こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は性格不一致の理由が『ソーシャルスタイル』に関係しているということをお伝えします。
ソーシャルスタイルって何?
どうやって分類するの?
と気になっている方はぜひ一緒にチェックしてみましょう!
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
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配偶者のソーシャルスタイルを知ろう
夫婦関係の最も大きな悩みのひとつとして、『性格不一致』が挙げられますよね。
離婚の最大の理由でもあります。
しかし、性格不一致は離婚の原因ではありません。
夫婦間で価値観・考え方・コミュニケーションの癖が異なることを、
知らない・受け入れられなかったことが原因です。
今回は夫婦間のコミュニケーションの分析ツールのひとつとして、
『ソーシャルスタイル』についてお伝えします。
配偶者のコミュニケーションの癖を理解して、円滑な夫婦関係を目指しましょう!
ソーシャルスタイルって?
ソーシャルスタイルとは、
1968年にアメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。
人の言動を大きく4つのスタイルに分けて分析します。
そして、
相手が望ましいと感じる対応を探したり、
自分の対応を選択したり、
するための方法として利用されています。
人の言動を単純に分けることはできませんが、
大まかな方向性としていずれかのスタイルに分類されるといわれています。
さっそく、4つのスタイルについて学んでいきましょう!
4つのスタイル
大きく4つに分割すると
- ドライバー
- エクスプレッシブ
- エミアブル
- アナリティカル
の4種類。
特徴を図示すると↓のようになります。
簡単に説明すると、
他者とコミュニケーションを取るときに、
- 感情を表現するか。
- 意見を主張するか。
がポイントになります。
それぞれの細かい特徴をみていきましょう。
ドライバー
現実的・成果主義
- 効率的に物事を進める
- 自分に厳しい
- 責任感がある
- せっかち
- 口調も早く端的
- 会話中の表情や声、体の動きに変化が見えにくい
エクスプレッシブ
社交的・直感的
- 行動力がある
- イメージ力がある
- ポジティブで明るい
- ボディランゲージが激しい
- 口調は早口
- 相手の話を聞くよりも自分の話をするのが好き
- とりあえずが口癖
エミアブル
友好的・安定的
- 人を第一に考える
- 誰にでも友好的
- 平和主義者
- 物腰が柔らかい
- ゆっくりと話す
- 優柔不断
- 頼まれごとを断れない
- 自分が悪くなくても謝る
アナリティカル
論理的・計画的
- 気になることはきっちり調査する
- 正確性を求める
- リスクを回避するのが得意
- 考えながら話す
- ゆっくり落ち着いた口調
- 几帳面で理路整然としている
- 口数は少ない
- 姿勢を正して話を聞くことに徹する
ソーシャルスタイル診断チェックリスト
いかがでしょうか。
私はドライバーに当てはまるような気がする。配偶者はエミアブルっぽい?
というように、日々のコミュニケーションや行動からイメージできましたでしょうか?
次は、具体的に自分と配偶者がどのソーシャルスタイルに分類されるのかを診断していきましょう。
↓のチェックリストの中で最も当てはまる数が多かったのがその人のスタイルとなります。
ドライバータイプ
- プライベートも仕事も遅刻は許せない
- 過程よりも結果を重視したい
- せっかちで何事もサクサク進めたい
- 思ったことはそのまま言葉にする
- 無責任な行動やルール違反を見過ごせない
- ポーカーフェイスだと思う
- 自分を他人と比べがち
- 目標達成のためならリスクは惜しまない
- 押しが強く強引なところがある
- 仕事は人間関係より実績で評価されるべきだ
- 遅いペースが苦手
エクスプレッシブタイプ
- 想像で話をするのが得意
- 新しいものが好き
- 会話中、身振り手振りが多い
- 沈黙が苦手
- 理論的に物事を考えるのが苦手
- 仕事も遊びと同じくらい楽しく進めたい
- 何事も楽観的
- 無限にアイデアや企画を生み出せる
- 調子に乗って失敗したことがある
- 未来の話をするのが好き
- 熱しやすく冷めやすい
エミアブルタイプ
- 優柔不断だと思う
- 頼まれたら断るのが苦手
- 他人の気持ちに敏感な方だ
- 平和主義者だと思う
- 人に関する話に興味がある
- 誰かの役に立てるとうれしい
- 困っている人を見たら積極的に助けたい
- 人のためにしたことが感謝されないと悔しく思う
- 他人に「話しているとホッとする」と言われたことがある
- 他人の失敗も許せる方だ
- 何事も人間関係を重視したい
アナリティカルタイプ
- なかなか人に心を開かない
- 具体的な数値などの情報を集めてから決断したい
- 石橋は叩けるだけ叩いて渡りたい
- 完璧主義者だと思う
- めったに仕事でミスはしない
- 話すスピードは遅い方だ
- 人に説明するときは図や表を用いて行う
- データ分析が好き
- 何事も計画を立てて進めたい
- 大げさなボディランゲージが苦手
- 危険だと感じたら決して無理はしない
違いを受け入れる
ソーシャルスタイルを分析すると、
自分と配偶者にはそれぞれコミュニケーションの癖があることがわかります。
そして、癖を理解した上で接することでコミュニケーションによる摩擦が減少します。
例えば、何か頼み事や改善してほしいことがあるとします。
配偶者がドライバータイプの傾向があるなら、
結論から述べることや結果を重視し、先に行動してほしいことを話すようにしましょう。
一方、エミアブルタイプの傾向があるなら、
頼まれたことを断るのが苦手なのであまり押し付けないようにしてみましょう。
そして、家族のためになるような役割を提案すると、前向きに取り組んでくれる傾向にあります。
↑のように配偶者が苦手なコミュニケーションスタイルではなく、自然体で受け答えができるコミュニケーションを日々の暮らしに取り入れてみてくださいね。
注意点はグラデーションであること
ソーシャルスタイルを考える時の注意点は、スタイルはグラデーションであるということ。
愛着スタイルや発達障害と同様に、ソーシャルスタイルに明確な境界線はありません。
ドライバー気質のエミアブルもいれば、
アナリティカル気質のエクスプレッシブもいます。
重要なのは、
タイプ診断し、配偶者の言動を予測して先回りするのではなく、
配偶者の言動から、
何をされたら嫌なのか。
どのように接したら円滑にコミュニケーションを取れるのか。
配偶者の個性に応じて、適切なコミュニケーションを取れるようにしていきましょう。
感情が爆発した時は相反するタイプが表れる
また、平常時のソーシャルスタイルと感情が昂った時や危機的な状況では、
相反するソーシャルスタイルを表現すると言われています。
例えば、
普段は大人しく感情表現が少ないアナリティカルタイプは自分の身に危険を感じると、
ひどく感情的になったり、大胆な行動に出たりします。
エクスプレッシブタイプに似た行動ですよね。
ここで問題点となるのは、
アナリティカルタイプにとって、
エクスプレッシブタイプの感情表現は使い慣れていないということ。
相反するソーシャルスタイルを表現している人を客観的に見ると、
幼稚な言動に感じてしまうのは、
抑圧してきたもうひとりの自分。
危機的状況を打破するための苦肉の策。
という側面があるため致し方ないのです。
しかしながら、配偶者が取り乱して普段と真逆の行動を取っても、
『ついに本性を表した!』
と捉えるのは危険です。
ただ単純に、上手に感情表現や自己主張ができていないだけでその人を構成する特徴のひとつに過ぎないからです。
相反するタイプ同士は相乗効果が大きい
配偶者とのソーシャルスタイルが相反する場合はどうでしょうか?
相手のことを理解していなければ、コミュニケーションのエラーが多発します。
とくに、
『ドライバーとエミアブル』
『エクスプレッシブとアナリティカル』
相反するタイプ同士です。
配偶者との組み合わせが上記の組み合わせである場合、
性格の不一致を感じやすいかもしれません。
一方で、ソーシャルスタイルが異なることはメリットにもつながります。
実は、ビジネスの世界では一緒に働くチームが
一律のソーシャルスタイルであるよりも、
バラバラのソーシャルスタイルのほうが様々なアイデアが出て、
成果が出やすい特徴があります。
夫婦関係でも同じタイプの人間同士よりも
異なるタイプ同士のほうが、問題や課題を乗り越えていく力が強くなります。
夫婦は恋人のように仲良くするだけでは不十分。
お互いに支えあって、
家族をよりよい方向へと導いていくことが大切です。
ソーシャルスタイルが異なることは、
『性格不一致』を感じやすいですが、
乗り越えれば強い絆で結ばれた夫婦になれると思いますよ。
参考書籍
ソーシャルスタイル分析と異なるタイプの人と上手にコミュニケーションを取るための情報が紹介されています。配偶者とのコミュニケーションを見直したい方にはおすすめの書籍です。
性格分析のためのツールのひとつ『愛着スタイル』についてわかりやすく解説された書籍です。科学的根拠もありますので、『性格不一致』に悩む方はぜひ読んでみてくださいね。
最後に
今回は、ソーシャルスタイルについてお伝えしました。
夫婦関係を良好に保つには、
配偶者の愛着スタイルやコミュニケーションの癖を知ることがとても重要です。
性格の不一致を理由に離婚することは、
とてももったいないことですし、
家族の発達課題を乗り越えるためには、
お互いを尊重したコミュニケーションが求められます。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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