モンテッソーリ教育が夫婦危機を救う理由

・幼児期の子どもは『生命の法則』に沿って成長する。

・子どもの成長に合わない育児は親子にとって大きなトラブルの元となる

・ストレスの少ない育児は夫婦関係を円満にする。

目次

モンテッソーリ教育とは

天才を育てる教育法!?

 最近、各種メディアで取り上げられるようになった『モンテッソーリ教育』についての記事です。

 将棋棋士の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を受けながら育ったと話題になりました。

 若くして、才能溢れる子どもに成長して欲しいと願う親も多く、

 自分の子どもにも同じような教育を受けさせたいと考える方が急増しています。

 私も優れた教育法ならば、ぜひ子どもにモンテッソーリ教育を受けさせてあげたいと考えた1人です。

 ところが、調べていくうちにモンテッソーリ教育とは、所謂『天才』を育てるための教育法とは異なることがわかってきました。

いいえ、自立した人間になる手助けをする教育法です。

 モンテッソーリ教育の根幹にあるのは、

 『生命の法則』に沿って成長する幼児期の子どもが最大限力を発揮できるように環境を整えて、見守る。

 という考え方でした。

 けっして子どもへの早期教育を促すものではありません。

 子どもがそれぞれの成長スピードに沿って行う自発的活動を肯定し、ひとりでやりとげることができるような環境作りによって支えていくことです。

 親は子どもの上の立場の人間ではありません。

 特別にえらいわけでもありません。

 子どもにとっては、少しだけ先に成長して、色んなことをできるだけです。

 だから、

 親は、子どもが自立した大人になれるように、様々な『お仕事』『教えながら教える』

 親は『生命の法則』に沿って成長する子どもを見守る

 親は、子どもの感情や『敏感期』を理解し、肯定する。

 以上の3つを大切にしながら育児に励むことがモンテッソーリ教育の第一歩です。

 私は、子どもの自立敏感期を理解することが、夫婦修復と家系の課題を解決していく一助となるのではないかとも思いました。

モンテッソーリ教育に関わる用語

生命の法則

 時代や文化が変わっても厳然と存在している子どもの生命力とその法則のことを言います。

 例えば、オタマジャクシがカエルになるまでに足の生える順序や尾が短くなるタイミングがどの個体でも共通しているように、乳幼児期の発達は早さに差はあれど、同じ順序で成長していきます。

 目が見えるようになり、

 首が座り、

 お座りができるようになり、

 ハイハイができるようになり、

 そして、立ち上がる。

 一定の法則や順序の基に子どもは成長します。

 また、事実として、

 第一に、子どもは大人とは違い、これから成長する存在であること。

 第二に、成長は段階的で、何かができないのは、子どもの能力不足ではなく、まだできるようになる発達段階ではないからであるということ。

 第三に、知性が軸となって、子どもは自発的に成長していくこと。

 が挙げられます。

 子どもは『生命の法則』沿って成長していくのです。

敏感期

 モンテッソーリ教育のキーとなるのが「敏感期」。

 生き物が成長の過程で「ある特定の機能」を成長させるため、特別に際立った感受性を持つ時期のことを指す生物学の用語です。


 敏感期の働きによって生物は本能的にさまざまな刺激に触れ、環境から学習していきます。生まれたばかりの生物がすぐにえさを探しに動けるのも、光や音、匂い、運動に対する敏感期があるからです。

 モンテッソーリ教育を提唱したモンテッソーリは、この敏感期が人間にも備わっているものと定義しました。

 幼児期の子どもには一生に一度、ある物事に対して特別に強い感受性を発揮する時期が訪れるとしたのです。『敏感期』は基本的には6種類に分けられ、発生するタイミングはそれぞれ異なります。

言語の敏感期0~6歳ごろ子どもが言語を習得する時期のことを指します。この時期に「話しことば」「書きことば」を身に付けます。3歳ごろまでに聞いていた言語が母国語となります。
運動の敏感期3~6歳ごろ感覚器官の敏感期により、得られた情報を行動にする時期です。骨格、筋肉、神経などを自分の思い通りに動かせるようになるために、一生のうちにこの時期だけありとあらゆる動きへ全力投球します。
秩序の敏感期1~3歳ごろ世界における自分の位置づけを把握するため、自分を取り巻く環境や物事の順序に対して強烈な秩序を覚える時期のことです。奇妙とも思える感受性ですが、個人的にはモンテッソーリ教育の肝であると考えています。
数の敏感期4~5歳数字に対しての興味が強くなる時期です。数や物事の大小、順列、分析、集合、対応、比較など数学的な知性を身に付けます。
感覚の敏感期3~6歳視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感といった人間が外界と関係を持つのに大切な窓口となる感覚器官を完成させる時期です。
文化の敏感期6歳~文化とは、植物、動物、鉱物、宇宙、歴史、地理など、広範囲に渡ったものです。分厚い図鑑などをためらいもなく読み始めるのもこの頃です。

仕事

 子どもが『仕事』?

 とピンとこないかもしれませんが、モンテッソーリ教育では子どもが自発的にやり始めたことは最後までやり遂げられるように見守ることを大切にしています。

 例えば、あなたが職場で集中して仕事をしているときに、急に同僚から声をかけられたら「後にしてよ」と思うはずです。

 子どもにとっても同じことです。

『敏感期』ゆえに、夢中になって取り組んでいることを邪魔されたら嫌な気持になるのは想像に難くありません。

 また、子どもは「ごっこ」や「遊び」よりも「仕事」が大好きです。親がやっていることに興味を持って手伝ってくれることもあるでしょう。

 自分が家族の一員として役に立つことを何よりも望んでいます。

 よって、モンテッソーリ教育では、子どもの活動を『遊び』ではなく『仕事』と表現します。

親がしてはいけないNG行動

親が先回りをして代わりにやってしまう

 子どもは、『生命の法則』に沿って、自分のペースで一段一段積み重ねるように成長していきます。

 親が代わりにやってしまうというのは、階段の途中でつまみ上げて、踊場へと運んでしまうようなものです。本来踏むはずだった成長過程をスキップさせることになってしまいます。

 子供にとっては大事な成長の機会が失われているのと同然です。

注意をして止めさせてしまう

 また、子どもとしては敏感期に特有の欲求にしたがった行動が、大人にとっては迷惑であることも多々あります。

 しかし、迷惑だからといって、子どもがしていることを注意したり、止めさせてしまうことは、先回りして代わりにやってしまうことと同様に子どもの学習の機会を奪ってしまいます。

親のスタンス

 親のスタンスとしては、「なるべく子供にやらせてあげる」、そして、やり方がわからず困っていれば「静かにやり方を見せる」というのが好ましいです。

 子どもが言うことを聞かず、何かに夢中になっているときは

「これはもしかして敏感期かもしれない!」

 といった視点で一度観察をしてみて、下手に注意をしたり止めさせたりしないことが肝心です。

夫婦修復の一助となる理由

 ここまで、モンテッソーリ教育の概要を紹介しました。

 良好な夫婦関係のために、モンテッソーリ教育が、役立つことを皆さんはなんとなくイメージついたのではないかと思います。

ゆとりある育児

 モンテッソーリ教育は、育児に精神的なゆとりをもたらします。

 育児は基本的にコントロールできないことの連続です。

 自分の理想通りになんて、100%できません。

 とくに、母親はホルモンバランスの変化と生活リズムが、一変したことにより、精神的に崩れやすいです。

 夫婦関係も変化します。女性は子どもを守るために、本能的に夫への優先順位を低下させます。

 遺伝的素養と夫婦の信頼関係によっては、一番身近な外敵として認識します。これは、ホルモンバランスの影響なので致し方ないのです。

 つまり、思い通りにいかない育児へのストレスと夫の育児への理解度の無さが産後クライシスを引き起こします。

 産後クライシスは夫婦が離婚に向かう強い引き鉄となります。

 私たちがモンテッソーリ教育を夫婦で学ぶことで、育児は『生命の法則』と様々な『敏感期』の影響により、親の思い通りにいかないことを知ることができます。

 逆に思い通りに子どもをコントロールしようとすることが、子どもの成長に対してどれほど悪影響なのかを理解できます。

 すると、コントロール不能だった子どもの様々な行動のひとつひとつが、自身が成長するための愛らしい行動であるという認識へと変化していきます。

 理解を深めるほど、育児への精神的なゆとりを取り戻すことができます。

 配偶者への心のゆとりにも、つながると思います。

長期的な家系の乱れを整える

 夫婦修復におけるもうひとつのメリットは、自立した子どもに育つことで、親も自立を促されることです。

 私は良好な夫婦関係にはお互いが共依存せずに、自立していることが重要だと考えています。

 何でも先回りして世話したり、子どもの行動を制限し続ければ、大人になってからも何かに依存して生きていくことになります。

 依存先が配偶者であれば、いずれは家系の課題に飲み込まれてしまうでしょう。

 家系の課題のひとつには、子への依存も含まれます。

 お互いが依存せず、自立していることは家系において健全な形です。

 ひとりでも幸せに生きていける。それでも一緒にいたい。

 夫婦関係においても大切な価値観ですが、子に対しても同様です。

 子どもが親に対して、そのような感情を抱いてくれることは何よりも幸せなことだと思います。

まとめ・参考書籍

 モンテッソーリ教育は、子どもだけでなく、親も成長させてくれる教育法だと私は思います。

 子どもの自立性と自分自身を成長させようとする『敏感期』理解し、子どもが取る行動をしっかり観察し、肯定することが大切です。

 自立した親子関係を目指してみては、いかがでしょうか。

親子が輝くモンテッソーリのメッセージ増補新版 子育ち・子育てのカギ [ 相良敦子 ]

 上記の書籍はモンテッソーリ教育を通じて親子にとって有益な自立した育児について書かれています。『天才を育てる!』『突出した才能を伸ばす!』というよりも成長しようとする我が子のメッセージをくみ取って接し方を教えてくれるといった内容です。

 今後、内容をまとめようと思っていますが、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

 

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