こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は私の実体験を含めた『産後クライシス』を乗り越える難しさについて紹介します。
知っていても回避不可!
どんなに仲の良い夫婦でも地獄!
冗談はともかく、産後クライシスは離婚に至る最大の原因のひとつです。
私も産後クライシスによって離婚寸前まで家族をバラバラにしてしまいました。
教訓は2つ。
知らなかったことと、
甘く見ていたこと。
しかし、負の側面ばかりではありません。産後クライシスを夫婦で乗り越えることができれば、今後に起こり得る様々な問題を一緒に解決できるようになります。
みなさんが、うまく乗り越えるための一助になれば幸いです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
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産後クライシスとは?
産後クライシスとは、
- マタニティブルーズ
- 家族構成の変化
- 夫婦間での育児へのギャップ
などにより、夫婦の関係性やコミュニケーションが上手くいかなくなることを指します。
厚生労働省の『母子家庭になった子どもの年齢別状況』というデータによると産後2年以内での離婚率は4割、5年以内までに範囲を広げると6割となります。
熟年離婚が多い印象でしたが、離婚の6割は、子どもが幼児期の間に起こっているようです。
正直、かなりショッキングな数字。
産後のお互いの対応がしあわせな家族への別れ道になるということですね。
皆さんにも産後クライシスはなぜ引き起こされるのかをぜひ知ってもらい、長期的な夫婦立て直しに役立てればと思います。
マタニティブルーズ
産後クライシスの始まりとマタニティブルーズとは、産後、数日から数週間の間に起こる情緒不安の総称。
- 何もないのに涙が溢れる。
- 些細なことでイライラする
- 子どもを愛せなくなる。
- 夫の行動が許せなくなる。
というような症状がみられます。
きっかけは、女性のホルモンバランスの急激な変化と言われています。
出産に向けて増加していた女性ホルモンは、産後、母親としての役割を全うしようとホルモンバランスが急激に変化します。
リーマンショックもびっくりな急降下ですね。
女性の生理前のイライラや体調不良は、ホルモンバランスの変化によって訪れます。
しかし、マタニティブルーズは、より強烈な心の乱れ。
人の心は脳内ホルモンに左右されますので、産前産後の心のコントロールは不可と覚悟していただければ、良いかと思います。
長引くと産後鬱へと発展していきますので、配偶者や家族は、母親の精神状態に寄り添う必要があります。
家族構成の変化
出産後は家族が増えます。
大事なことなので、もう一度言いますよ。
出産後は家族が増えます。
そんなのわかってるよ!
と笑うかもしれません。
しかし、増えた家族に対する感情は、夫婦で大きく異なるのが事実です。
男性は子どもが産まれてもなかなか子ども優先マインドに切り替わりません。
なぜなら男性は、ホルモンバランスが変化しないから。
一方、女性は育児をするためのホルモンバランスへと変化します。
具体的には、幸せホルモンの『オキシトシン』、母乳を出すための『プロラクチン』が分泌されます。
半ば精神的なリスクを背負いながら、強制的に母親になるということ。
とくに『オキシトシン』は、子を守る感情を強める一方で、外敵への攻撃性を高めます。
もし、父親が母親と子を大切にしていなかったら、外敵と見做されて攻撃されてしまうでしょう。
脳内ホルモンの作用なので、母親は抗う術なく、父親へ不満をぶつけたり、排除するような行動をとります。
このように、父親と母親になることで、2人から3人へ家族構成が変化するだけでなく、子ども中心へ大きく変わっていくことがポイント。
母子の世界に父親が入っていけるかが鍵になります。
夫婦間での育児へのギャップ
細かい育児への取り組み方や考え方は、マタニティブルーズと父親としての役割を理解していればオマケみたいなものです。
男性が積極的に育児参加することも大切です。
しかし、母親は、
私が子どもを育てる!!
モードになっています。
『育児を手伝う』という感覚では、母親にとって父親は外敵。
一緒に育てるのが当たり前なのに、手伝うとは何事か!
という感情を抱いていることでしょう。
よって、育児参加しながらも、父親にしかできないことを探して行動あるのみです。
夫婦それぞれがやるべきこと
ここまで、読んでくださった方ならピンときているかもしれません。
産後クライシスを防ぐには、
男性の知識と覚悟が必要なんです。
女性はホルモンバランスの乱れと出産のダメージにより、もうすでに満身創痍です。
ホルモンによる合法ドーピングで無理やり育児をできる状態にしているだけ。
一方、男性はノーダメージです。
産後クライシスを避けるためにも、余力のある男性が、ぜひともがんばっていただきたいと心から思います。
女性がやるべきこと
女性がやるべきことは、配偶者に対するアサーティブなコミュニケーションです。
とにかく、自分がマタニティブルーズであることを理解して、可能な限り配偶者へ冷静に気持ちを伝えてください。
言われなくてもやって欲しいは夫婦間のコミュニケーションではNG。
ホルモンバランスの乱れは前もって理解しておいてもらうことが大切です。
妊娠、育児で大変な時期だからこそ、夫と2人きりのコミュニケーションの時間を確保してみてください。
あとは、心身ともに壊さないバランス感覚で育児に専念するのみです。
男性のやるべきこと
まずは、マタニティブルーズとホルモンバランスの乱れによる配偶者の変化を理解することです。
産前産後合わせて約3年間は、配偶者が自分を省みると考えてはいけません。
あなたはノーダメージ。
配偶者は満身創痍。
産後にするべきは、配偶者へ全力で寄り添うことです。
具体的には、
- 共感
- 心身のケア
- 外敵の排除
です。
共感
女性は共感を大事にします。
- 育児、産褥期の苦しみ
- 子どもの成長の喜び
- 夫への怒り
受け入れて、共感し、肯定しましょう。仕事で疲れていても、考え方に思うところがあっても、配偶者と真摯に向き合いましょう。
そして、育児を頑張ってくれていることに対して感謝の言葉を伝えましょう。
感謝の気持ちは伝わっているようで、全然伝わっていません。
また、母親と子のツーショットを沢山撮るのも、成長の喜びを共感するきっかけになります。
母子のツーショットを撮ることは、母親にはできない父親の役割です。
心身のケア
マタニティブルーズから産後うつへと発展していくことは大いにあります。
配偶者の心身の変化にも気を配ってください。
子どもを優先しすぎて、自分の心身のケアを後回しにしてしまう母親はたくさんいます。
産後数ヶ月経っても、
明らかに以前よりも笑顔が減っている。
自分を責めるようになっている。
急に怒ったり、泣いたり、子どもへの向き合い方に波がある。
というような様子が見られたら、病院へ行くことをおすすめします。
配偶者の異変にいち早く気づいて対処することは、夫の重要な役割です。
外敵の排除
外敵の排除というと大袈裟かもしれませんが、安心して育児に専念できる環境を整えることが大事です。
とくに、問題なのが親との関係性です。
出産育児で疲弊しているのに、両親、義両親に気を遣ったり、お節介に巻き込まれることは避けなければなりません。
また、親は2、30年前の育児の知識を子に伝えようとします。
今ではまったく非常識になったことも平然と正しいこととして、教えようとしてくるのです。
夫ができることは、明確に今は必要ないと言うことを毅然と伝えることです。
配偶者が本当に困ったとき、夫に頼れる環境を作っておくことが重要です。
ちょっと戦略的な話になりますが、親を仮想敵として利用させてもらうのは、案外いい作戦だと私は思います。
母親からしてみれば、育児を邪魔する存在はすべて外敵です。気の置けない親友でさえ、せっかく子どもが眠ったところへ突然電話がなったら憎き敵となります。
『私はあなたの育児を邪魔する存在を排除します。だから、あなたの味方です』
というボディーガードのような役割も努めましょう。
間違っても、配偶者が不満を持つ相手をフォローするような言葉をかけてはいけません。
配偶者にも非があると伝えるのは、母乳が止まってから。
『プロラクチン』と『オキシトシン』が落ち着いてからにしましょう。
まとめ
今回は産後クライシスの発生原因と離婚とならないためにやるべきことをお伝えしました。
まだまだ、情報の一部分ですので皆さん書籍やネットで調べてみてください。
一方で、やるべきことは変わりません。
産後クライシスはホルモンバランスの乱れを発端としていて、コントロール不可能であるということを、夫婦ともに腹落ちするまで何度も学んでください。
そして、女性はアサーティブに配偶者に意見を伝えててくださいね。
言わなくても理解してほしいはNGです。
男性は配偶者に共感し、心身のケアを怠らず、外敵を排除しましょう。
それができていれば、育児のちょっとした間違いやミスは許されますよ。
産後の妻が求めているのは、『イクメン』ではなく、『心の支え』です。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも、一緒にしあわせな夫婦を目指してがんばっていきましょう!
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