愛着スタイルと安全基地を知ろう。夫婦立て直しの大事な土台。

こんにちは!

 

『夫婦立て直し工場』の石谷落果です。

 

プロフィール

石谷落果

夫婦カウンセラー

『離婚寸前の夫婦危機を経験したこと』が夫婦カウンセラーを志すきっかけ。家族心理学・認知行動療法に精通し、心理的なサポートから経済的フォローまで多角的な夫婦カウンセリングを実施中。

夫婦問題は長引くほど立て直しは難しくなります。ひとりで悩まずに、一緒にしあわせな家族を目指しませんか?

 

今回は、夫婦立て直しの土台となる『愛着スタイル』と『安全基地』についてです。

  

  

参考書籍としては、『話を聞きたがらない夫、悩みを聞いて欲しい妻』を紹介します。

ほぼ全編マンガ形式なので、1時間もかからず読むことができます。

  

まずは、『愛着スタイル』について一緒に学んでいきましょう!

 

石谷落果

夫婦・家族関係についてひとりで考えるのがつらいと感じたら、夫婦立て直しカウンセリングを選択肢のひとつとして考えていただけたらと思います
 
必ずあなたの力になります

夫婦立て直しを始めたばかりの方↓

 

状況別の夫婦立て直し↓

 

家族の経済的不安を無くしたい方↓

 

家族の発達課題について学びたい方↓

 

 

目次

愛着スタイルはその人の人間関係の癖

恋人や友人との関係の中で、

嫌われていないか不安になってしまったり、本当の気持ちを言い出せなかったりした経験はありませんか?

 

人間関係の中で自分がどう思われているか過敏になる。相手の気持ちに上手に共感ができない。

 

そんな経験もあるかもしれません。

 

つい、身近な間柄で取ってしまう自分の思考や行動のことを『愛着スタイル』といいます。

 

愛着スタイルは幼い頃からの人間関係を基に構築されます。

 

幼い頃の経験によって後天的に備わった反射的に取ってしまう人間関係の癖のようなもの。

 

生育環境や元々の遺伝的素質によって愛着スタイルは安定したり、不安定になったりします。

 

安定した愛着スタイルの人は、↓のような特徴があります。

  • 信頼している人が自分をいつまでも裏切らない
  • 受け止めてくれることを信じることができる

 

そのため、愛情を失ってしまうことに対して、思い悩むことが少なく、

人間関係において無駄なストレスを抱えることが少ないです。

 

周囲の人を肯定的に捉え、安定した関係を築くことができるのです。

  

一方で、不安定な愛着スタイル人は↓のような様々な特徴を持っています。

  • 相手の顔色を常に窺ってしまう
  • ネガティブな感情を長く引きずる
  • 1人でいるのが心地よい
  • 他人に共感するのが苦手

人間関係を難しくする癖を無意識にとってしまうのです。

  

夫婦関係においても、

無条件に配偶者を信頼し、周囲の人々を肯定的に捉えることができるのなら、良好な夫婦関係を継続しやすいですね。

  

そして、不安定な愛着スタイルであっても特徴を把握することで上手にコミュニケーションが取れるようになります。

 

皆さんを困らせている配偶者の行動も、

悪意や敵意を持ってあなたを苦しめるわけではないと理解できるはずですよ。

 

配偶者の行動に振り回されて、一喜一憂するストレスを減らすこと夫婦立て直しのために重要なこと。

 

一緒に確認していきましょう!

 

  

愛着スタイルの類別

不安定な愛着スタイルは、

↓のように大きく3つに分類されます。

  • 不安型
  • 回避型
  • 混乱型

順番に見ていきましょう。

  

①不安型

不安型の人は、↓のような特徴を持っています。

  • 人に受け入れられているかが気になってしまう
  • 相手の表情の変化に敏感で、顔色を伺ってしまう
  • 拒絶に敏感で、見捨てられるかもという不安が強い
  • 親しい関係になるほど、もたれかかったり、攻撃的な言動に出てしまったりする
  • 不満や不安を口に出してしまいがち

 

配偶者の表情や態度を伺って、自分の意見を言えなかったり、

反対に、配偶者を支配するような攻撃的な言動や独占欲が生じてしまいます。

 

ネガティブな感情も口に出すとどんどんエスカレートしてしまいがちですね。

  

石谷落果

不安型の人は、自分には価値がないと思い込んでいる、自分と他人との境界線が曖昧である傾向が高いです。

②回避型

回避型の人は、↓のような特徴を持っています。

  • ドライでクール。本気で熱くなることはめったにない
  • 距離をおいた対人関係を好む
  • 縛られないことが大事。依存されるのは苦手
  • わずらわしく面倒なことは避ける
  • 相手の気持ちに無関心で鈍感。共感能力が低い

 

人との深い関わりが苦手なので、配偶者に対しても自己開示せず、自分のことを話したがりません。

 

感情の機微に鈍感であるため、配偶者が困っていても気づかないのです。

 

面倒ごとが苦手=「葛藤」することを避ける、といった傾向にあります。

 

意見が対立するくらいなら、自分から折れてしまうでしょう。

 

そのため、普段はおとなしいのですが、ストレスが溜まり余裕がなくなるとキレてしまうのです。

石谷落果

回避型の人は、他者に縛られること、衝突すること、期待されることが苦手な傾向にあります。

  

混乱型

混乱型は不安型と回避型が入り交ざったような愛着スタイルのことです。

恐れ・回避型

恐れ・回避型の人は、↓のような特長が挙げられます。

  • 人と関わるのは苦手だけど孤独は嫌
  • 他人の反応に無頓着になりきれない

 

元々、回避型ではなかった人が、

人間関係で心の傷を負うと、自己防衛のために回避型の行動をとっているスタイルとなります。

 

そのため、人間関係の悩みには常に自己矛盾が付き纏います。

 

配偶者に対しても、回避型のように自己開示しません。

 

また、感情の機微に気づかないふりをします。

 

本当は気づいているけれど、関わると自分が傷つくかもしれないと言う恐れが働くのです。

 

石谷落果

回避型と大きく異なる点は、本当は配偶者の感情の機微に気づいていて、心を開きたい、でも傷つくのがこわいと考えているところです。

  

未解決・とらわれ型

未解決・とらわれ型の人は、↓のような行動をとる傾向にあります。

  • ちょっとしたことで気分が変わってしまう
  • 自己破壊的な行動が多い
  • 孤独に耐えられず、常に依存相手を探している

 

4つの不安定な愛着スタイルの中で、最も生きるのが難しいタイプです。

 

人間関係が苦手なのに、人との関わりを捨てられないため、多く傷つくことになります。

 

情緒不安定と自己破壊的行動が日常生活に影響を及ぼすほどになると『境界性パーソナリティ障害』と診断されることもあります。

石谷落果

未解決・とらわれ型の傾向が見られる場合、愛着の傷を抱えていることが多いです。

   

揺蕩う愛着スタイル

補足ですが、

文献や識者によっては③おそれ・回避課題と④未解決・とらわれ型をまとめて無秩序型と類別します。

 

そして、不安定な愛着スタイルも必ず4種類にきれいに分類されるわけではありません。

 

なぜなら、それぞれが持っている遺伝子、家庭環境が異なるから。

 

不安傾向が比較的強い人でも、回避型の癖も持っていることもあります。

 

安定している人も100%問題がないわけではないです。当然、不安定な要素も含んでいます。

 

どっちとも取れるような言い方ですが、もちろん占いのようなバーナム効果を狙っているわけではありませんよ。

遺伝的要因と家系の課題の2つが入り混じっているから複雑になってしまうんです。

 

しかも、夫婦関係はさらにお互いの生まれ育った環境も影響します。

 

夫婦関係で何も起こらない方が奇跡的と言えるのかもしれませんね。

 

愛着スタイルを決める要因

愛着スタイルの決定には、生まれつき備わった遺伝的要素もあります。

 

しかし、親との愛着形成は同じように大きな影響を与えます。

 

例えば、不安型の母親に育てられた子どもは、

  • 親の過干渉
  • 感情の起伏による激しい状況変化
  • 自己と他者の境界線の曖昧さ

を経験することで、親の精神状態を安定させるために、「いい子」を演じます。

 

結果、次第に二面性を持つようになります。

相手の表情や態度を伺うようになり、親しい間柄になれば、過剰に求めてしまうようになります。


幼少期の親子関係が人生にどれほど影響を与えてしまうのか、夫婦立て直しに取り組み始めると本当に実感します。

  

心の安全基地を作ろう

結局、子どもの頃に決まった愛着スタイルは覆せないの!?

 

という心の叫びに対しては、

残念ながらそう簡単には覆せないです。

 

と答えるしかありません。

 

一方で、愛着スタイルを安定させる方法はあります。

 

それは、心の『安全基地』を持つことです。

安定した愛着スタイルの人が共通に持っているものです。

 

安全基地とは、親と育まれた愛着の絆

『安全基地』とは幼少期に親と育まれた愛着の絆です。

  

幼い頃、親との間に『安定した愛着の絆』ができていると、子どもは周囲の環境を安全だと感じます。

 

何か困ったことがあってもは親が必ず守ってくれる。

 

少し先の世界や人と関わっても、戻ってくる場所がある。

 

といった『愛着の絆』によって安心感を得るからです。

 

そして、子どもは親を起点に、安心できる世界、信頼できる世界を広げていきます。

心の『安全基地』は、いざというときに心置きなく戻れて、安らげる場所です。

 

安全基地があることで、対人関係も積極的になれて、ストレスにも強い子になります。

 

逆にいえば、『安全基地』を親と構築することができなかった場合は、

不安を感じやすくなったり、人を信頼しにくくなったりしてしまいます。

  

人は経験によって成長していきます。

 

幼い頃に安定した愛着関係を経験できなければ、大人になっても苦手なままなのです。

 

安定した愛着の絆を獲得したい!

では、親との愛着の絆を形成できなければ、愛着スタイルは不安定なままなのでしょうか?

 

実は親との間でなくても、愛着の絆は自分次第で獲得することができます。

  

ベストは配偶者

安全基地の相手として、最も適しているのは配偶者です。

 

夫婦関係が悪化していると、

『腹を割って話すなんてとんでもない!』

『最も苦手な相手だ!』

と思うかもしれません。

  

しかし、お互いが『安全基地』として作用し、安定した夫婦関係を築けるのならほとんど夫婦立て直しのゴールです。

 

安全基地はいざというときに、いつでも戻って来れる場所でなければなりません。

 

友人、職場の先輩、カウンセラーなどでも可能な場合もありますが、いつでもどこでもプライバシー関係なくケアしてもらえるわけではありません。

 

依存関係になり、関係性が壊れてしまうおそれがあります。

 

配偶者は毎日顔を合わせる存在。

 

一緒に暮らしていく相手が安心できる存在であることは、人生を好転させるチャンスです。

 

ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

  

次点で自分自身

チャレンジを促しましたが、

配偶者との関係性や愛着スタイルによって難しい場合は当然あります。

 

例えば、離婚協議中なら現時点ではどうしようも無いです。

 

そういった場合に自分自身を『安全基地』としましょう。

 

自分自身を『安全基地』とするには、

  • 自分に厳しくしすぎない
  • 完璧を追い求めない
  • ありのままの自分を受け入れる
  • 現状を楽しむ

そんなスキルを身に付けることです。

 

苦しいときに自分を守ることができるようになります。

 

「マインドフルネス」へ取り組むことが、自分自身を安全基地とするための近道です。

  

  

安全基地に共通する要素

では、安全基地に必要な要素を考えてみましょう。

 

自分にとっての安全基地を形成するには、相手にとって自分も安全基地となることが大切です。

 

安全基地は相互的に形成されるのが基本。

 

そのためにも、まずは自分が相手の安全基地にならなければなりません。

 

安全基地に必要な要素は一体何でしょうか?それは、↓3つです。

  • 安全感
  • 応答性
  • 共感性

 

詳しく確認していきましょう。

  

①安全感

安全感とは、この人と一緒にいても自分は傷つけられないと思える相手になることです。

 

  • 気分で態度を変えず、言動が一貫している
  • 相手が悩みを抱えていても、無理矢理聞き出したりしない

 

↑のような行動を意識してみてください。

 

どんなことがあってもあなたがいるから大丈夫と思える相手になれます。

 

  

②応答性

応答性とは、相手のアクションに対して、必ず何らかの反応をするということです。

 

返事をしない。

見て見ぬ振りをする。

という行動は厳禁。

 

常に見守ってくれている安心感を持ってもらうことためには↓の行動を取ってみてください。

 

  • 助けを求められたら必ず助ける
  • 可能な限り早く応答する
  • 相手が求めていないことまでしない

 

人は行動を変えることで性格が変わってきます。

 

どんどん反応していきましょう。

 

③共感性

相手が何を求めていることを察して共感することです。

 

常に味方でいてくれる、肯定してくれるという信頼関係を築くことができます。

 

  • 傾聴(アクティブリスニング)を心がける
  • 相槌を打つ
  • 相手の立場になって考える
  • 自分の論理、価値観で相手を裁かない

  

共感は言葉だけではなく、非言語コミュニケーションからも伝えることができますよ。

 

子どもの安全基地となろう

夫婦間が安全基地となることで、自己における家系の課題はほとんど解決するのではないかと思います。

『私の配偶者は親とは違い、幸せな家族を築こうとしている』

と気づいてもらえる日は必ず来ます。

  

しかし、お子さんがいる場合は悠長なことを言ってられません。

 

不安を煽って申し訳ないですが、幼少期の親との関係は愛着スタイルへ大きな影響を与えます。

 

『不安定な愛着スタイルな自分』だったとしても子の安全基地となる必要があるのです。

ひとつ安心していただきたいことがあります。 

 

それは、自分が不安定な愛着スタイルであっても、子どもと温かく、いつも変わらない愛情で関わることができれば子どもとの安全基地を作ることができます。

 

自分がどれほど傷を負っていても、子どもには家系の課題を引き継がせない、負の連鎖を止めるという強い意志を持つことが大切なのですね。

 

最後に

夫婦立て直しにおいて、『安全基地』を持つことは重要です。

 

安全基地を持つためには、↓のポイントを押さえましょう。

  • 自分と配偶者の愛着傾向を把握する。
  • 配偶者との違いを理解して、相手のスタイルを気遣ってコミュニケーションを取る。
  • 安全感、応答性、共感性を高めて相互的な安全基地の形成を目指す。

 

そして、子どもが安定した愛着スタイルと安全基地を持てるように、いつも変わらない温かい愛情で関わりましょう。

 

家系の負の連鎖は私たちで止めることができます。

 

愛着スタイルについては多くの書籍が存在します。 

 

皆さんもぜひ様々な知識を得てみてください。

  

これからも一緒にしあわせな家族を目指しましょうね!

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