こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は、『アサーション』に取り組みたいけど、
伝えたいことが伝えられなくて苦しい!
なかなか自分の感情を整理して言葉にできない!
という方に役立つ記事となっています。
ぜひ一読いただければと思います。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
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アサーションとは?
最初に『アサーション』について簡単に説明します。
アサーションとは、自分も相手も大切にする自己表現のことです。
自分の意見や頼み事を相手に押し付けるようなコミュニケーションを『攻撃的自己表現』といい、
逆に自分の意見を押し殺したり、頼んでも良い些細なことも遠慮してしまうようなコミュニケーションを『非主張的自己表現』といいます。
アサーションとは『攻撃的自己表現』や『非主張的自己表現』とは異なります。
お互いを大切にできるやりとりを考えて、そのやりとりを試みることができる。
そして、お互いが理解し合い、葛藤があるときは歩み寄って話し合いができるようなコミュニケーションのことです。
しかし、自分がどんな感情や考えを抱いているのか、わからないということも多々あります。
相手に受け入れてもらえるような言葉で表現したり、自分の正確な感情を捉えたりするには、『健康的な感情』が必要です。
健康的な感情って何?
健康的な感情とは、
- 感情表現力
- 感情記憶力
が正常に働いている状態のことを示します。
感情表現力
感情表現力とは、日常の様々な場面において、味わった感情を正確に伝える能力のこと。
悲しいという感情にもたくさんの種類がありますよね。
大事な物を無くした喪失感
仲間外れにされた疎外感
自分への不甲斐なさゆえの自己嫌悪
期待はずれによる失望感
同じように悲しい気持ちなったとしても詳細は異なるでしょう。
このように感情表現力を高めることは、夫婦間のコミュニケーションに大いに役立ちます。
例えば、配偶者へ家事分担が不平等というだ『怒り』という感情を抱き、伝えるとき、あなたならどうしますか?
その際に、
『なんで家事をしてくれないの!?』
と伝えるよりも、
『私は今日疲れていて、家事するのが大変だった。毎日のことだから、疲労も蓄積する。これからは、もう少しあなたにも協力して欲しい』
と伝えると、配偶者も相手がなぜ『怒り』を感じているのか理解しやすいと思いませんか?
自分自身もこの感情は、
配偶者に対する『怒り』と表現するよりも、
自分自身の『疲労感』と配偶者への『期待感』の方が適切だと気づくこともできます。
アサーションを継続するには、お互いを認め合い、違いを受け入れる心が必要です。
また、同時に自己主張するための豊富な表現力が大切になります。
感情記憶力
感情記憶力は、日常の様々な場面で味わった感情を詳細に覚えている能力のことです。
なんか1日中イライラしていたけど、原因が思い当たらない、思い出せないということはないでしょうか。
実は、私も感情記憶力が乏しいタイプです。
不思議だったのは、嬉しかったことすらよく覚えていないことです。
日々の感情を思い出せないというのは、愛着スタイルが回避型傾向があると強まります。
自分の中で仕舞い込んだり、うまく表現できなかった場合に、当時感じた感情を忘れてしまいます。
そして、なぜかわからないけど、イライラしたり、悲しくなったりして、慢性的なストレスを感じます。
自分の感情がわからない→相手に伝わらない→ストレスが溜まる→自分の感情がわからない→相手に伝わらない……
という負のループに陥ります。
アサーションに取り組むためには、感情表現力を高めるだけでなく、感情記憶力も必要だとわかりますね。
感情インベントリ
関連記事で紹介した『タイムアウト』と『インナーダイアログ』は、配偶者との対話時に感情を爆発させないための方法でした。
今回、『感情表現力』と『感情記憶力』を高めるためにお伝えするのは、
『感情インベントリ』というトレーニング方法です。
目的は、健康的な感情づくりによる慢性的なストレスへの対策です。
ストレスを感じているのかさえよくわからないという方のためのトレーニングで、
どちらかと言えば、『非主張的自己表現』タイプの方向けだと思います。
感情インベントリの手順
『感情インベントリ』のやり方は、
1日の終わりに、今日味わった感情をポジティブとネガティブを問わず、思い出して書き出す。
10分間で何種類の感情を思い起こして書いてみる。
ととてもシンプルです。
感情を書き出す際のポイントは、ただ嬉しかったとか悲しかったと表現するのではなく、
なぜ嬉しかったのか、なぜ悲しかったのかを表現豊かに記述することが大切。
平均的に、男性なら30個以上、女性なら60個以上書き出せるそうです。
書き出せる感情が少ないと、感情表現力と感情記憶力が足りないと言えます。
覚えていないということは、
感情を押し殺しすぎたり、
感情を見て見ぬふりしたり、
自分の感情をうまく表現できていなかったりしています。
気持ちをうまく表現できないということは、慢性的ストレスに繋がることは容易に想像つきますね。
アサーティブコミュニケーションを上手に行うには、自分の感じている気持ちを正確に伝える必要があります。
定期的に自分が味わっている感情を記録したり、感情リストを参考に表現力を豊かにしていきましょう。
定期的に思い出すのもOK!
どうしても一気に思い出すのが難しい場合は、
普段から自分がどんな感情を感じていたのかを定期的に確認するといいです。
最初は、1,2時間に1回の間隔で自分がどのような感情なのかを記録していくだけでも十分。
記録をしていくことで、自分の忘れてしまっていた感情と向き合えるようになります。
まとめ
夫婦立て直し中は、慢性的なストレスに悩まされがちです。
常にストレスを感じている状態では、アサーションもなかなかうまくいきません。
まずは『感情インベントリ』を実践です。
10分間で1日に味わった感情を思いつく限り書いてみましょう。
感情表現が苦手な方だなと感じた方は、
感情インベントリで思いついた感情について、細分化、具体化してみましょう。新たな感情の発見後あるかもしれません。
全然言葉が浮かんでこないという方は、以下の書籍がおすすめです。
類似する感情の中からより今の自分に合った感情を探してみてくださいね。
感情記憶力が低いと感じた方は、
1、2時間ごとに自分の感情をチェックしてみましょう。
記録をしておくとなお良いです。
なぜかイライラしていたり、モチベーションが下がったりしている原因が見つかるかもしれません。
私は最初、10個も書き出すことができませんでした。
心が不健康を通り過ぎて、死んでいる状態ですね。
原因は、自分の感情からかなり目を背けて生きていたから。
妻から『何を考えているのかわからない』と今だに言われることがあります。
今では、平均値まで到達していませんがだいぶ、マシになりました。
皆さんも感情表現能力と感情記憶力を高めて、見えないストレスと向き合ってみてください。
健康的な感情はアサーティブな夫婦関係の第一歩です。
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