こんにちは!
夫婦立て直し工場の石谷落果です。
プロフィール
石谷落果
夫婦カウンセラー
『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。
夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?
今回は親子間の愛着障害について紹介します。
夫婦問題を引き起こすのは、自分や配偶者が抱えている愛着障害の影響が大きいと考えています。
- 生きづらさを感じている。
- 親と一緒にいると精神的に疲れる。
- 配偶者へ漠然とした怒りをぶつけてしまう。
- 夫婦間のコミュニケーションに不安や不満を抱えている。
- 配偶者の考えていることがわかりづらい。
↑のような悩みを抱えている方は本記事が参考になるかと思います。
また、愛着スタイルや安全基地についてなんとなくでもイメージがついているとより親子間の愛着障害の正体が見えやすくなります。
夫婦間のコミュニケーションエラーの本当の原因や対策を打ちやすいので参考にしてみてくださいね。
本記事が、
『実は自分は愛着障害を抱えているのかも?』
と気づくきっかけになれば幸いです。
よかったら、一緒にチェックしてみませんか?
愛着障害とは?
まずは、『愛着障害って何?』という疑問にお答えします。
愛着障害とは、
成育環境の中で愛着の絆を上手に形成できなかったために、引き起こされる人間関係への悪影響のこと
特定の存在に対する特別な結びつき(主な例は親、祖父母、尊敬できる大人、友人など)を持てなかったために、安定した人間関係を築くための愛着スタイルがうまく形成されない状態のことをいいます。
人に嫌われるのが怖くて人と意見を合わせてしまったり、自分の不安や不満を他人にぶつけてしまったり、依存的になったり、深い人間関係を拒んだり、生きていくうえでの生きづらさを引き起こします。
愛着障害については、愛着スタイルや安全基地についての知識があるとわかりやすいかもしれません。
夫婦関係は、人生で最も密接かつ長期的な人間関係であるため、愛着障害の特徴が強く出ます。
そのため、愛着障害を持っていると夫婦間でトラブルが発生しやすくなり、最悪の場合は離婚問題に発展します。
愛着スタイルやその人が持つ愛着障害は成人するまである程度決まってしまいますが、自分の愛着スタイルを把握することとそれぞれの愛着障害を乗り越える方法を知っておくことで、夫婦間のトラブルを乗り越えることができるようになります。
今回は各愛着障害の乗り越え方を提案していますので、よかったら参考にしてみてくださいね。
愛着障害の具体例
では早速、愛着障害の具体例についてお伝えしますね。
家族によって抱えている問題のかたちが違うため、愛着障害には様々な種類があります。
そこで、中でもより多くの人が陥りやすい7つの愛着障害について解説します。
- いい人を演じる ……自分の意に反して相手に同調してしまう。
- 条件付きの承認 ……○○したら、○○できたらという条件付きの提案ばかりしてしまう。
- 自己否定 ……自分を否定する言葉、感情が多い。
- 完璧主義 ……完璧な自分でないと愛されないと感じる。
- ネガティブな反応……配偶者に対して不安、怒りを強く感じる。
- 安全基地が無い ……自分が心を許せる安心できる場所が無い。
- 役割の逆転 ……こどもが心理的・経済的に親の面倒を見る。
ひとつひとつ丁寧にお伝えしていくので『もしかしてそれって自分・配偶者のことかも?』と感じたらじっくり読んでみてくださいね。
いい人を演じる
今回は配偶者に対して『いい人』を演じてしまうという問題についてお伝えします。
皆さんは、『いい人』という言葉からどのような印象を受けますか?
言葉通りにポジティブな印象を感じる反面、
都合のいい存在、
言う通りにしてくれる人
といった裏の意味も潜んでいますよね。
純粋に人のためになる行動が好きな方は、一定数存在します。
しかし、全てのいい人がギバーではありません。
- 相手が機嫌を損ねないように気をつかう。
- 自分を全面に押し出さない。
- 本当は反対なのに賛成したふりをする。
- 相手が望むことを心に無理して叶えてあげようとする。
↑のような行動に心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
その状態が『いい人を演じている』状態です。
いい人を演じるのは不安定な親が原因
『いい人を演じる』ことと、親はどのように関係あるの?
と思きますよね。
親からの不安定な愛情が子どもの愛着形成に与える影響については、こちらの記事で紹介させていただきました。
実は、いい人を演じてしまうのは、
不安定な愛着スタイルの親が原因であることが多いです。
親の感情の起伏が激しい。
子が自分にとって都合の悪い言動を取れば怒りだす。
逆に都合のいい言動を取れば、ご機嫌になる。
そんな情緒不安定な親の機嫌や顔色を伺いながら幼少期を過ごした人は、
自分の本意でなくても、
自己防衛のためにいい人を演じてしまうのです。
さらに悪いことに、
いい人を演じる人間関係の癖は、
配偶者やパートナーとの関係性にも影響します。
配偶者への影響
配偶者へ影響は大きく分けて↓の2つ。
- パワーバランスが崩れる
- 親からのストレスをぶつける
パワーバランスが崩れる
夫婦立て直しはお互いが自立していることが重要。
配偶者を配慮せず、やりたい放題やれ!
ということではないのです。
配偶者はどこまでいっても他人です。
思考や行動はコントロールできません。
よって、配偶者の言動に振り回されていい人を演じない事が大切。
いい人が過ぎると
徐々に自分への負担が大きくなり、
心身へ支障をきたします。
次第にパワーバランスが崩れて、
配偶者は自分へ一切気を使わなくなります。
自分自身はそのストレスを感じて、
さらに疲弊してしまいます。
親を優先してしまう
一方で、
親への依存が強すぎる場合、親に対していい子でいる代わりに、
最も近い存在である配偶者をストレスのはけ口としてしまうというリスクがあります。
結婚したら最も大切な家族は配偶者です。
新しい夫婦に不安定な親を巻き込むことは絶対にしてはいけないこと。
親からの影響力が強すぎるときは、
可能であれば、一時的に距離をとることをおすすめします。
いい人脱却に向けた提案
いい人でいようとすることは、
メリットがあるようでデメリットばかり。
とくに、配偶者への影響は多大です。
いい人を脱却することで、
イーブンな夫婦を取り戻し、今よりも良好な関係性を作ることができます。
いい人脱却方法は、
まずは、↓の2つを試してみてください。
- 親と距離を置く
- アサーションを身につける
親と距離を置く
いい人を演じている人は、
2種類のタイプに分かれます。
- 親に対していい人でいるために、周囲へストレスをぶつける人
- 親との関係性により、いい人でいようとする癖を身につけてしまった人
とくに、配偶者へストレスをぶつけてしまう方は、親と距離をとった方が良いかもしれません。
帰省、孫の顔、同居、贈り物など、
親が与えるものや求めるものを全て、受け入れていませんか?
配偶者は親主導の結婚生活にうんざりしているかもしれません。
自分自身は親にいい顔を見せることで、
知らないうちに配偶者へストレスをぶつけているかもしれません。
歪んだ愛情表現による依存関係は、気付きにくいのが特徴です。
少しでも心当たりがあれば、
連絡を取らない・頻度を減らすなど、
一旦距離を置いてみてもいいでしょう。
難しければ、断ることを覚えてみる。
もしも、断れないと思うのなら、
あなたは間違いなく家系の課題に苦しんでいます。
アサーションを身につける
アサーションは、
お互いを尊重し、
自分の考えや主張を正確に伝えるための技術です。
いい人を演じて何も伝えない。
いい人を演じたストレスを他者へぶつける。
↑のようなコミュニケーションは、
自己嫌悪とストレスの悪循環の始まり。
私自身も妻とのコミュニケーションでアサーションを用いることが多いです。
アサーションのポイントは、
- 自己主張の権利は皆にある
- アサーションは相手をコントロールするための技術じゃない
- 断られたときの選択肢を相手に与えておく
ということです。
詳細は以下の関連記事をチェックしてみてくださいね。
条件付きの承認
承認欲求とは、
自分の存在、行動、成果などを
誰かに認めてもらいたいという欲求のことを指します。
誰もが生まれつき持っていて、
持っていることが当たり前の感情です。
しかし、承認欲求が『条件付き』になった途端に話は変わります。
条件付き承認ってどんな感じ?
『条件付き承認』とは、
育児を例に出すとわかりやすいです。
- 〇〇したら褒めてあげる。
- 〇〇できたらお小遣いをあげる。
- 〇〇しなかったら抱っこしない。
↑のように条件を達成したら愛情を与えるという接し方を指します。
テストでいい点を取ったら…
運動会で一番になったら…
ピアノの発表会で賞を取ったら…
このような結果に着目した愛情は、子どもの不健全な承認欲求を強める原因になります。
条件付きだと何がいけないのか。
条件付きの承認は、
- 親からすると子どもをコントロールしやすい。
- 褒めるポイントもわかりやすい。
というメリットがあるため、
つい多用しがちになってしまいます。
すると、子どもからすれば、
『ありのままの自分』ではなく、
『いい子である自分』しか認められていない、
と感じます。
十分な愛情を感じられないため、
他者承認欲求の傾向が強まります。
また、親が共働きで接する時間が短かく、
愛情が不足してしまった場合にも起こり得ます。
時間に追われる現代社会では、
条件付き承認をつい繰り返しやすい環境にあるのも事実です。
承認欲求がないのも危険
一方、ネグレクトや虐待を受けて育った子は承認欲求が無くなってしまいます。
というよりも諦めているというのが正しいかもしれません。
配偶者への影響
親から条件付きの承認を受けてきた人は、配偶者への承認欲求が強い傾向にあります。
- 仕事でお金稼いでるんだから優しくして!
- 家事やったんだから褒めて!
- 育児毎日頑張ってるから労って!
- プレゼントしたんだからお返しちょうだい!
↑のように自分の行動に強く見返りを求めるようになります。
アダム・グラント氏の提唱する
『ギバー』、『マッチャー』、『テイカー』の考え方にも通じますが、
配偶者へ与えて、喜んでくれることに幸福を感じるのではなく、
配偶者からの見返りを貰うための撒き餌として、行動してしまいます。
また、無条件の愛情というものを素直「受け入れることができない弊害も。
家族に対して、
- 「自分は特別じゃなくても、自分が愛される存在だ」と思えなくなる。
- 無条件の愛情に触れたとき戸惑う。
- 本当の優しさを受け取っても理解ができず、条件達成後の「期限付きの愛情」と捉えてしまう。
- 「自分は条件をクリアしたのだから相手は自分を愛すべきだ」と考えてしまう。
すると、本当に心を開いて接っすることができず、本当に困った時に助けを求められない関係性になってしまいます。
条件付き承認を乗り越えるための提案
承認欲求は生まれながらに誰もが持っている欲求のひとつ。
まったく無くすことは難しいです。
そこで、承認欲求がない人の特徴からどんな人間に変わればいいのかを考えてみましょう。
- 他人の目線が気にならない。
- 自分の中で判断基準が決まっている。
- 流行に踊らされない
- 他人の意見に流されない
- 他人に褒められなくても自己満足できる
↑の承認欲求のない人の特徴からわかることは、
自分の価値観がはっきりしていて、
自己満足できる性格であれば、
承認欲求に悩まされずに済むということです。
まずは、これから紹介する2つの方法を試してみてください。
価値観リスト作成
ひとつ目は、価値観リストの作成です。
価値観をはっきりさせる方法は、いくつかありますが、
私は価値観リストの作成をおすすめします。
作り方は『価値観リスト』の記事で紹介しています。
自分にとって大切なこと、大事にしていることをじっくり考えてみてくださいね。
配偶者にバレずに役に立つ
ふたつめは少し変わった方法です。
配偶者のためになる思うことを、配偶者にバレずにこっそり取り組んでください
いつも誰も掃除していない場所を掃除してみたり、
夕食に一品付け加えてみたり、
ちょっとだけ節約してみたり、
何でもいいのですが、絶対にバレていけません。
絶対にバレずに役に立つというのは、
条件付けされた承認欲求とは真逆の行動。
自己満足的な人助けは、自己肯定感やメンタルの安定にも効果があります。
ぜひ試してみてくだいね。
自己否定
家系の課題を正確にとらえることは夫婦立て直しには必須です。
家系の課題とは、親から受け継いだ性格や考え方の癖のようなもの。
自己否定もそのうちのひとつです。
親に認められなかった傷跡
自己否定は、親しい人に認められなかったことの積み重ねです。
能力以上のことを求められたり、自分の頑張りを肯定してもらえなかった経験が後の人格形成に影響を与えます。
とくに、親に認めてもらえなかった経験は大きな傷跡を残すケースも。
『どうせ自分なんて何をやってもダメ』
『考えていることも間違っているに決まっている』
そんな考えがしばしば浮かんでくるなら自己否定的な性格である傾向が強いです。
自己否定は配偶者とのパワーバランスを崩す
自己否定、自己肯定感の低さは他者依存へ繋がります。
夫婦は、お互いが自立し、言いたいことを適切に言い合えるが理想。
いいところも悪いところも認め合って、お互いのやりたいことがバランスよく達成できるのが建設的ですよね。
しかし、自己否定的な性格である場合、
自己主張がうまくできない。
そもそも、主張が存在しない。
という状況に陥りやすいです。
結果として、自分の主張は心のどこかにあるのに、表現や実感ごできないため、見えないストレスが積み重なります。
そして、限界が来ると爆発して、離婚へとつながる行動をとってしまうでしょう。
自己否定を減らすための提案
自己否定的な方が夫婦関係で起こしてしまう問題は、
- 感情を爆発させて、離婚へ向かってしまう
- 精神的なストレスにより、鬱やパニック障害を引き起こす
などが挙げられます。
普段は自己否定的な人は、主張が少ないため『優しい人、いい人』という印象を与えます。
よって、たった一度の大きな感情の爆発でどちらかが離婚へ舵を切ってしまう可能性が高いです。
主な対策としては、
- 自己主張の方法(アサーション)を学ぶ
- 感情表現を豊かにする
が挙げられます。
自己主張の方法を学ぶ
夫婦関係において、
自己否定的な人がやってしまいがちな失敗は、配偶者に自分の考えや意見を言えずに自分の内側で処理しようとすることです。
しかし、それは自分の心を壊す悪循環を生みます。
言わなければ伝わらない。
自分の考えをしっかりと伝えていい。
この2つの価値観を持つことが大切。
自己主張できるようになるためには、『アサーション』を学ぶのがおすすめです。
アサーションとは、『自分も相手も尊重する』という意味を持つコミュニケーション方法、考え方です。
自己主張すると配偶者を嫌な気持ちにさせるのではないか。
自分の考えは価値がない、伝えない方がいいのではないか。
そんな考えを持っている方は、ぜひ取り組んでみてくださいね。
感情表現を豊かにする
自己否定しがちな人は、他人に感情表現するのが苦手です。
そこで、アサーションの技術のひとつである『感情インベントリ』という手法で自分の感情を定期的に確認する癖をつけるとよいです。
感情インベントリのやり方は簡単です。
- 1日の終わりに、今日味わった感情をポジティブとネガティブを問わず、思い出して書き出す。
- 10分間で何種類の感情を思い起こして書いてみる。
感情表現は愛着スタイルが回避型である場合、より苦手な傾向にあります。
健康的な感情づくりの詳細については、
↓の記事を参考にしていただけたらと思います。
完璧主義
まずは完璧主義な人というのはどのような人なのか、どのような親に育てられたらなってしまいやすいのか、夫婦間に及ぼす影響などを考えていきましょう。
完璧主義ってどんな人?
親の病、とくに子どもの頃に母親との愛着形成に問題があった場合、
広く共通してみられるのが『完璧主義』です。
完璧主義には大きく分類して、
2種類存在します。
自分は完璧でなければならないと頑張りすぎてしまう
↑のタイプは能力以上の自分の理想を叶えるためにオーバーワークします。
完璧な結果や状況を求めるため、失敗や新しいチャンスを恐れてしまう
↑のタイプは理想と現実とのギャップを怖がってなかなか挑戦したり、前に進んだりできません。
共通しているのは、
完璧な人間でなければ、全てがダメになってしまう。
義務や理想を完璧に実現しなければ、自分が無価値になってしまう。
といった、完璧じゃなきゃダメなんだという強迫観念に似た価値観に囚われています。
もちろん、自分の能力以上に頑張りすぎて大成功する方もいます。
しかし、成し遂げなれない自分に嫌気が差して自滅する方が多いかもしれません。
なぜ完璧主義になってしまうのか?
完璧主義な傾向は、歪んだ愛情表現や評価方法を受けてきたことによって生まれます。
幼少期に完璧な良い子だった時だけ、親から愛情を受けていた。
成果がでたときだけ可愛がってもらえるような条件付けの愛情を受けていた。
というような成長、過程、意欲を無視され、結果だけにフォーカスした接し方が原因のひとつです。
失敗を恐れやすかったり、新しいことに挑戦するのを怖がったりするのは、遺伝的な素質も関わります。
また、無条件の愛情を受けられず、『安全基地』となるはずだった親との愛着形成がうまくいかなかった影響があります。
条件付きの愛着形成がされたため、成功しなければ愛されないと無意識に囚われています。
家族への影響
完璧主義は夫婦関係に甚大なダメージを与えます。
感情を押し殺したツケは配偶者が払う
自分を完璧に取り繕うのは、凄まじい労力を必要とします。
限界を感じているのに自分を止められず、心身を壊してしまうこともあります。
そして、崩れたバランスは最も身近な人間で調整しようとするでしょう。
とくに思い通りになる人間に対して、支配的に振る舞います。
大抵の場合、標的となるのは配偶者か子どもです。
自分自身が完璧主義であるなら、自分が止めなければ、愛着の病による負の連鎖が次世代へ続くことになるかもれしません。
配偶者を頼れない
さらに、つらいのは完璧を目指して頑張っているのに、自分が苦しくなった時に助けを求められないことです。
完璧主義ゆえに、人に弱音を吐けなかったり、自分の良い面ばかり見せて、影の部分を隠してしまった経験があるのではないでしょうか。
自信の無さから生じる人一倍の頑張りによって、完璧さを演じてしまうんですね。
弱みを配偶者に見せられないというのは、かなり苦しい状況です。
心身を壊す
完璧主義は、心と体を蝕みます。
頑張ることや無理をすることが当たり前になってしまっているため、心身の異変に気づくことができません。
親からわずかな愛情を受けるため、不可能と思われる目標に対して、がむしゃらに生きてきた代償です。
入院や鬱状態になって、医師から頑張りすぎていたことを宣告されて、初めて自分が強迫観念に囚われていたことを知ります。
人によっては、医師から宣告されても受け入れることができないでしょう。
身体を壊すことで、配偶者に負担をかけてしまい、さらに自分自身を責めてしまいます。
配偶者にも完璧を求める
完璧主義者の末路は、他者にも完璧を求めて、勝手に幻滅して、人間関係を壊してしまいます。
なぜなら、この世に完璧な配偶者は存在しないからです。
家事や育児はやって当たり前、できなければ指摘して改善を求めてしまいます。
要求を繰り返してしてしまうと、よほど忍耐強く家系的に優れた配偶者以外は耐えられません。
しかし、本人は配偶者を意図的に苦しめているつもりはないのです。
理想を貫くことが当然の生き方なので、配偶者の苦しみが理解できません。
親にされたことを最も身近な人に無意識に行ってしまうのです。
完璧主義を克服するための提案
完璧主義を克服できる人の共通点は、
自分を客観視し、不完全な自分を受け入れることです。
一言で表現するのは簡単ですが、不完全な自分を受け入れるのは完璧主義者にとって難しいでしょう。
親とのゆがんだ愛着形成の蓄積が、価値観を変えることを阻害するからです。
解決の糸口として、自分置かれている状況、価値観がおかしいと気づくための方法を紹介しますね。
自分を作っている遺伝子を知ろう
人の性格や能力の半分は遺伝子で決まります。
元々できることはできるし、できないことはできないです。
私は、完璧主義ではないです。
しかし、遺伝子検査によって自分が苦手だった物事の理由を知り、自分という人間が腑に落ちた瞬間がありました。
自分ってこんなに不完全な人間なんだ。
悟りのような自己を俯瞰した感覚を得ることが完璧主義を脱却する第一歩です。
慈悲の瞑想
スピリチュアルな話に思えますが、生きるのが苦しいと思っている方には、自分がしあわせになることを祈りながら瞑想する『慈悲の瞑想』をおすすめします
完璧主義の根本は、ダメな自分を許せないことが原因にあります。
だから、ダメな自分でもしあわせになってもいいという言葉を自分自身に伝えてあげましょう。
瞑想には、自分のストレスや感情をケアする効果があります。
あるがままの自分を受け入れるマインドフルネスは完璧主義な自分を少しずつ変えてくれるかもしれません。
ネガティブな反応
みなさんは、配偶者の些細な言動に傷ついて、落ち込んだことはありませんか?
もしくは、感情的に怒ってしまったという経験はありませんか?
家事育児のやり方が違っていた
報連相を忘れていた
お金を使い過ぎてしまった
配偶者からそんな指摘をされることあるかと思います。
全面的に自分が悪い場合もありますが、
夫婦問題ではどちらにも非があることも多いでしょう。
お互い様の状況でも、
『自分はなんてダメな奴なんだ』とひどく落ち込む。
または『そっちだって悪いだろ』と逆ギレして喧嘩になってしまう。
このような『ネガティブな反応』は、誰にでもありそうですが、
意外とそうではないことをご存知ですか?
ネガティブな反応をしてしまう理由は大きく分けて2つあります。
- 生まれ持った遺伝的素質
- 生育環境
の2つです。
今回は、生育環境の一例として、愛着の病を抱えているケースについてお話しします。
いつも安心感がない
ネガティブな反応を繰り返す人は、
常に安心感が足りていないと言われています。
親から愛され、肯定されて育った人は、
何か躓きがあっても
「自分は大丈夫だ」
「どうにかなる」
と自然と思うことができます。
なぜなら、
失敗しても支えてくれたり、
欠点もまるごと無条件に愛してくれた経験が無意識の中にあるからです。
大丈夫だという安心感は、
自分に対する自信だけではなく、
周囲の人間がきっと助けてくれるという信頼感からきています。
基本的安心感、基本的信頼感
実際問題はどうなるかわからない。
しかし心から大丈夫だと思える、信じられる感覚のことを
『基本的安心感』や『基本的信頼感』といいます。
『ネガティブな反応』を引き起こす最大の原因は、
親との愛着形成が不安定だったことによる『基本的安心感』『基本的信頼感』の欠如です。
自分を無価値だと感じる
基本的安心感、信頼感がうまく形成されていないと、
ちょっと否定されたり、
拒絶されたと思うだけで、
すっかり自分が無価値な人間になってしまったように感じてしまいます。
本音を出せず、他人を信頼できない
また、基本的安心感、信頼感がうまく形成されていないと、
本音で話すことが苦手になり、他人に自分の弱みを見せられません。
育ってきた環境の中で、
自然体の自分が受け入れられなかったことが、
日々の夫婦生活に不安定感をもたらします。
本音を言わずに、人間関係のバランスを取っていた場合、
本音を言わなければならない状況になると、不安定になりやすいです。
回避型の愛着スタイルのように親密な関係をあえて避けるようになります。
素の自分を出したら嫌われてしまう。
幻滅されてしまう。
拒絶されてしまう。
他者を信頼し切ることはできない、
自分を傷つける存在だという、
家庭環境によって刷り込まれたネガティブな感覚は、
夫婦関係においても悪さをします。
怒りの表現が下手
そして、ネガティブな反応によって表現される怒りは、質が悪い場合が多いです。
怒りは、『機能的怒り』と『非機能的な怒り』に分類されます。
質が悪いのは、後者の非機能的な怒りです。
機能的怒り
機能的怒りは表現することによって、問題解決が促進されたり、対人関係が深まったりするのに役立つ建設的な怒りです。
非機能的怒り
夫婦関係を難しくするのは、非機能的怒りとして表現してしまった場合です。
怒りによって、問題が解決するどころか、余計に紛糾してしまったり、対人関係が破綻してしまったりします。
当然、親との関係が安定していた人ほど、怒りは機能的になりやすいです。
ネガティブな反応と上手に付き合うための提案
ネガティブな反応を解決するために、
最初に伝えたいことは、
ネガティブな感情を持つことは悪いことではないということです。
不安も怒りも、
生存競争に勝つため危険を察知する能力。
自分の安全を脅かす人や大きなリスクに対して敏感になります。
ただし、
行動までネガティブに反応し、
自分や周囲の人間に負の影響与えてしまうと、
長期的に夫婦関係を悪化させてしまいます。
夫婦関係を悪化させないために、3つの切り口から解決に取り組んでもらえればと思います。
- ネガティブな思考と行動を分離する
- 親に本当の気持ちを伝える
- 第三者に安全基地となってもらう
ネガティブな思考と行動を分離する
ネガティブな思考や感情が湧き上がっても、行動にうつさないようにするということが基本になります。
ネガティブに捉えてしまうのは、遺伝的要素や親との愛着関係が原因であるため、仕方がないところもあります。
しかし、思考を行動へと反射的にうつさなければ、大惨事を避けることはできます。
そのためには、マインドフルな呼吸や脱フュージョンへ取り組むことも重要。
いずれも思考と行動を分離するための技術です。
極論、配偶者へ激しい怒りを感じても、行動へ移さなければ、配偶者へ届かずにすみます。
アサーティブに伝える
また、表現方法の巧拙は夫婦関係にダイレクトに響きます。
自分が抱えている不安を感情的に伝えてしまうか、アサーティブに伝えられるかは大きな差となります。
アサーションについては、
立ち直った夫婦はアサーションができている!①自己表現の3つのタイプの記事を中心に紹介していますので、よかったら読んでみてくださいね。
親に本当の気持ちを伝える
愛着の病を根治治療するには、親との愛着の病を乗り越えることが正攻法。
根本的な問題である親と関係で生まれた愛着の傷を癒す必要があります。
親に気を遣い、
怒らせないように、
悲しませないように、
顔色を伺っていた自分を変えなければなりません。
親へ本音をぶつけ、反抗の狼煙をあげて、押さえ込んでいた感情を吐露することも方法のひとつです。
親との接触は劇薬
しかし、親との愛着関係の立て直しは劇薬。
自分への裏切りと捉える親もいるかもしれません。
より、関係が悪化する危険性もあります。
しかし、中には子どもの成長だと前向きに捉えたり、自分の過ちに気づくきっかけを与えることができるかもしれません。
その場合、わだかまりは一気に解消されて、家系の課題が解決するでしょう。
親と距離を置く
また、自己を振り返らない自己愛性の強い未熟な親であった場合、距離を置くことも重要です。
近すぎると依存するか、支配され続けることになります。
顔を合わせれば傷つけられるか、振り回されるという状況が続けば、余計に自分が不安定になり、問題を拗らせていく。
あなた自身が成長するために、前向きな気持ちで親に本音でぶつかっても、親が未熟であれば、一旦見切りをつけることも必要です。
拗らせた問題は家族へと波及し、夫婦関係を破壊します。
配偶者へ無意識のうちに親からのストレスをぶつけないためにも離れることをおすすめします。
自立とは親を離れること
自立とは親を離れること。
『親子』ではなく、『対等な大人』となること。
そして、結婚は最大の自立の分岐点です。
あなたが結婚した時点で、親はもうほとんどの役目を終えているのです。
第三者に安全基地となってもらう
どうしても、親との課題が重すぎる場合、
親友、カウンセラー、仲間など第三者が安全基地となるように、取り組み、段階を踏みましょう。
動物や趣味、心から没頭できることならOKです。
私の場合は、夫婦修復のコーチが最初の安全基地代わりを務めてくれました。
自分の考えや価値観を否定せず、受け入れてくれました。そして、母との課題を解決する道を作ってくれました。
また、ある友人も、ひとりで寂しくしている私が、旅行に誘うと躊躇することなく、了承してくれました。
1番精神的に辛かった時なので、本当に救われました。
そして、精神的に落ち着いた頃、母と初めて本音で話をしました。
別居した本当の理由を知りました。
私が小さい頃、一緒にいる時間が短かくて申し訳ないと思っていたことも初めて知りました。
自分の愛着スタイルが不安定である原因を知ることで、意外と愛着スタイルは安定するようになります。
このように私自身も、ステップを踏み、親との関係を再構築し、夫婦修復へ歩み出すことができたのです。
心の安全基地が無い
そもそも『安全基地』って何?
という質問にお答えします。
安全基地とは、
自分だけの秘密の場所!
いざという時に身を守れるシェルター!
食料貯蔵庫!
という物理的な物腰を指す言葉ではありません。
厳密には、『心の安全基地』と表現します。
『この人といると安心できるなあ』
『帰ってくると落ち着くなあ』
『この人なら何でも話せるなあ』
と感じられる人やコミュニティのことを指すのです。
具体的には、
- 相手を脅かさず、傷つけずに安全な場所を保証する。
- 相手が感じていることを想像し、気持ちに寄り添って共感する。
- 相手が求めているときに素早く行動し、余計なことをしない。
- 気分次第で態度を変えることなく、一貫した対応を取る。
↑のようなことが自分ができている。
もしくは、相手とのコミュニケーションで感じられているなら安全基地として機能していると言えます。
しかし、全員が当たり前のように安全基地を持出るわけではないのです。
夫婦間のコミュニケーションがうまくいっていない、安心感がないと感じていたら精神科医の岡田尊氏さん監修の↓の書籍がおすすめです。
心の安全基地がない理由
なぜ、人によって安全基地を持てないのでしょうか?
実は、親子関係が不安定だった場合、
安全基地は作られにくい傾向にあるのです。
親子関係は、生育環境で最も重要な人間関係です。
もちろん、人格の全てが親子関係で決まるわけではありませんが、長期間かつ密なコミュニケーションの影響はどうしても大きくなってしまうのです。
安全基地の条件は、
『安全感』・『共感性』・『応答性』
が正しく機能していること。
もしも、自分の考えや悩みと真剣に向き合ってくれなかった。
困ったときにすぐに助けてくれなかった。
機嫌のいい時と悪い時で対応が違って、振り回された。
という経験が親子間であり、今でも親との関係がギクシャクしているなら親との『安全基地』が形成されていない可能性が高いです。
一方で、
誰とでも安定的な人間関係を構築できる人は、安全基地の輪を幼少期の頃から少しずつ広げてきた経験が生きている人。
最初は親との相互的安全基地から始まり、自分が安全だと思える範囲を父親、兄弟、親族、友達、同僚と広げていきます。
親との愛着関係で躓いてしまうと、その後の安定した人間関係を得るのに苦労するかもしれません。
なぜなら、自分が安全な世界を飛び出して冒険した時、傷ついた自分を守ってくれる存在がいないと思ってしまうからです。
傷ついても守ってもらえないことで、他人との安定した愛着関係の構築に臆病になってしまいます。
家族への影響
安全基地がうまく形成されなかったということは、愛着スタイルが不安定になりやすいということです。
愛着スタイルとは、その人独特の人間関係な癖のこと。
- ちょっとしたことで不安を感じやすい
- 親しい相手に必要以上に求めすぎてしまう
- 他人と深い関係を作るのが苦手
といった安定した愛着行動とは少し外れた価値観のことです。
愛着スタイルが不安定であれば、近しい人間ほど影響が出てしまいます。
とくに配偶者には顕著。
配偶者へ要求しすぎたり、親密な関係を避けてしまい関係が拗れてしまう恐れがあります。
この人とは合わない!
という性格不一致は愛着スタイルの違いによっても起こります。
なので、よりよい夫婦関係を築くためにも自分自身の性格や人間関係の癖を知ることが大事なんです。
心の安全基地を築くための提案
心の安全基地を作っていくための方法は3つあります。
- 愛着スタイルに向き合うこと。
- 遺伝子と向き合うこと
- 配偶者と相互的な安全基地を目指す
順番に説明しますね。
自分と配偶者の愛着スタイルに向き合うこと
安全基地がうまく形成されなかったことを悔いても前に進むことはできません。
自分や配偶者の愛着スタイルが何に分類されるのかを分析してみましょう。
愛着スタイルは、
- 安定型
- 不安型
- 回避型
- 混乱型
↑の4種類です。
一見、分析は簡単そうです。
しかし、愛着スタイルは複雑に絡み合っています。
安定型を含めて各愛着スタイルの要素が混ざっているケースの方が多いからです。
よって、
愛着スタイルを知って自分や配偶者をラベリングするのでなく、自分や配偶者の人間関係の癖を知ることで円滑にコミュニケーションを取れるように作戦を立てること。
こんなときはどうする?
ああ言われた時はどうする?
というように、トライアンドエラーを試してみてくださいね。
コミュニケーションの取り方については、アサーションを学ぶこともおすすめです。
とくに、夫婦間のコミュニケーションがギクシャクしていて困っている方は、↓の書籍がおすすめです。
遺伝子と向き合うこと
不安定な愛着スタイルは、親との安全基地が形成されなかったためとお伝えしました。
ところが、原因は家庭環境だけではありません。
自分自身の生まれ持った遺伝子にも影響を受けます。
例えば、
人間関係への不安の感じやすさは、欧米人に比べてアジア人の方が強い傾向にあると言われています。
サバサバとした親子関係を好む欧米人のやり方を日本人が真似すると愛着が不安定になってしまいがちとも言えます。
具体的に言うと、海外では幼児の頃からひとりで寝るのが当たり前の習慣ですが、不安を感じやすい日本人の幼児に対して、早い段階で独り立ちさせると愛着関係に問題が発生する恐れがあるのです。
親に甘えることは、私たち日本人にはより必要なことだということです。
また不安感だけではなく
- 孤独感
- 幸福感
- ネガティブな思考
- 神経質さ
- ストレス耐性 など
↑のようなメンタルの癖も遺伝的要素を持っています。
愛着スタイルの不安定さは生まれつきの要素も十分にあります。
自分を知るために、自分はどんな遺伝子を持っているのか、興味を持つことが大切です。
配偶者と相互的な安全基地を目指す
最後は、親との安全基地がないのなら他の誰かと作ればいい!という提案です。
実は、親の次に安全基地として相応しいのは配偶者なんです。
『今さらそんな関係にはなれないよ』
と思うかもしれませんが、
夫婦が相互的に安全基地となれたら、結婚生活が有意義になりそうだと思いませんか?
家に帰ると安心する。
配偶者は何でも自分のことを受け入れてくれる。
いつでも変わらない対応をしてくれる。
押し付けや深入りはしないけど、困ったときは助けてくれる。
お互いがそう感じることができたら、家族が安全基地になり、子ども、親族、友人と安全基地の輪が広がっていくでしょう。
安全基地の条件である『安全感』、『共感性』、『応答性』
を意識して日々の生活を送ってみてくださいね。
役割の逆転
親子の役割逆転は、親が子どもに気持ちを汲み取ることを強要することから始まります。
例えば、人間関係の中で、嫌なことがあるとむすっとするけど何も言わない。
自分の考えや意見を共感してもらえないと怒り出す。
こんな人を見たことありませんか?
人間の適切なコミュニケーションは、お互いを尊重した自己表現にあります。
ところが、
自分は自己表現しないけど察して欲しい。
自分の意見に共感できない人は許せない。
という自己表現をする人がいます。
そのような表現を他人にすると、他人は離れていきます。
しかし、子どもに対して行うと、子どもは親の気持ちを察しようと努力したり、機嫌を損ねないように振る舞います。
理由は単純。
親に愛されたいからです。
未熟な親の連鎖が原因
役割の逆転は、必ず親が主導で発生します。
親が自分の気持ちを汲み取るように要求し、子どもができない場合は憎んだり、怒ったりする。
問題なのは、親にまったく自覚がないことが多いことです。
そして、さらに厄介なのは親自身も自分の親から同じように役割の逆転を要求されている可能性が高いこと。
もちろん、子どもを攻撃しようと思ってやっている人ばかりではありません。
無意識のうちに自分の親にされたことを繰り返している。
気づかないうちに、自分が得られなかった親の愛情を子どもへ求めている。
という場合もあります。
親との愛着形成がうまく行われなかったため、愛着スタイルが不安定であるといえます。
子どもへの影響
子どもへの影響は、甚大です。
役割の逆転は、
不安定な愛着スタイルの連鎖を生みます。
親が子どもへ気持ちを汲み取ることをも求めて、子どもが気持ちを汲み取ることを認めないということは、相互的な安全基地の形成はほぼ不可能。
親が人生における大きな不安の種となります。
親の言動に敏感になり、自分を拒否されることで自己肯定感が育ちません。
愛着スタイルで言えば、不安型の傾向が強くなります。
子どもは問題行動を起こしやすくなったり、メンタルが不安定になってしまいます。
反抗期にグレてしまったり、
登校拒否やうつ病を発症することも少なくないでしょう。
そして、子どもが犠牲になることは、配偶者の影響を強く受けているケースもあります。
配偶者との関わり
親が無意識のうちに行う役割の逆転は、
配偶者からの愛情を感じられないことによっても引き起こされます。
とくに、夫婦関係が破綻してしまっている場合には、憎しみや怒りの捌け口として立場の弱い子どもがターゲットとされやすいのです。
子どもは何よりも大切な存在なのに、そんなことするわけない!
と思うでしょう。
しかし、
直接、配偶者とぶつかり合うのを恐れてしまい、子どもへ矛先を向けてしまう方もいます。
無自覚であるゆえに、配偶者から逃げるために子どもを傷つけているとは思っていません。
ただ、漠然とした不安から子どもへ親としての役割を求めてしまうのです。
役割の逆転を乗り越えるための提案
『役割の逆転』を乗り越える対策は以下の2つです。
- 子どもにも自己表現の自由があることを腹落ちすること。
- 自らの親との関係を立て直すこと。
まずは、子どもへの接し方を見直しましょう。
コントロールできるのは自分だけです。
子どもをひとりの人間として接する
自分が子どもに対してひとりの人間として接することができているかを見直してみましょう。
お互いに自己表現の自由があり、その自己表現はお互いに尊重されます。
親が子どもに尊敬して欲しいとか、褒めてもらいたいという感情を持つことは悪いことではありません。
しかし、子どもが親を尊敬したり褒めたりすることは、子どもが決めることなのです。
子どもがどう感じるのかは、子どもが決めると腹落ちしましょう。
親へ甘える、ダメなら距離を取る
子どもと役割を逆転させてしまう人は、親との愛着形成に問題がある場合が多いです。
愛着形成が不安定なのは、幼少期からの親の愛情が不安定だった影響が大きな理由のひとつ。
思い切って感情をぶつけてみてはどうでしょうか?
人間関係において、感情的なコミュニケーションはあまりおすすめできません。
一方で、親に関して言えば、感情を剥き出しにして接してもいいし、悪態を吐いてもいいと考えています。
親へ感情をぶつけるということは、親へ甘えるということ。
大人になってから親に甘えるのは、いかがなものかと思うかもしれません。
ただ、大人になってしまえば、甘える期間はそう長くなりません。
目的は、親に愛され続けることではなく、愛されていることを確認することだからです。
未熟な親だった場合、受け入れてもらえないこともあります。
そのときは、親を諦める・手放すことを選択肢として意識してください。
変わってもらえないなら諦める。
とても冷たい言い方のように感じますが、親もひとりの人間です。
コントロールできません。
親元を離れ、結婚した時点で、
この世で最も大切な人は生まれ育った家族ではなく、これから一緒にしあわせな家族を目指していく配偶者と子どもです。
親という病を乗り越えて、
自分が最も大切にしなければならない人へ目を向けてみませんか?
最後に
以愛着障害が夫婦関係に与える影響と愛着障害を克服するための提案は以上になります。
幼少期の愛着形成は私たちが想像している以上に夫婦関係のトラブルを引き起こします。
多くの場合は親との愛着関係が夫婦関係を左右してしまうので、早い段階で自分の愛着スタイルとコミュニケーションの癖を理解しておくことが必要。
本記事が皆さんの夫婦関係の立て直しに繋がれば幸いです。
夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います。
必ずあなたの力になります。
これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!
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