こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
本記事は、夫婦関係を語るには外すことができない『不倫』についての記事になります。
さらに、『不倫された側』の生育環境の影響にフォーカスしています。
当事者の方は不愉快な気分になる部分もあるかと思いますので、ご了承ください。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
参考書籍
臨床心理士のジャニス・エイブラムズ・スプリング氏著の『もう一度ベストカップルを始めよう』には夫婦が不倫から立ち直る様々な手法が書かれています。
本書は、全米50万部のベストセラーになっています。
もう一度、仲の良い夫婦なれたらと悩む方はぜひ読んでみてくださいね。
不倫は不健全なパートナーだけの問題ではない
不倫の原因は夫婦どちらにあるのか。
皆さんは考えたことがありますか?
悪いのは間違いなく
不倫してしまった側です。
夫婦関係を壊す行動をしたのだから
相応の罪を背負って生きていく必要があります。
一方、原因まで配偶者や不倫相手に
押し付けてはいませんか?
不倫は表面化した夫婦問題のうちのひとつ。
不倫という結果に至るまでの間に、
何か根本的な原因があるはず。
人間は子孫繁栄のために、
不倫することを遺伝子的に組み込まれた生き物です。
きっかけがあれば、
誰もが不実な行動をとってしまう可能性があるのです。
不倫せずに仲睦まじく暮らしている夫婦
不倫問題が起こってしまった夫婦
両者の違いは何でしょうか?
不倫を引き起こす原因のひとつとして
『生育環境』が挙げられます。
一緒に学んでいきましょう!
生育環境が夫婦問題を発生させる
双子研究で有名な行動遺伝学・教育心理学者の安藤寿康氏の研究結果によると、
人間の性格の半分は遺伝的で決まっていることがわかっています。
書籍は↓です。
ほとんど最初から性格って決まってるのか!
と驚かれた方も多いかと思います。
しかし、
性格が遺伝子通りになることもほとんどありません。
なぜなら生育環境も大きく性格に影響を与えるからです。
とくに、親子関係は子どもにとって重要な社会。
親の夫婦問題を間近で見ていると、
その問題が当たり前のことのように思い込み、
自分の配偶者や子どもへ繰り返してしまう癖があります。
夫婦問題を引き起こし、
配偶者を不倫へと向かわせている可能性も否定できないのです。
子ども時代のトラウマは根深い
子ども時代のトラウマは根深いです。
私たちは幼いころから家族と接し、
周囲の人間関係を観察しながら、
どう感じ、どう考え、どう振る舞ったらいいのか決めてきました。
親との関係性をもとに
現在の自己イメージが出来上がったのです。
現在の自己イメージは
長い年月をかけて強化されたもの。
親と離れても、
亡くなったとしても、
対人関係に影響します。
そして、自己イメージが不健全なものでも、
容易に手放すことはできません。
不健全な自分であっても、
幼少期から形作ってきた最もなじんだ自分であり、
安心できる自分だからです。
7つの感情体験
幼少期に家庭で↓のような感情体験ができていると、
自己のイメージが正しく確立されると言われています。
- 安心感を得られた
- 自分の意思を尊重してもらえた
- 他者と心のつながりを持つことができた
- 自分の価値を認めてもらえた
- 堂々と自己主張できた
- のびのびと子供らしく振る舞えた
- 節度を知った
愛着スタイルで表現すると、
安定型に近い状態になるかと思います。
親とのコミュニケーションがアサーティブであったため、
安心感や自己肯定感が自然と育まれたとも言えますね。
不倫されやすい方は、
不安定な愛着スタイルゆえに、
配偶者とのコミュニケーションがうまくいっていないケースが多いと言われています。
過度に犠牲なったり、気付かぬうちに配偶者を振り回している可能性があります。
お互いを尊重したコミュニケーションができるようになりたい!
と感じたら↓の書籍がおすすめ。
話は戻りますが、
7つの感情体験が欠けていた場合、
無意識のうちに自分を不当に扱うように
誘導してしまう可能性があります。
そうすることで
幼少期の親子関係や自己イメージを
追体験できるからです。
先ほど述べたように
幼少期に形成された性格が不健全でも
自分にとって最も居心地の良い状態です。
親に愛情を注いでもらえなかった場合は、
同じ状況を作り出すために、
パートナーにも親と同じことをするように仕向けてしまうのです。
では、7つの感情体験が欠けてしまった時、
私たちはどのような反応をしてしまうのか
考えてみましょう。
安心を得ることができなかった
親子関係において子どもが不安をおぼえる原因は何だと思いますか?
不安の原因は主に↓の2つです。
- 親からのネグレクト
- 親からの虐待
①親からネグレクトによって、満足な愛情を感じることができない場合、
成人後は拒絶されることに過敏になり、
『愛する人には見捨てられる』
という固定観念が生じるおそれがあります。
②親から虐待を受け、人間不信、恐怖、屈辱を感じている場合、
成人後は他者の支配や命令に過敏になり、
『愛する人には傷つけられる』
という固定観念が生じるおそれがあります。
夫婦関係への影響
愛情を十分に受け取ることができなかった場合、
親密で健全な人間関係を
構築することがむずかしくなります。
配偶者へ依存したり、
わがままを言って困らせたりします。
そして、無条件の愛情を受け取れなかったため、
『配偶者はどうせ裏切るんだ』
と端から疑ってかかってしまいます。
虐待を受けて育った子どもは、
表面上は大人しく従いますが、
心の奥底はフラストレーションを溜め込んでいます。
また、虐待の反動で
他人に威圧的になったり、
支配的になったり、
頼み事を無視したりします。
服従も支配も人間関係を悪化させます。
最終的には、最愛の人を失ってしまうでしょう。
配偶者は在らぬ疑いを受けたり、
支配的、依存的な自分へ嫌気を差して、
不倫に走ってしまうのです。
自分の意思を尊重してもらえなかった
自分の意思を尊重されずにいると、
自立心や自己肯定感が欠けてしまい、
他者への依存心が強くなります。
大人になっても自己主張が苦手。
自分1人では生きることができない
と感じています。
愛着スタイルで表現すると、
不安型傾向が強いように思います。
夫婦関係への影響
自己肯定感が低い場合、
堂々と振る舞うことのできる配偶者を
羨ましく思うと同時に
自分の世界を持とうとしている配偶者へ
強く不安を感じます。
不安感から配偶者に対して、
内気な態度を取ったり、
依存的な態度を取ったりします。
あるいは、
依存心を断ち切るために、
配偶者を拒絶する
というような両極端な行動に走ります。
結果として、
配偶者の心が離れてしまうことになるのです。
他者と心のつながりを持つことができなかった
幼い頃に、
親の愛情を充分に受けられないと
心のつながりを知らず、
孤独感や空虚感にさいなまれる可能性が高いです。
大人になっても他者が冷酷非情に思えて、
自分の殻にこもったり、
恋愛遍歴を重ねたり、
冷たい相手に取り入ったりする傾向が強くなります。
人と心を通わせた経験に乏しいので
『自分の味方はいない』という固定観念が生じるおそれがあります。
愛着スタイルで表現すると、
おそれ・回避型に近いと思われます。
人に傷つけられるかもしれないから、
距離を置きたい。
と感じていたら要注意です。
夫婦関係への影響
他人と心のつながりを持つことができないまま大人になると、
愛情の出し惜しみや
無理なわがままを言って、
配偶者を困らせる傾向にあります。
家族とは無条件の愛情で助け合う関係性。
心のつながりがなければ、
本当に求める形の助け合いができません。
配偶者が心の触れ合える人を
家族の外に探したは、
自分にも問題があるかもしれません。
自分の価値を認めてもらえなかった
親の批判にさらされた子どもは、
自尊感情を確立できません。
ほめられ、励まされた経験に乏しいからです。
コンプレックス、
愛情飢餓感、
孤立感、
屈辱感が大きくなります。
大人になっても他者からの批判や侮辱に過敏となります。
自己評価の低さから
『自分は出来の悪い人間である』
という固定観念が生じるおそれがあります。
夫婦関係への影響
幼い頃、
自分の価値を認めてもらえなかった場合、自己否定が癖になっています。
結婚当初は配偶者の言うことを何でも聞くことで、
しばらくは見せかけの平穏を作ることはできます。
しかし、自己否定している限り、
健全な人間関係を築くことは難しいでしょう。
自己否定は自分だけでなく、
配偶者も傷つけます。
不健全な夫婦関係が、
不倫のきっかけをつくっているのです。
堂々と自己主張することができなかった
言いたいことを自由に言えない子ども時代を過ごすと、
人の顔色をうかがい、
自分を殺しても波風が立つのを避けようとしてしまいます。
親から批判され、
操られ、
理解されなかったのが原因です。
対人関係では人の都合を優先することが習慣になっているために、
自分の要求は通らなくて当然と考え
『私の意向は重要ではない』
と思い込むおそれがあります。
夫婦関係への影響
自己主張を堂々できないということは、
不満や不安も上手に吐き出すことができないということ。
人との和を保つのは得意ですが、
反動で被害者意識や孤独感に苛まれてしまいます。
非主張的自己表現は、
ストレスの蓄積によって
夫婦間の大きな揉め事を起こす可能性が高いです。
本来は夫婦とは小さなトラブルを乗り越えることで
お互いがしあわせに暮らせるようにしていくもの。
配偶者にとっては、
『今まで大人しかったのに、急に人が変わった』
と勘違いされてしまいます。
突然大きな亀裂が生まれると
夫婦立て直しには時間がかかります。
のびのびと子どもらしく振る舞うことができなかった
むじゃきに振る舞うことを許されなかったできなかった子どもは、
義務や責任感に押し潰されてしまう可能性があります。
受験や習い事など親の希望を叶えるため、
自分を抑圧していたような状況も含まれます。
大人になってからも、
周囲の期待に応えようと努力します。
そして、犠牲を強いられることもあるはず。
完璧主義者で自分にも他人にも厳しいことから、
配偶者を怠け者扱いしてしまうこともあります。
『与えられた役割を完璧に果たさなければならない』
という強迫観念に似た思いをしているかもしれません。
夫婦関係への影響
強すぎる責任感と完璧主義な性格は、
いつも何かに急き立てられていて
夫婦の会話や余暇に時間を使う余裕がありません。
配偶者の心が離れていても
気づけないかもしれません。
完璧主義者にありがちな
他者へ変容を促したり、
指摘したりするなど、
配偶者を巻き込んでいく行動をとると、
より心は離れやすくなるでしょう。
節度を学ばなかった
過度に甘やかされて育った子どもは、
何でも自分の思い通りになると考え、
自制心に欠けます。
特別扱いを求めたり、
ルールや約束事を守らない癖もしばしば。
そして、自分の権利には敏感ですが、
他人の権利には無関心です。
『自分の望みは叶えられて当然』
と思い込んでいます。
夫婦関係への影響
節度を知らずに育った場合、
そもそもこのブログに目を通すことさえしていないかもしれません。
特別扱いしてくれる人を
探すのに夢中になっているはず。
また、愛情はただで手に入るものと
思い込みがち。
配偶者の不倫を機に、
『自分は特別な存在ではない』
と学ぶきっかけになったかもしれません。
7つの感情体験が欠けていたらどうすればいい?
やるべきことは大きく分けて2つ。
- 幼少期の感情体験を分析する
- 不倫した、不倫された原因を整理する
感情体験だけが、
その人の性格や行動のすべてではありません。
成人後に置かれている人間関係の中にも問題はあるはず。
しかし、歪んだ自己イメージは
親しい人間関係の中で強化され、
親や兄弟よりも親しい関係性である
『配偶者』の前で再現されます。
歪んだイメージの自分も含めて自分なんです。
あくまでも、不倫は『夫婦問題』の現象のひとつ。
家系の課題の氷山の一角なのです。
対策については、不倫する側とされる側の両面から考えなければなりません。
自分が歪んでいるせいで、
配偶者が引き摺られるように歪んでしまうこともあるのです。
きつい表現ですが、
『配偶者の不倫の原因が自分にある』
可能性も十分にあるのです。
不倫を乗り越えるための提案については↓の記事でお伝えしますのでよかったら参考にしてみてくださいね。
最後に
不倫されてしまう人は
生育環境の中で人と本当に信頼しあう関係性を
作れなかった可能性が高いです。
配偶者との関係性がアサーティブではなく
依存関係や支配関係になっていたのかもしれません。
傷つけるから傷つけられる。
信頼しないから信頼されない。
そのために配偶者は
夫婦間に安全感を覚えなかったのです。
一方で、不健全な自分でいることが、
最も心地よい状態だと感じています。
不倫は絶対にダメなことです。
しかし、
幼い頃に染みついた不健全な自分が、
夫婦問題を引き起こし、
不倫を誘発した可能性もあります。
負のスパイラルから脱出するには、
家系の課題を知り、
自立と自律に取り組むのが大切。
道のりは険しいですが、
気付いた時が一番つらい時なのです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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