますが、親にされて辛かったこと、苦しかったことを、本音で直接伝えてることで、
潜在的不安の正体は大抵見つかります。
例えば、私が妻に無視されるようになった時、不安感のあまりに過呼吸になりました。
母が父を無視していた姿と自分を重ねて、未来が真っ暗になったためでした。
自分の同じ道を辿ると潜在的不安が爆発したのだと思います。
やってみる価値は大いにあります。
ただし、精神的負担、親との関係性を考慮して、慎重に動いてくださいね。ムリは禁物です!
親との向き合い方は、岡田尊司氏著の『母という病』、『父という病』が参考になります。
家系の課題を生み出すのは、不安定な愛着スタイルです。
不安定な愛着スタイルは、親との歪んだ愛着関係がもたらします。
それぞれ、最適な向き合い方がありますので、参考にしてみてくださいね。
また、内容的にスピリチュアルなので、好き嫌いが別れるとは思いますが、おがわたかし氏著『読むだけで悩みが解ける家系学ハッピーセラピー』が家系の課題をイメージするのに有効です。
家系学は統計学にスピリチュアルを混ぜ込んだ占いのような内容ですが、遺伝子と家庭環境によって、子、孫へ親の夫婦問題が引き継がれている事実を知ることができます。
最後に
遺伝子と家庭環境が夫婦問題に寄与することを知ったとき、ちょっとした絶望感もありましたが、
ここからが本当の夫婦のスタートだと覚悟した気持ちは今でもはっきりと覚えています。
ただし、この話を知ったただけで、
『よーし! 配偶者を親ごと許して愛して、やり直すぞ!』
と思える方はいないと思います。
夫婦修復は長期的な視野を持って臨む
そのことを忘れずに学んでいきましょう。
遺伝子と家庭環境を俯瞰し、夫婦関係に悩む自分を遠くから観察するイメージを持ってみてください。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
自分が抱いている悩みは、かつて誰かが通り過ぎてきたことです。
紹介した本等を合わせて読むと、「そりゃ、自分たちもそうなるわ」と思えるので肩の荷も降りて、前向きになれると思いますよ。
コメント