こんにちは!
『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
夫婦関係がうまくいかない根本的な問題である『他責思考』についてお伝えします。
心当たりがあってドキッとした方はいませんか?
一緒に考えてみませんか?
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
夫婦立て直しを始めたばかりの方↓
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家族の経済的不安を無くしたい方↓
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自責思考と他責思考
『夫婦立て直しがうまくいないたったひとつの理由』
などという煽り記事のようなスタートで申し訳ありません。
一瞬でも気に留めてくださる方がいたらいいなと思いこのタイトルにしました。
夫婦関係は様々な要因が合わさって悪化していきますよね。
たったひとつの現象で離婚問題まで発展するわけではないのは重々承知です。
しかしながら、夫婦関係がうまくいかないと感じている場合、
考え方の根本に大きな問題を抱えている場合があります。
考え方の根本的な問題とは、
夫婦問題が起こったら何でも配偶者のせいにしてしまう考え方の癖のこと。
何かトラブルが起こった時に、
『こんなことになるなんてあいつが悪いんだ』
『私の周りには変なひとばかり集まってくる』
と何でも周囲の人や環境のせいにしてしまう人がいますよね。
そんな他人のせいにしがちの人を『他責思考』といいます。
反対に、
『こんなことになるなんて私の言い方が悪かったのかな』
『きっと、自分の悪いところを変えればいい人に恵まれる』
と自分に問題があると捉えることができる人を『自責思考』といいます。
もちろん、何でもかんでも自責・他責思考というわけではなく、
相手、環境、メンタル状態や問題の深刻さによって思考のバランスは変化します。
それでも夫婦関係においては『他責思考』から『自責思考』に考え方を切り替えることで、夫婦関係は必ず良い方へと向かいます。
自分自身の考え方が夫婦関係に問題を起こしていないかを一緒に確認してみませんか?
他責思考の怖さ
まずは、他責思考の怖さについて考えてみましょう。
他責思考の怖さの特徴は大きく2つ。
- 周りから人が離れていく
- 同じ失敗を繰り返す
周りから人が離れていく
他責思考の人は仕事でもプライベートでも何かトラブルが起こるとなんでも人のせいにしてしまいます。
そのために話す内容も他人の愚痴やネガティブな言葉が多いので、人がどんどんと離れていきます。
他責思考は配偶者に対しても同じです。
例えば、こんな言葉を言ったことはありませんか?
『教えてくれればよかったのに』
『言われなくてもやってよ』
『また子どもが悪さしたらしい。に何か言ってよ』
などなど、
心当たりがあるのではないでしょうか。
どれも、配偶者へ責任を押し付ける他責思考の言葉です。
自分から聞く。
自分から伝える。
自分から子どもと話す。
自責思考の人は↑のような行動を取ります。
他責思考の人から心が少しずつ離れていってしまうのも無理はありませんよね。
同じ失敗を繰り返す
さらに恐ろしいのは、
他人のせいにし続けると自分の落ち度に気づけないこと。
とくに、夫婦関係は自責思考ができるようにならないと再婚や新しい恋を選んでも失敗を繰り返します。
配偶者が優しくなくなった。
コミュニケーションが減ってしまった。
いつも喧嘩ばかりだ。
だから今の配偶者とはしあわせになれないと他責思考の人は考えがちです。
しかし、本当にそうでしょうか?
夫婦問題は、どちらかが100%悪いという事例はあまり存在しません。
この部分は自分自身が悪かったよね。ただ、あのときは配偶者にも問題があるな。
とカウンセリングに携わっているとお互いに問題があると感じることは多いです。
配偶者が全部悪い!
あの人のせいで私の人生はめちゃくちゃだ!
と思っていたら少し立ち止まってみる必要がありますね。
全部自分のせいではない
夫婦関係は自責思考で取り組むという基本原則。
ただし、状況によっては難しい場合もあります。
DV
基本原則から外れる最たる例はDVです。
配偶者が暴力を振るのも、
酷い言葉で精神的に追い詰めるのも、
全部自分に問題があるからだと自分を責めてしまうのは危険。
仕事でもブラック企業に勤めていると、
『能力がないから残業するんだ。仕事ができないからもっと頑張るしかない』
と自分を追い詰めてしまうことがありますよね。
同様に夫婦関係でも理不尽な環境下で心身に大きな負担をかけてしまう場合は、
一旦逃げてしまうことを推奨します。
心や身体が取り返しのつかない状態まで壊れてしまったら、自分を立て直すにもかなりの時間が必要ですからね。
配偶者がDVという行動に出るのは、配偶者の課題です。
一方で、DVから逃げないのは自分自身の課題なのです。
不倫
次に問題なのは不倫です。
以前、不倫を乗り越える考え方や遺伝的・環境的に不倫をしてしまう・不倫をされてしまう理由をお伝えしたことがあります。
参考書籍は↓です。不倫問題に苦しんでいる夫婦やカップルへの考え方やセラピーが紹介されています。
本題は、不倫問題は遺伝的な要因も含まれてしまうということです。
人間の遺伝子は何千年も前からほとんど変化していません。
そのため、現代のように文明や倫理観が発達する前の本能を持っています。
日本でも一夫多妻制は認めれていませんが、原始時代ではどうだったでしょうか?
おそらく、不倫という認識は持たずに種の保存のため、
複数の異性と関係を持つことは当たり前のことだったと思います。
実際に不倫遺伝子が存在するという研究結果も出てきています。
本能に負けて不倫をしてしまうのは、人間が持つ遺伝的な課題とも言えるのです。
個人的には不倫自体は許せない行動で不快感を覚えます。
ですが、不倫という問題に遭遇した時に自分を責めても、
意味がないかもしれない。
そのことを頭の片隅に置いておいてください。
夫婦関係を立て直すのか、
それともそれぞれのしあわせを目指すのか判断するためのひとつの材料になるかと思います。
思い込み
『自分だけのせいではない』の最後は、
幼い頃からの生育環境によって染み付いた思い込みについてです。
非合理な思い込みとしてご紹介したことがあります。
例えば、ジェンダーによる役割です。
男性は仕事をして女性は家庭を守る。
家事育児は母親の仕事。
↑のような親にとっての当たり前が自分の価値観に染み付いている可能性があります。
また、夫婦の関係性についても同様。
結婚したらしあわせになれる。
夫婦は言わなくても分かり合える。
一軒家を建てるのが当たり前。
子どもを育ててこそ一人前。
↑のような非合理な思い込みは、
程度の差はあれど生育環境の中で形成されます。
生育環境によって染みついた思い込みの問題点は、
夫婦トラブルに発展するまで気づき辛いという点です。
配偶者に離婚宣告されてから、自分は配偶者を思い込みによって傷つけていたんだと思い知らされる方はとても多いです。
よって、自分に問題があっても必要以上に責めてはいけないのです。
自責思考を身につける
ここまでで、他責思考の怖さと何でも自分のせいにしてはいけないということを実感していただけたでしょうか。
では、どうしたら適切な自責思考を身につけることができるのでしょうか?
よし、今日から自責思考になるぞ!
と気持ちを切り替えても簡単にはいきません。
まずは、↓のことを試してみてください。
- 自分の行動をチェックする
- アイメッセージを伝える
- 自分発信の原因を考える
自分の行動をチェックしよう
まずは、あなたと配偶者のコミュニケーションをチェックしてみましょう。
チェック項目は↓の5つです。
- 配偶者の言動で気に食わなかったこと、嫌だったこと
- 1に対する配偶者への自分の行動
- 2の言動によって配偶者の行動は長期的に変わったか
- 3の変化がもたらした影響は?
- 親がどのような価値観、行動をとっていたか?
まずは、配偶者が言ったことやしたことで気に食わなかったり、
いやな気分になったことを思い出して書き出すことからスタートです。
その配偶者の行動に対して自分が言ったこと・したことはどのような内容だったでしょうか。
自責思考の人はこちらも悪かった部分があったと自分を省みたり、
『私は○○と思ったから××してほしい』とアイメッセージを送っていると思います。
一方で、他責思考の人は配偶者をコントロールするために、
指示・指摘・避難の言葉を浴びせている可能性が高いです。
配偶者に言った言葉が他責思考だったのかよくわからない。
という場合は、長期的にパートナーの行動を変えたかを考えてみるとわかりやすいです。
イエスorノーの二択で構いませんので分類してみてください。
夫婦立て直しにおいて、他責思考的な発言は短期的な利益しか生む傾向にあります。
言った時だけ自分の溜飲が下がって、配偶者が言うことを聞いてくれます。
ただし、自分の行動が長期的に二人の関係をよいものしたか、それとも悪いものにしたかは別問題なのです。
自分自身の行動を客観視することで、
『結局、配偶者のせいにしても意味がない。自分が変わろう!』
と思えるようになれば一歩前進なのです。
また、家系による非合理な思い込みがどうかを判断するために、
『親も同じ価値観を持っていたか』についてもチェックしてみるのもいいと思います。
↓がチェックシートのサンプルです。
よかったら、自分の行動チェックする際に役立ててくださいね。
アイメッセージを伝える
配偶者への自分の言動がチェックできたら自責思考の言葉へと変えていきましょう。
まずは、アイメッセージで伝える習慣をつけるとよいです。
アイメッセージとは、
文字通り、『私』のメッセージ。
『私や僕』を意識して用いるコミュニケーションのことです。
例えば、
配偶者と意見が食い違ったとき。
配偶者の言動を嫌だと思ったとき。
あなたはどのように伝えますか?
- そう思うんだね。(自分の意見は言わない)
- どうしてそんなふうに考える(行動する)の?ぜんぜんわかってないね。
- あなたはそう思うんだね。私はそう思わない。なぜなら…
↑のうちであれば、
『私は〜だと思う(思わない)』と相手に伝えている3がアイメッセージとなります。
主語を用いることは日本語のコミュニケーションでは省略されがちですが、
意図的に伝えるとアサーティブな会話になります。
アサーティブなコミュニケーションとは、お互いを尊重し合ったコミュニケーションのこと。
人は、行動を変えると思考が変わります。
アイメッセージを取り入れることで、
自然と自分が抱えている問題・配偶者が抱えている問題を切り分けて考えられるようになってきますよ。
自分発信の原因を考える
言動のチェックとアイメッセージへ取り組みながら、自分発信の原因を考えていきましょう。
自責思考とは、自分発信の原因をクリアしていく思考のことです。
夫婦立て直しをしていると、夫婦関係がうまくいかないことを全部自分のせいにしてしまいがち。
しかし、自分を責めるのと、自責思考はまったく異なります。
自分発信の原因を考えられる人だと、
自分の行動の問題点の把握と変えられることと変えられないことの境界線の見つけ方がとても上手です。
夫婦間でコミュニケーション不全に陥った時のことを考えてみましょう。
自分を責めるタイプの人は、
会話が減ったのもセックスレスも自分に魅力が無いからだと思い込みます。
自分発信の原因を考えられる人は、
会話が減ったのは仕事が忙しくなってからだ。
⇒仕事の調整を考えたほうが良いかもしれない。
セックスレスが始まったきっかけは、育児のことで揉めてからだ。
⇒もしかしたら、配偶者は育児に不安を抱えていて、疲労感を覚えているのかもしれない。
と何が原因で現象が起こったのかを考えます。
そして、配偶者と問題点について話し合い、自分発信の原因を解決していきます。
また、今の配偶者と結婚したのは自分の責任だから仕方がないと現状を諦める方もいらっしゃいますが、
これは本当の自責思考ではありません。
配偶者と結婚して、今の環境を作ったのは自分。それを受け入れて、これから何をしていくべきかを考える。
現状打破に向けて自分発信でしっかり考えられる人こそ本当の自責思考なのです。
自責思考ができるようになると、
夫婦関係は浮き沈みはありながらも少しずつ信頼関係を築いていくことができると思いますよ。
一緒に学んでいきましょうね。
参考書籍
『相手は変えられないならば、自分が変わればいい』という夫婦立て直しの本質を教えてくれる書籍です。ぜひ一度は読んでいただきたい一冊です。
夫婦ためのアサーションについて学ぶことのできる書籍です。夫婦のコミュニケーションでトラブルや問題を抱えている方はこちらの書籍を手に取ってみるとことをおすすめします。
最後に
夫婦関係がうまくいかないたったひとつの理由は『他責思考』です。
夫婦立て直しへ取り組むためには、まずは自責思考を身につけるのが近道。
配偶者の落ち度を責めてコントロールしようとしても、
夫婦の関係性が良い方へ向かうのはなかなか難しいものです。
まずは、自分由来の原因を考え、改善するための行動していきたいですね。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒に、しあわせな家族を目指しましょうね!
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