同棲や恋人期間は意味がない。パートナーのことをわかったつもりになっていませんか?

こんにちは!

 

『夫婦立て直し工場』石谷落果です。

 

プロフィール

石谷落果

夫婦カウンセラー

『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。

夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?

今回は、

結婚前に配偶者の本質を知ることができないのはなぜか?

遺伝子の観点から紹介します。

 

実は、夫婦問題を深掘りしていくと、

遺伝子家庭環境が原因のほとんどです。

結婚して配偶者が大きく変わってしまったと失望している。

ダメなところを見抜けなかったと、自分の見る目の無さを後悔している。

そういった方もいると思います。

 

しかし、家族になる前に配偶者のすべてを知ることは遺伝子の特徴ゆえに不可能に近いのが現実。

 

配偶者の本質を見抜けないならどうすべきか。

 

夫婦問題では、遺伝子をどう扱うべきか。

 

一緒に考えていきましょう!

 

石谷落果

夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います
 
必ずあなたの力になります

 

夫婦立て直しを始めたばかりの方↓

 

状況別の夫婦立て直し↓

 

家族の経済的不安を無くしたい方↓

 

家族の発達課題について学びたい方↓

 

 

目次

参考書籍

今回の参考書籍は、

安藤寿康氏著の『心はどのように遺伝するのか、双生児が語る新しい遺伝観』です。

夫婦問題における家系の課題を知るには、

遺伝について詳しく理解しておくことは重要です。

詳しく知りたい方は、

ぜひ読んでいただければと思います。

 

人は『家族』という環境によって変化する

 

『結婚前に相手のことをよく知りましょう』

『同棲してからじゃないと危ないよ』

『悪いところも全部受け入れたから大丈夫!』

という言葉を聞いたり言われたりしたことありませんか?

実はこれ、全部意味ないアドバイスなんです。

 

なぜなら、人は結婚すると変化してしまう生き物だからです。

結婚前に培った関係性が夫婦関係の安定に与える影響はほんのわずか。

むしろ長期的には悪影響の方が大きいのです。

 

恋愛と結婚は違う

下のグラフはそれぞれ、

『離婚件数の推移』『お見合い結婚割合の推移』です。

離婚件数の年次推移 -昭和25~平成20年-https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/01.html

2つのグラフからわかることは、

  • 年々離婚件数は増加傾向にある。
  • お見合い結婚が減り、恋愛結婚の割合が増えている。

ということです。

相手を良く知ることが夫婦関係を良好に保つ秘訣なら、

お互いに好意を持った相手と一緒になる恋愛結婚のほうがうまくいきそうな気がしますよね。

しかし、恋愛結婚が増えているにも関わらず、離婚件数は増加しています。

女性の自由や権利が認められるようになってきたからという見方もありますが、

結婚前後で自分も配偶者も変わるために、性格の不一致を感じる。

結果として、離婚してしまうという現象が起きていると考えられます。

自然と恋愛からの結婚へ移行するカップルが多いのですが、

実は恋愛の延長線上に、結婚はないのです。

なぜ変わるのか?

なぜ配偶者が結婚すると変わってしまうのか?

変わってしまったと感じるのか?

遺伝子の特徴を知ることで理解していただければと思います。

結婚後に配偶者がかわってしまう原因には、遺伝子の3つの特徴が関わっています。

遺伝子の3つの特徴
  1. 心は遺伝する
  2. 持っている遺伝的な素質は自発的に発現しない
  3. 自分の作る環境は遺伝的であり、自分を作る遺伝子は環境を作る

 

順を追って説明していきますね。

 

心は遺伝する

まず、遺伝子の特徴として知っておいてもらいたいことは、『心は遺伝する』ということ。

心が遺伝すると聞くと不思議に感じますが、

人間の心理的形質(感情、考え方の特徴)は遺伝子の影響を少なからず受けています。

理由は、感情や考え方が脳という臓器が分泌するホルモンや神経伝達物質によって決定するからです。

  • 身体的特徴
  • アルコールの分解能力
  • インスリンの分泌量

などが遺伝子に影響を受けるように、

実は感情や考え方に関わるホルモンや神経伝達物質は遺伝の影響を受けます。

つまり、感情や考え方を左右する物質が遺伝子の影響を受けるのなら『心は遺伝的である』と言えるのです。

  

一方で、親から受け継ぐのはあくまで遺伝子の配列です。

親から受け継いだ特定の遺伝子を持っていれば、IQが150になる、身長が180センチになるというわけではありません。

遺伝は、『相加的』または『非相加的』に引き継がれます。

『相加的遺伝』について簡単に表現すると、感情や考え方はたったひとつの遺伝子型で決まるのではなく、無数にある遺伝子をどのくらい持っているのかである程度の発現傾向が見られるということ。

例えば、親が明るい性格だからといって、子も必ず明るくなるとは限りませんよね。

けれど、親が明るい性格だと子も明るい性格になる傾向が高いのです。

『明るい性格になる』遺伝子を親から相加的に遺伝しているからと表現できます。

当然ながら、明るい性格の親も『明るい性格になる』遺伝子と『暗い性格になる』遺伝子をそれぞれ持っています。

子どもに遺伝する際も、親自身の遺伝子内で共存している『明るい性格になる』遺伝子と『暗い性格になる』遺伝子をランダムに受け継がせます。

そして、たくさん持っている遺伝子は、確率的に子に多く引き継がれ、親の持っていた心理的形質を発現しやすいということです。

ようするに、親が『明るい性格になる』遺伝子を多くもっていれば、明るい性格になりやすい、けれど同時に『暗い性格になる』遺伝子も受け継いでいるので、暗い性格なる可能性も秘めているということです。

一方で、『非相加的遺伝』とは、遺伝子の組み合わせによって表現型が変わる遺伝のこと。

鶏のトサカが非相加的遺伝のわかりやすい具体例です。

中学、高校の教科書にも載っているような内容なので見覚えのある方もいるかもしれません。

引用『心はどのように遺伝するのか、双生児が語る新しい遺伝観』

鶏の鶏冠の形状には、『P』,『p』,『R』,『r』という遺伝子が影響しています。

大文字が優性遺伝子であるため、

『P』だけがあるならマメ冠

『R』だけあるならバラ冠

『P』『R』があるならクルミ冠

『p』『r』だけなら単冠

となります。

両親がマメとバラの表現型だった場合、子はどちらかの表現型になりそうですが、

実際には、クルミ冠、単冠を発現することもあります。

なぜなら、それぞれの親から子へ遺伝するのは遺伝子型や表現型ではなく、二重螺旋の遺伝子のうち片方だけだからです。

さらに、そのままの配列で受け継がれることはなく、減数分裂する際に乗り換えが発生します。

よって、親の遺伝子は受け継いでいるが、必ずしも同じような表現型になるとは限らないということです。

遺伝子にはまだまだ解明されていないことも多く、非相加的遺伝な心理的形質がある可能性も十分にあります。

 

ぐだぐだと説明しましたが、

結局、何を伝えたいかと言いますと、

配偶者の遺伝的な性格は、配偶者の家系の性質をよく知ることで傾向をつかむことができるということ。

配偶者の遺伝的傾向を掴むためには、

父母だけでなく、祖父母や叔父叔母までどんな人物なのかを調査してみる必要があります。

父母は安定した愛着スタイルでも、

祖父母の夫婦関係にトラブルがあった場合、隔世して家系の課題が自分たちの身に降ってくるというように、

家系の相加的な遺伝傾向と傾向からは外れた非相加的な性質を持っている可能性があるためです。

 

持っている遺伝的な素質は自発的に発現しない

人の性格がある程度、

家系によって決まってることはイメージがついたかと思います。

次に、

『配偶者がなぜ変わってしまうのか』

『変わったと感じてしまうのか』

について考えていきましょう。

 

原因のひとつとして、

人が持っている遺伝的な素質は、自発的に発現しないことが挙げられます。

どういうことかと言いますと、

『夫婦になる』ということは、

他人が家族になるというこれまでの人生で経験したことのない変化。

人間関係おいて良くも悪くも大きなストレスです。

夫婦になるという大きなストレスが加わるという環境が整わなければ、遺伝的な素質は自発的に発現しないのです。

例えば、

どれほど優れたサッカーの才能がある人でも、一度もボールを蹴ったことがなければ才能があるかわかりませんし、

どれほど音楽の才能がある人でも、一度もピアノを弾いたことがなければ、弾けないままですよね。

遺伝子の発現には、刺激するための環境が必要です。

夫婦という『他人だけど家族』という位置付けの人間に対してどのように振る舞うかは、

夫婦という環境にならなければ、本当のところはわからないのです。

 

自分を作る遺伝子は環境を作り、自分を作る環境は遺伝的である

そして、人間の性格のおおよそ半分程度は、遺伝子で決まってくるのですが、

もう半分は『環境』によって決まると言われています。

『環境』と言っても家族関係、友達関係、職場関係など様々な形で存在していますよね。

実は、

一人一人が作る『環境』も遺伝子の表現型の延長線上にあるのです。

人の行動に環境が影響を与えていることはイメージがつきますよね。

言語によるコミュニケーションや二足歩行についても、

人間の遺伝子にはできるようになることが組み込まれています。

しかし、会話や歩行が可能な年齢になったからといって突然できるようにはなりませんよね。

言葉が話せたり、歩けるようになったりするのは、

親や周囲の人々の行動を見様見真似で会得していく道筋があります。

本能的に学習する意欲が人間には備わっていて、

環境という学習のできる場が自然と生活の中に埋め込まれていることで、様々な事柄ができるようになってくるのです。

 

一方で、同じ環境でも一人一人の行動や成長は異なります。

部活動で同じような練習をしているはずなのに、人によって出る結果は違います。

違いは、遺伝的な体格、能力、意欲の差から生まれます。

人によって、目標に到達するまでに必要なトレーニングの質や量は異なりますし、そもそも全員が必ず目標を達成できるわけではありません。

環境が同じでも遺伝子によって成果が異なるということは、

遺伝子がその人のそれぞれの環境を作ってしまうこと可能性を示唆しています。

そして、夫婦関係という環境もまた自分自身の遺伝子が作り出した環境のひとつということなのです。

 

遺伝子の特徴から夫婦関係についてわかること

長々と説明して申し訳ありません。

 

遺伝子の特徴から夫婦関係についてわかることをお伝えします。

心理的形質が遺伝的であることを前提とすると、

自分が今置かれている問題だらけの夫婦関係(環境)も、

別の誰かなら何の問題なく良好に過ごしていた可能性はあります。

逆に、

どんなに優れた配偶者であっても自分自身が夫婦関係を良好に保てない人間であれば問題だらけになります。

 

夫婦問題の癖は、

自分と配偶者の家系による『相加的遺伝』によって引き起こされているかもしれないからです。

しかし、夫婦という特殊な関係性の間で問題が発生したときに、

お互いがどのような反応を示すのかは、その時になってみないとわからない場合が多い。

そして、多くの夫婦は結婚してから配偶者が変わってしまったと感じてしまうのです。

私たちができること

では、私たちが夫婦関係を良好に保つためにできることは何でしょうか。

『遺伝子』という要素にフォーカスするならば、

やはり、親、祖父母、兄弟姉妹の夫婦関係の癖を知ることです。

夫婦関係には受け継いだ遺伝子と育ってきた環境と両方の要素が関わるため、

血縁者や似たような境遇の夫婦は、

遺伝子や家庭環境から発生する家系の課題を繰り返してしまう傾向にあります。

遺伝子意外にも、

非合理な思い込み愛着形成の問題が複雑に影響を与えます。

不倫家系や離婚家系というものが法則のように存在してしまうのは、

遺伝子が持つ心理的素質と育ってきた環境が人の判断や行動を無意識のうちに方向付けてしまうからです。

そのため、家系の課題は比較的傾向を読むことはできます。

しかし、絶対ではありません。

そこで、大事になるのが自分自身のことをよく知ること。

自分を知るには、

価値観リスト愛着スタイル瞑想を用いたマインドフルネスが有効です。

無意識だった言動を俯瞰して意識することは、遺伝子や環境に囚われた行動を見つめ直すことができます。

今まで遺伝子や環境に流されるまま、

自動操縦ロボットのように生きてきた自分の人生の主導権を取り戻しましょう。

最後に

夫婦関係がうまくいかなくなる理由は千差万別。

配偶者を責めることは簡単ですが、

配偶者という夫婦になるという環境を選んだのもまた自分の遺伝子です。

自分が何も変わらずに次のステップへ移ろうとしても、

また同じ環境を選ぶかもしれません。

まずは自分自身のことを振り返り、

できることは全部取り組んでからもう一度どうするかを考えればいいと私は思います。

石谷落果

夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います
 
必ずあなたの力になります

これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!

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