こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は、家族がしあわせになるために『見せかけの平穏を維持しない』方がいいということをお伝えします。
夫婦や家族のトラブルは、あらゆる家庭で存在します。
そして、家系のトラブルは世代を超えて繰り返します。
しかし、トラブルを起こっていないかのように振る舞っている家族も存在するの事実。
その振る舞いによって、世代を跨いで家族へ大きなダメージが残ることも。
本記事が家族関係に悩んでいる方の一歩前進するきっかけになれば幸いです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
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見せかけの平穏とは?
私たちの家族は、
常に見せかけの平穏へ移行する可能性を持っています。
見せかけの平穏とは、まるで家族がしあわせなように他者から見えるようにすること。
1番わかりやすい例は、
家庭内別居。
不倫。
英才教育。
などがあるかと思います。
側から見れば、
離婚せずに夫婦を持続していれば、しあわせそうに見えます。
不倫していても、お互いがバレないようにしたり、黙認していれば、しあわせそうに見えます。
子どもが望んでいなくても、エリート教育を行うことで優秀ないい子を作り出すことができます。
しかし、『見せかけの平穏』には大きなデメリットがあります。
生まれた大きな犠牲は、世代を渡って家族のしあわせを遠ざけてしまいます。
大き過ぎるデメリット
大き過ぎるデメリットとは、
家族の中から『ひとりだけ』犠牲者を出してしまうこと。
これからお伝えするのは、
夫婦と子ども2人の4人家族の例です。
子どもを犠牲にする
夫婦仲が悪いのに、家庭内別居によって世間体を保っていたとしましょう。
夫婦はお互いを憎み合っていますが、経済的な理由や体裁を優先して、夫婦関係を良好にする努力をせずに暮らしているとしたら、家族関係はどのように変わっていくでしょうか?
まず、親は配偶者から得られなかった愛情を子どもへ求めるようになると言われています。
親は子どもに対して、自分がどれだけ頑張っているか、我慢しているかを自慢したり、配偶者の悪口を言うようになり、
子どもは、親の話を素直に聞きます。
右なら左に聞き流せばいいと考えられるのは、心が健康で成熟している証拠。
子どもには、難しい対応です。
なぜなら、子どもは親への無条件の愛着を持っているから。
親に愛されたいという気持ちと、親を信頼する想いから、
親の言動を受け入れます。
次第に無意識に親の価値観や接し方に飲み込まれてしまい、
いつの間にか立場が逆転し、子どもが親の心の支えに変わります。
子どもの無条件の愛着は、何も親の自慢や愚痴を聞くことだけではありません。
理不尽な暴力や言動を受けて耐えることも自分の役割と認識してしまいます。
そして、最終的に家族以外の人間不信や愛着形成がうまくいかなくなり、心を病んでしまう。
という流れです。
『見せかけの平穏』のために犠牲になるのは子どもが2人いてもどちらかひとり。
配偶者との関係でメンタルを壊している親からすれば、
犠牲になる子どもは、どちらでもいいのです。
役割を持たせて、利用する。
味方につけて、配偶者を攻撃する。
ということを自然と行っていきます。
離婚後に親権を取った親がもう一方の親への面会を拒否するのも『見せかけ平穏』を作るための手段のひとつ。
子どもが自分の親に会うことは、自由であるはずなのに感情的恐喝によって会わせないということが平気で起こります。
そして、『見せかけの平穏』の犠牲になった子が大人になると、
不安定な愛着スタイルを持つ。
自分の家族にやられたことを繰り返す。
自分の配偶者の犠牲となってしまう。
『見せかけの平穏』の上で成り立っていた家族は、連鎖して次の平穏を作り出してしまいます。
母親が犠牲になる
次は母親が犠牲になる場合です。
配偶者からの理不尽な言動や暴力を継続的に受けていたらどうなのでしょうか?
悪役である父親と離婚して母と子2人が平穏な生活を手に入れると想像しますよね。
しかし、
父親を切り離せるのは、心が健康な場合。
父親から母親へのDVが継続していると、まず母親は父親へ抵抗しなくなります。
逃げるという選択肢が精神へのダメージによって見えなくなるからです。
しあわせに暮らしている人や親から愛情を受け取ってきた人は、なぜ逃げないのか不思議に感じるはず。
ところが、犠牲になっている本人は家族のために耐えていたり、そもそも現状を変えるエネルギーを失っています。
子どもはどちらの味方をするのかというと、父親を味方します。
なぜなら、家族を維持するためには父親が正しくて母親が間違っていると認識するのが簡単だから。
子どもは父親と一緒になって母親を攻撃するようになります。
そして、歪んだ愛着スタイルを身につけて、自分が大人になった時も繰り返すのです。
逆の場合も同じ。
母親が父親の悪口を子どもに言い続けていると、無意識のうちに子どもたちは母親を味方し、父親を嫌悪します。
例え、母親の悪口が的外れでも間違っていても家族を維持するために従うのです。
親が不安定な精神状態であり、
それでも『見せかけの平穏』を維持しようとすると、
誰かをいじめの対象として認識して、それが日常になります。
本当の平穏を目指すためには?
家族の平穏を保つために、家族の誰かが犠牲となるケースはたくさんあります。
大なり小なり起こっていて、バランスがどこかで崩れています。
珍しい話では無いです。
バランスの崩れた家族は、本当はお互いに憎しみ合っていることさえあります。
もしかしたら、自分はそういう状況を作っていたり、陥っているかもしれない。
幼いときのあの経験は、『見せかけの平穏』を作ることを手伝っていたのかもしれない。
何かに気づき、変えたいと思ったとき、
本当にしあわせな家族を目指すためにはどのように取り組むのがいいでしょうか?
『見せかけの平穏』を取り去るために取り組んだ方がいいことは、
- 1人でもできることを探す
- 慈悲の瞑想
- アサーション
だと私は考えます。
1人でもできることを探す
見せかけの平穏を維持しようとする人の多くは、自立していません。
犠牲になっている方も、
加害者になっている方も、
配偶者や子どもなくして生きていくことができなくなっています。
ポジティブな意味でかけがえのない存在ならいいですが、
自分を保つために、配偶者や子どもへ攻撃する。
自分の役割を親や子どもに求める。
というような依存しているケースが危険です。
しかし、平穏な家族にとらわれている人には、心がダメージを受けているので選択肢すらないのが現実。
価値観リストや家系の課題を提案されても受け入れることはありません。
そのため、深刻な状況に陥っている場合は、『1人でもできることを増やしていくこと』をおすすめします。
自分の興味の持てることなら何でも良いです。
とくに、達成した形や結果として表れるものを選びましょう。
スポーツ、手芸、創作、料理、資格など自分が何かを1人で達成した実績を作ってみてください。
とても小さい実績でいいので、自己満足、達成感を積み上げることで自己肯定感が生まれます。
犠牲となっている方と感じた方は、家族から逃げることも選択肢のひとつ。
本当にしあわせな家族は、家族全員がしあわせになること。
自己犠牲による平穏は、間違った家族のしあわせです。
あなたがしあわせになった後、残りの家族を救えばいいんです。
とにかく逃げて。
という言葉が届かなくなる前に、行動を始めてくれることを願います。
自己肯定感が育まれてきてきたら、
慈悲の瞑想やアサーションに取り組むことで家族を立て直す一歩を踏み出せます。
まずは、自己肯定感を育てることを始めてみてくださいね。
慈悲の瞑想
慈悲の瞑想とは、自分や周囲の人のしあわせや安らぎを願う瞑想の一種。
瞑想に取り組むメリットは、科学的にも認められています。
私が瞑想をおすすめする理由は、
自動モードだった自分の操縦を取り戻すことができるから。
親から受け継いだ幼い頃からの人間関係の癖や家族に対する接し方を客観視できるようになります。
取り組むことで、家族の関係性も第三者の目で見えるようになるでしょう。
見せかけの平穏が歪なものであると気づき、家族の関係性を変化させてみてくださいね。
アサーション
『見せかけの平穏』を変えていくために、やった方がいいもうひとつのことは、アサーションです。
アサーションとは、お互いのこと尊重した自己表現のこと。
自分の主張を正しく伝えて、相手の主張も尊重して受け入れることが重要です。
歪んでしまった家族では、
誰かの意見が絶対に正しく、
誰かの意見が絶対に間違っている、
という状況に陥りがちです。
自分の意見や考えを抑え込んでいるにせよ、
加害者的な立場を取っているせよ、
自己主張の権利はお互いに平等であることについて腑に落ちる必要があります。
ぜひ、アサーションについて学んでみてくださいね。
参考書籍
社会学者の加藤諦三さん著の家族を幸せにする心理学が紹介された書籍。家族をひとつの社会・チームとして考えた時に自分がやるべきことを教えてくれる一冊です。
精神科医の岡田崇司さん著の母親との愛着形成について語られた書籍。生きづらさや人とのコミュニケーションに不安を感じるのは親からの影響が大きいと気づかせてくれます。
同じく精神科医の岡田崇司さん著の父親との愛着形成について語られた書籍。親は母親だけではありません。父親からの影響も大きいのです。
心理学者の野末武義さん著の夫婦のためのアサーションについて紹介された書籍です。アサーションの概要と実践技術が書かれています。夫婦間のコミュニケーションに悩んでいる方はぜひ読んでいただきたい一冊です。
ヨガ・瞑想講師の吉田昌夫さんのマインドフルネス瞑想法が書かれた書籍。たくさんの瞑想法がシンプルに紹介されているので、ぜひ自分に合った瞑想を人生に取り入れてみてください。
最後に
誰かが犠牲になって成り立つ見せかけの平穏は、本当のしあわせには結びつきません。
本当にしあわせな家族は、全員が自立し、相互的な愛着関係を持っています。
感情的恐喝に屈して生きることがないように、自分を変えていきましょう。
自立するために、
ひとりでもできることを探して取り組む。
相互的な愛着関係を育むために、
甘い言葉をかける家族や役割を強制する配偶者にとらわれない生き方を目指すことで、しあわせな家族が見えてきます。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これから一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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