こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
本記事は、『険悪な夫婦関係が続いているがどうしたらいいのかわからない』方へ向けた記事となります。
夫婦立て直しへの取り組み方は、『離婚』という言葉を口にしたかどうかが大きな違いになります。
本記事は、離婚宣言ない夫婦に向けた立て直しです。
離婚宣言をしてしまった、されてしまったという方はこちらの記事を読んでいただきたいです。
どちらも離婚したいと思っていないのであれば、夫婦関係が劇的に改善する可能性は、充分にあります。
夫婦立て直しの道のりを学んでいただけたら幸いです。
専門用語やわかりにくい内容にについては、各参考記事を読んでいただければ幸いです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
状況別の夫婦立て直し↓
家族の経済的不安を無くしたい方↓
家族の発達課題について学びたい方↓
離婚宣言の有無は重要
本記事を読む前に一度立ち止まって確認してほしいことは、離婚宣言の有無についてです。
夫婦立て直しにおいて、離婚宣言の有無は関係改善の難易度に大きく影響します。
元々、夫婦は他人です。
婚姻関係を結ぶことで、夫婦として家族になっています。
関係性はゼロ親等とも言われ、世界で最も近しい人となります。
離婚するということは最も近しい人から最も遠い人へなりたいという宣言に他なりません。
簡単に口にしていい言葉ではないということ。
口にした側は本心ではなく、脅しのつもりだったり、コントロールしたくて出た言葉だったとしても受けて側には重くのしかかります。
一方、『離婚』という言葉が夫婦間の会話の中で出ていないのであれば、
配偶者に対して最低限の誠意を持って接しているし、まだ生活を続けていけると判断しているということ。
大きな違いがあります。
お互いがまだやれると思っているなら、いくらでも立て直す方法はあります。
夫婦関係が悪化した根っこの部分を捉える
険悪な夫婦関係がいつから始まったのか覚えていますか?
些細なことだったかもしれませんし、不倫、暴力、借金など致命的な問題だったかもしれません。
夫婦問題はどの夫婦でも似たようなトラブルが発生します。
しかし、まったく同じトラブルはありません。
そして、解決策も多種多様です。
本質を理解していなければ、
誠意を持って謝る。
約束を守る。
感謝の言葉を伝える。
夫婦で支え合う。
価値観を尊重する。
など、
そんなのわかってるよ!という対策に陥りがちです。
私たちが夫婦立て直しに向けてやるべきことは、
なぜ、私たち夫婦は良好な夫婦関係を維持できていないのか。
を考えることです。
考えるヒントは、『親』にあります。
家系の課題を知ろう
夫婦関係がうまくいかない理由の根っこには、家系の課題が必ず潜んでいます。
『家系の課題』って何だ?
と思うかもしれません。
家系の課題とは、親から受け継いだ遺伝子や無意識に染み付いた夫婦観のことを示します。
離婚した親の子どもは離婚しやすい。
親から暴力を受けて育った子は、DVしやすい。
不倫していた親の子は、不倫しやすい。
という話を聞きませんか?
夫婦関係を良好にする手法をたくさん学んでも、
私たちにパーソナライズされた手法でなくては、凸凹したコミュニケーションが続くだけかもしれません。
遺伝子を知る
自分たち夫婦だけの立て直し方法を考えるにはどうすればいいのか?
答えは、
自分と配偶者をよく知ることです。
何を知ることが効果的なのかというと、『遺伝子』です。
なぜなら、
ヒトの性格の50%は遺伝子によって決まっていると言われています。
一卵性双生児と二卵性双生児を比較した実験が有名ですが、
別々の環境で育った一卵性双生児と二卵性双生児とでは、一卵性双生児の方が性格が似ているという結果が出ています。
つまり、環境や努力だけではヒトの性格は決まらずに、持って生まれた性格があるということ。
自分がどんな性格の傾向があるのかわからないと、対策は考えにくいですし、同じ失敗を繰り返してしまいます。
神経質な人と楽観的な人とでは、夫婦間のコミュニケーションやトラブルは全然違うものになりそうですよね。
そこで、まずは遺伝子を客観視することから始めるのがよいです。
家庭環境は、親とのコミュニケーションが必要になりますので、ハードルが高い方がいるかもしれません。
しかし、遺伝子については検査キットを使うことで簡単に知ることができるので、自分だけで取り組めます。
私が使用した遺伝子キットはこちら↓
遺伝子を知る最も大きなメリットは、
自分を俯瞰できることにあると思います。
不安を感じやすいか。
怒りを感じやすいか。
短期的な利益を求めやすいか。
幸福を感じやすいか。
など、夫婦関係を左右する生まれ持った性格を知ることで、心理的なアプローチができるようになります。
家庭環境を知る
次は家庭環境です。
ヒトの性格の50%は遺伝子の影響を受けますが、もう50%は環境に影響を受けます。
とくに、幼い頃の家庭環境の影響は大きいです。
親子で口調や癖をなんとなく似てきくるのは、無意識のうちに影響を受けているからです。
ヒトは繰り返し目にしたもの、体験したものに対して、好意的になったり、抵抗感が無くなったりします。
例えば、
初めは欲しいと思わなかった商品も繰り返し広告を見たり、勧められるとなんだか良いもののようになった。
スポーツに興味がなかったけど、連れられて観戦しているうちにファンになった。
など、
繰り返し、長時間接触していることで物事の印象が変わります。
夫婦観についても同じ。
親の習慣や関係性を見聞きしたり、体験しているうちに『ああ、夫婦ってそういうものなんだ』と無意識に記憶してしまいます。
もし、無意識に染み付いた夫婦観が良好な夫婦関係を妨げるものだったら?
私たちは知らないうちに夫婦問題を起こしているかもしれませんし、
問題行動を問題とすら思っていないかもしれません。
そこで大切なのは、両親の夫婦観がどのようなものだったのか、見える化することです。
『見える化』とは、製造業の現場でよく使われる言葉。
何となくみんなが守っていたルールや伝えてきた技術を図解したり、文書化したり、掲示したりして誰もが目で見てわかるようにか取り組むことです。
なんとなく夫婦観がぼんやりしていると、本当の課題が見えてきません。
まずは、文字に起こしてみることが大切です。
ひとりで考えるのが難しければ、相談にのりますので、気軽に連絡くださいね。
不安定な愛着スタイル
家庭環境の問題は、夫婦観だけでなく、根本的な性格へも影響を与えます。
具体的には、『愛着スタイル』という、
人間関係やコミュニケーションの癖に特徴が表れます。
親子間で安定した愛着関係を形成することができれば、愛着スタイルは安定します。
安定した愛着スタイルの人は、信頼している人が自分をいつまでも裏切らず、受け止めてくれることを信じることができます。
そのため、愛情を失ってしまうことに対して、思い悩むことが少なく、人間関係において無駄なストレスを抱えることが少ないです。
周囲の人を肯定的に捉え、安定した関係を築くことができるのです。
しかし、親子間の愛着形成がうまくいっていないと、
他人をうまく信頼できなくなる。
自分自身をオープンにできなくなる。
愛情を失いことを恐れる。
など、家族の外側との人間関係やコミュニケーションに問題が起こりやすくなります。
もちろん、遺伝的に不安や恐怖を感じやすい人やコミュニケーションを取るのが苦手という人もいます。
しかし、親子関係ゆえの『愛着の病』を抱えている人も少なくありません。
対策
愛着スタイルへの対策は、ふたつです。
- 自分と配偶者の愛着スタイルを知り、適切なコミュニケーションを取る
- 配偶者と心の安全基地を形成する
私たちの日常生活では、配偶者以外にも様々な人とコミュニケーションを取ります。
そして、コミュニケーションの取り方は誰にでも絶対に正しい方法はありませんよね。
あの人には、こういう話し方の方がいい。
この人には、こういう態度で聞いた方がいい。
というように、人によって無意識に使い分けていると思います。
よって、夫婦観の最適なコミュニケーションも自分と配偶者の個性によって異なります。
少なくとも配偶者の愛着スタイルに適した接し方をしてあげたほうがよいです。
次に、愛着スタイルの分類を示します。
愛着スタイルは安定型を含めて大きく5つに分類されます。
- 安定型…周囲の人を肯定的に捉え、安定した関係を築くことができる。
- 不安型…人間関係に対する不安が強い。依存的になやすい、期待値が高い、他人の感情に敏感。
- 回避型…深い人間関係を作るのが苦手。葛藤を回避しがちで、自己開示や感情を表に出さない。
- 混乱型…人間関係のトラウマがある。不安型・回避型が入り混じった状態。情緒が不安定。気分が変わりやすく、自己破壊的。
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愛着スタイルを考えるときに注意していただきたいのは、
- 愛着スタイルはグラデーションである
- 愛着スタイルをレッテル貼りの材料にしてはいけない
ということです。
愛着スタイルの分類は大きく4つですが、
私たちはそれぞれの愛着スタイルの要素を併せ持っています。
例えば、
他人への期待値が高いけど、それを表現しない。
人間関係にトラウマはあるけど、自己破壊的な行動は取らない。
などです。
それぞれの愛着スタイルの傾向が強いからといって、必ずしも特定の行動を取るわけではありません。
血液型占いのように、どうせ不安型、回避型だからこうだろう。
と憶測で判断しては適切な接し方ではなくなってしまいます。
不安定な愛着スタイルの行動に対して、接し方の最適解はあります。
重要なのは、配偶者の人間関係やコミュニケーションの癖を知り、癖に合わせた接し方をすること。
まるで他言語で話す人であるかのように、歩み寄る姿勢が大切です。
細かい積み重ねが夫婦のコミュニケーションを円滑にしていきます。
ぜひ一緒に学んでいきましょうね。
瞑想による気づきとストレス軽減
最後は、どの記事でも関わりが出てくる『瞑想』についてです。
瞑想と聞くと、
修行や宗教を連想する方もいるかもしれません。
しかし、実際には心身のケアに驚くほどに有効。
- 夫婦問題のストレスや不安に強くなる
- よく眠れる
- 幸福感が増す
- 配偶者の気持ちに共感できるようになる
- 反射的に怒りをぶつけずに建設的にコミュニケーションできる
- 配偶者からは魅力的に見えるようになる
- 夫婦問題を解決する力が増す
というような効果が得られます。
なぜこのような効果を得られるのか不思議ですよね。
瞑想が心身のケアに有効なのは、
自動モードだった自分の心や体の動きに気づけるようになるからです。
瞑想は、無意識に行っていた言動に気づく取り組みでもあります。
『自動運転モードになっていた自分をマニュアル操作に戻す』と表現するとわかりやすいかもしれません。
怒りをそのまま行動に移すのではなく、
怒りという感情を認めて、
その感情に対して自分がどのように行動するのか選択できれば、
トラブルは避けられると思いませんか?
思考や感情のままに行動するのではなく、
思考や感情と行動を分離して、可能な限り夫婦のために最適な行動を取るために瞑想へチャレンジしてみてください。
体の動きや思考に意識を向けて、もし、ゆらぎや集中できなくても、それを受け入れて瞑想を続ける。
少しずつ自分の中の無意識や不安や恐怖と上手に付き合っていくことができるようになりますよ。
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最後に
離婚したいという言葉がないということは、
夫婦関係を維持したいという前向きな感情が両者に残っています。
言動からは読み取れなくても、配偶者への愛着が残っています。
残された愛着をもう一度立て直すためには、
家系の課題にフォーカスを当てることが大切。
配偶者が親の夫婦関係から何を学んだのか、何を感じとっていたのかを理解し、共感することで本当の夫婦への一歩となります。
親子の夫婦関係の癖に自分たちが飲み込まれず、
しあわせな夫婦関係を築く姿を子へ伝えることができれば、
家族全員がしあわせになれると思います。
私たち夫婦が抱えている家系の課題を一緒「解決していきましょうね。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒に、しあわせな家族を目指しましょうね!
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