こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は、
老年期の最大の課題である
『介護』について大まかな流れと考え方についてお伝えしたいと思います。
夫婦問題にも関わる親や配偶者の介護については目を背けたくなるかもしれません。
しかし、事が起こっていない冷静なうちから知っておくことが何よりも家族を守ることにつながります
。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
介護の乗り越え方
介護と聞くとどのようなイメージを持っていますか?
親や配偶者を介護する姿を考えたくない。
自分はできないかもしれない。
という不安でいっぱいでした。
しかし、その不安はこれからお伝えする情報を知ることで払拭されました。
ぜひ一緒に確認していきませんか?
また、介護を受ける方の大部分は高齢者です。
そして、高齢者世代は最後の発達課題に取り組む時期。
周囲のフォローがあって初めて、自分の人生を統合することができます。
介護における心理的なケアについてはこちらの記事でお伝えしますね。
介護開始までの手順
では、早速介護開始までの手順についてお伝えしていきます。
親や配偶者の様子がおかしいと感じたり、
日常生活に不具合が出てきたりしたら介護を考え始めるタイミングです。
具体的には↓の流れになります。
手続き
まず、やるべきことは自治体への手続きです。
介護保険制度を使うことで国からの支援を受けられるようになります。
65歳になると介護保険証が配られます。
40〜65歳未満でも老化に起因する特定疾病であるなら支援を受けることができます。
詳しく読んでいただければイメージつきますが、65歳未満でも大抵の場合は介護保険を利用することができます。
そして、配られた介護保険証を持って、
自治体へ行きましょう。
大抵の場合介護認定まで1〜2ヶ月かかります。
早急に対応したい方は並行して『地域包括支援センター』へ相談しておくことをおすすめします。
要支援・要介護認定
自治体へ相談に行くと、↓の2つを求められます。
- 医師からの意見書
- 自治体の認定調査
医師からの意見書
医師からの意見書とは、
『介護を必要とする原因疾患』について記載された書類。
自治体が発行した記入用紙に、主治医から記入してもらうことが多いようです。
地域包括支援センターへ相談し、ケアマネジャーが決まっている場合、ケアマネジャーから申請することも可能です。
自治体の認定調査
自治体の調査員などが自宅を訪問し、
心身の状態や介護の状況などについて、本人及び家族(立ち合い者)から約1時間程度聞き取りを行います。
自治体調査時のポイントは、
『親の行動や日常を記録しておくこと』
介護される側にもプライドや自負があります。
自分が介護されるなんてまだ早いと思っていたり、気丈に振る舞ったりして、
調査員に間違った情報を与えてしまったりするリスクがあります。
正しい情報を伝えられるように、常日頃から親や配偶者の異変をチェックしておきましょう。
家族へ興味を持って接することは、介護の際にも役に立つのですね。
データに基づいて認定
医師の意見書と調査員のデータに基づいて、
一次判定(コンピューター判定)を行います。
一次判定の結果を参考に、保健、医療、福祉の学識経験者から構成された「介護認定審査会」で審査。
そして、要介護状態区分が判定されます。
AIと人の両方の視点から要介護度が判定されるのです。
家族全体で費用の確認
被介護者の要介護度が認定された時点で、介護に充てられる費用が計算できるようになります。
支給額は介護費用によって変化するためです。
ざっくりとした支給額は↓
ちなみに、要支援2・要介護1の境界線についてですが。
『適切なサポートがあれば要介護にならない』と認められたら、要支援(要支援1,2)と認定されます。
『要支援=身体的フレイル』と認識しても問題ないです。
例えば、
生活にはサポートが必要だけど、認知機能には問題がない。
排泄・食事に難があってもサポートによって要介護へ進行しない。
というように認められたら要支援となります。
一方で、サポートの必要性が同程度でも、
病状の進行が早い。
認知機能の低下が認められる。
という場合には要介護(要介護1〜5)と認定されます。
要介護は1〜5に分かれます。
要介護1が最も程度が低く、要介護5が最も介護が必要な状態。
さらに、認知症の進行や不安行動が増えることで要介護度は大きくなります。
介護費用の内訳
介護費用として考えられる内訳は↓のようになります。
- 介護保険の支給額(約5〜36万円)
- 老齢国民年金(約5万円)
- 老齢厚生年金(平均10万円)
- 被介護者の資産
基礎的な部分は同じですが、
被介護者の資産は人それぞれ。
100歳まで生きることを前提にどのくらい介護に掛けられるのか計画を立てていきましょう。
地域包括支援センターへ相談
月にかけられる介護費用の目処がついたら、
地域包括支援センターへ相談に行きましょう。
ここまで辿り着けばプロに任せられます。
第一関門突破です。
地域包括支援センターは、
自治体から委託を受けた社会福祉法人・社会福祉協議会・医療法人が運営しています。
そのため、誰でも無料で利用することができます。
介護のことに困ったら、
とにかく地域包括支援センターへ足を運びましょう。
センターには、
保健士・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3つが専門職が配置されています。
要介護認定の申請、介護サービスの手続きや介護事業所の紹介まで何でもやってくれますよ。
ケアマネジャーとプラン作成
要介護認定が終わったら、ケアマネジャーとプランを作成していきましょう。
ケアマネジャーとは、
介護の全体的なプランを組み立ててくれる人のことです。
ケアマネジャーは自分たちで選ぶことができます。
介護者・被介護者の両方の話をしっかり聞いてくれる人を選ぶようにしましょう。
ケアマネジャーは、
家族へヒアリングをし、
全体的なプランを立てていきます。
そして、月に一回モニタリングを行い、プランを軌道修正してくれます。
介護度の進み具合によって、
在宅介護・デイサービス・施設へ預けるといった選択を家族の気持ちを汲み取りながら調整することになります。
ホームヘルパー導入
よって、ケアマネジャーの役割は直接的な介護ケアではありません。
在宅介護で実際に活躍してくれるのは、
ホームヘルパーです。
ホームヘルパーは食事・排泄・入浴・買い物・掃除などを代わりに行ってくれます。
もちろん、金銭面の管理まではできないので家族のフォローが必要です。
デイサービス
在宅介護しながら一時的に施設に預かってもらえるのが、デイサービスです。
日帰りのサービスもあれば、
ショートステイという一時的に介護施設へ預けることも可能です。
在宅介護が始まると家族は自由な時間を失いがちになってしまいます。
デイサービスを利用することでお互いに気分転換や息抜きにつながるでしょう。
施設へ預けるか判断
在宅介護やデイサービスを続けていくうちに、
少しずつ老化や認知症は進行していきます。
いずれは施設に預けることになります。
しかし、施設へ預けることで、親や配偶者がかわいそうだと感じてしまったり、申し訳なく思ったりしてしまうかもしれません。
そこで、施設を考えるきっかけの4項目を紹介します。
自分でトイレに行けなくなってしまった。
火を消し忘れるようになった。
使い方がわからなくなった。
食事が自分で取れなくなった。
介護者の家族が限界を感じた。
↑のような出来事が起こったら、
施設へ預けるタイミングかもしれません。
家族全体への負担も大きくなり、
親子・夫婦関係や子どもの自立にもネガティブな影響を与えるリスクがあります。
費用と相性から施設を決定
施設に関しては、数多くの選択肢があります。
ケアマネジャーを詳しい方とそうではない方もいます。
そこて、
預ける施設については自分の力で探し出す必要があります。
ポイントは3つ。
- 予算の範囲内であること。
- 現状の介護度に合った施設であること。
- 入居者が安心できること。
予算内
まず大事になるのは、予算の範囲内であることです。
100歳まで生きる可能性は十分あります。
途中で資金が尽きたら、無理やりなプラン変更を強いられます。
大きく環境が変わることは、家族全体にダメージ及びますので避けたいです。
要介護度に注意!
次に注意するのは施設ごとに預けることのできる要介護度が定められていることです。
例えば、要介護3までしか預けられないのを知らなかった場合、
認知症が進行して要介護4になったことで、
突然施設を出なくてはいけなくなることもあります。
事前に知っておくことで、冷静に対応することができるので必ずチェックしておきましょう。
家族が安心できる
そして、入居者が気にいるのかも大切。
人生の終盤を過ごす住まいです。
自分にとって居心地の悪い空間では、お互いに悔いが残るはずです。
気持ちよく過ごせる場所を探しましょう。
請求した資料だけではわかりませんので、実際に訪れたり、お試し入居したりして相性を確認してみてくださいね。
入居する本人だけではなく、家族が安心して預けられるかも重要。
施設は沢山のトラブルを抱えています。
ですのて、問題を隠そうとせず真摯な態度で対応・対策を続ける施設かどうか見極めましょう。
夫婦間で決めておく介護に関すること
最後に、介護へ向けて事前に決めておいた方が良いことをお伝えしていきます。
介護の流れを理解していても、
夫婦で認識や方向性が一致していなければ、トラブルの元です。
親の介護はどうするか
まずは、お互いの親の介護へどのように関わっていくのかを話し合っておくのがよいです。
明確な答えはなく、夫婦や家族によって状況はさまざまだと思います。
共通して大切のは、↓の2点です。
- 配偶者や子を最も大事にすること。
- 実親の介護は基本的に実子を中心に行うこと。
もちろん、配偶者や子が親(祖父母)の介護に前向きに関わってくれるのならお願いしてもかまいません。
しかし、配偶者と自分の親が信頼関係が築けていない。
日常生活への負担が大きくなる場合には一定の距離を持ってもらうほうが賢明です。
介護のために仕事を辞めない
介護のために仕事を辞めないことも大切。
よく、親の介護を自分でやるために仕事を辞めてしまう人がいます。
施設に預けたくない。
自分でやり切らなければならない。
そのように思い込んでいると仕事を辞めてしまう傾向は強いです。
ただし、親や配偶者の介護が必要になる時期は自分自身も40〜60代。
再雇用が難しい時期です。
一度、仕事を辞めてしまうと復帰できても以前の収入よりも大幅に下がってしまうリスクがあるのです。
介護休業制度として、
通算93日間まで介護のために仕事を休むこともできます。
手続き・施設選びや介護システムが軌道に乗るまでの間、
ぜひ活用させてくださいね。
子どもを巻き込まない
子どもを巻き込まないということも重要です。
とくに、職業選択をしておらず経済的に自立していない学生は禁物です。
介護は本来、夫婦が中心となって国の支援を受けながら社会と一緒に取り組んでいく課題。
しかし、境界が曖昧な家族では、
子どもにアルバイトをさせて介護費用を稼がせたり、介護のために自由を拘束したりしてしまうというケースもあります。
本来、家族は明瞭な境界を保った方が良いとされています。
子どもには祖父母や親が介護が必要な状態になったことだけを伝えて、
金銭面の負担や介護者としての役割は求めない方がよいと考えられます。
一方で、心理的ケアには参加してもらうと被介護者のメンタルケアにつながります。
孫に自分の昔話をする。
多世代と触れ合う。
新しい刺激を受ける。
↑のような経験は老年期の発達課題である人生の統合へ寄与します。
学生にとっても多世代間の心の触れ合いは大いに越したことはありません。
自分たちの介護費用の準備
これまでは、自分たちが介護する立場からのやるべきことをお伝えしました。
次は、自分達が介護される立場になる時の準備です。
絶対にやっておいて欲しいのは、
自分たちの介護費用を準備することです。
これまでの日本社会は多世代間で一緒に暮らしていたため、
在宅介護もできる人が代わる代わるやってきた慣例があります。
日本の文化は曖昧な境界の家族になりやすい傾向を持つため、
親の介護のために子どもがお金を使ってしまいます。
しかし、子どもには子どもの家族や生活がありますよね。
そこで、介護された時の費用を今のうちから準備しておくことをおすすめします。
貯金でも構いませんし、もっと効率良く資産形成を進めたいなら資産運用を実践してもいいと思います。
自分の介護資金は自分で用意する。
肝に銘じて歳を取りたいですね。
参考書籍
今回記事を書くにあたって参考にした書籍。介護導入までの流れについて漫画形式でわかりやすく書かれています。事前に読んでおきたい一冊です。
最後に
普段は夫婦立て直しについてお伝えしていますが、
今回は介護の流れについて紹介させていただきました。
介護問題でのトラブルは少なくありません。
離婚してしまう夫婦までいるほどです。
最悪のケースは防げる可能性がありますので、
ぜひ介護導入の流れを知っていただけたら幸いです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒に、しあわせな家族を目指しましょうね!
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