こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は、良好な夫婦関係を築くための『アサーション』について紹介します。
アサーションを日本語に訳すと『自己表現』となりますが、単に自分の意見を主張するのとは異なります。
正直、私自身も夫婦問題を抱える前はまったく知らない言葉でしたが、
知れば知るほど良好な夫婦関係を築いていくためには大切な知識なんだと実感しています。
より良い夫婦関係のために、一緒にチェックしてみませんか?
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
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アサーションとは?
アサーションって日本ではあまり聞きなれない言葉ですよね。
アサーションとは、
自分の気持ち、考え、欲求などを率直に、正直にその場の状況に合った適切な方法で述べることであると同時に、お互い的人権を侵すことなく自己表現すること。
要するに、
『自分も相手も大切にする』
という意味を持つコミュニケーション方法です。
相手に対して一方的に自己表現したり、自分の考えを押し付けたりすることは良くないことだとはこれまでの経験から直感的にわかること思いますし、逆に自分の気持ちを蔑ろにして何でも受け入れてしまうのもいい事ではないなと思うはず。
そのため、アサーションで適切に自分の気持ちを伝えることやお互いに相手を尊重し合って、お互いが気持ちよく過ごせるようなコミュニケーションを取ることが目標です。
本記事では、3つの自己表現を紹介します。
そのうちのひとつがアサーティブな自己表現なのです。
↓でアサーションの技術に関わる関連記事を紹介しますので、よかったら参考にしてください。
また、本を読むのに抵抗のない方は↓の本を買って読んだ方がより詳しくアサーションを学ぶことができると思います。夫婦・カップルの方は必ず読むべき書籍です。
3つの自己表現タイプについて
それでは、↓の3つ自己表現のタイプについて紹介していきたいと思います。
- 非主張的自己表現(ノンアサーティブ)
- 攻撃的自己表現(アグレッシブ)
- アサーティブ
それぞれの特徴を知ると、自分や配偶者がどのタイプに属しているのか整理できると思いますよ。
自分を知ることは夫婦立て直しで大切なこと。
順番に説明していきますね。
非主張的自己表現(ノン・アサーティブ)
非主張的自己表現とは、
自分の考えや思いを言わずに飲み込んで、結果として相手の意見を受け入れてしまうタイプです。
I’m not OK.
you are OK.
というスタンスで、自分の考えや感情を表に出すことに対して消極的です。
非主張的自己表現タイプは、
- 曖昧な言い方
- 声が小さい
- 遠回しな表現
- 遠慮なくがち
と言った特徴があります。
非主張的な行動の要因としては、
- 自分への自信の無さ
- 葛藤を避けたい思い
- パートナーとのアンバランスな力関係
- 自己犠牲の気持ち
- 察してほしい気持ち
等が挙げられます。
言わなくても気づいてほしいという気持ちか強かったり、相手の意見を尊重してしまったりしがちなため、自分をうまく表現できません。
私も非主張的自己表現のタイプでしたので、思い当たる節はたくさんありました。
よって、
- 相手に誤解される
- 怒りが蓄積する
- 心身に支障をきたしてしまう
といった影響を受けてしまいます。
攻撃的自己表現(アグレッシブ)
攻撃的自己表現は、自分の考えや意見を一方的に受け入れてもらおうと、言い分を押し付けたり、威嚇したりしてしまうタイプです。
I’m OK.
You are not OK.
というスタンスで、自分と異なる意見を排除したり、無視したりしてしまいます。
攻撃的なタイプは、
- 暴力、大声を出す。
- 無視する、ばかにする、けなす、陰で悪口を言うといったモラハラ行動
- 相手を都合の良いようにコントロールしようとする
といった特徴が挙げられます。
攻撃的な行動の要因としては、
- 優位に立ちたいという気持ち
- 自信過剰
- 他人への甘え
- 責任感が強すぎる、真面目すぎる
- 自分の弱さを受け入れられない
- 多忙である
という社会的に立場が上の人間がとってしまいがちな行動が多いです。夫婦間の力関係に差がある場合も起こりやすいです。
しかし、他者をコントロールすることは不可能であるため、納得できない結果で終わることが多いです。
そして、ストレスが重なるだけでなく、
- 相手からの怒りや憎しみ
- 信頼感や愛情を失う
といった結果をもたらします。
アサーティブ
アサーティブなコミュニケーションとは、
非主張的自己表現と攻撃的自己表現が黄金率ともいえる自己表現です。
I’m OK.
You are OK.
というスタンスで、お互いの自己表現を認めています。
アサーションができている人は、
自分の考えや気持ちなどを後回しにしたり、ごまかしたりせずに自分ではっきりさせることができ、
自分の意見を相手に伝えた方が自分も相手も大切にできているかを判断しています。
判断の結果、伝えた方がいいと決まったら、可能な限り相手にわかりやすく伝える技術を持っています。
アサーションは、天性のスキルではありません。
誰でも身につけることができる技術です。
ぜひ、学んでみてくださいね。
アサーション権と注意点
次に、アサーション権と勘違いしやすい事についてお話しします。
アサーション・トレーニングをスタートすると誰もが陥りやすい課題ですので、知っておいていただけると助けになると思います。
陥りやすい課題とは、
- アサーション権は誰もが平等あることを知らない
- アサーションは万能の技術ではない
という点です。
アサーションの権利は誰もが平等である
アサーションが、苦手な方々の大きな課題は、
『相手のことを大切にすることは学んできたけど、自分のことを大切にしようと教えてもらわなかった』
ということです。
そのため、自分自身のアサーションの権利を低く見積もりがち。
しかしながら、アサーション権は誰にでも平等にあります。
夫婦関係に問題が生じていても、上下関係があっても、負い目があったとしても権利は失われません。
『私たちは誰もが自分らしくあっていい』
『私たちは自分たちの考えや意見を表現してもいい』
前提として、自分の気持ちや考えを伝えることが自分も相手も大切にしているか判断する力が必要ですが、
どのような状況であっても忘れてはならない権利です。
アサーションは万能の技術ではない
また、正しく相手に伝えたからといって、必ずしも自分の思う通りにはならないことも忘れがち。
アサーションが誰もが身につけることのできる技術ですが、万能のコミニケーション技術ではないんです。
アサーションは、相手をコントロールするための技術ではありません。
自分がはっきりと意思を伝える代わりに相手の意思も受け入れる。
相互の主張の中間地点を見つけて、お互いが納得できることが重要なんです。
最後に
夫婦立て直しにおいて、基本的な技術であるアサーションについて簡単に紹介しました。
実は、自己表現がうまくできているかについては、なかなか自分では自覚することができません。
思いがけず、配偶者に辛い思いをさせていたり、気持ちをちゃんと伝えているつもりが全然伝わっていないケースも多々あります。
ぜひ、この機会に夫婦間のコミュニケーションについて見直していただけたら幸いです。
これからも一緒にしわせな家族を目指しましょうね!
参考書籍
アサーションについての参考書籍をいくつか紹介させていただきます。
アサーションをもっと深く知りたいという方は手に取ってみてくださいね。
夫婦関係に特化したアサーションを学ぶならこちらがオススメ↓
漫画や図解でわかりやすく学ぶならこちらがオススメ↓
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